スーパーのレジで、以前より合計金額が増えたと感じる場面が続いています。帝国データバンクが2026年10月30日に公表した「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年11月」によると、2026年の飲食料品の値上げは判明分で累計20327品目となり、2年連続で年間2万品目を超えました。
一方、日本銀行が2026年10月13日に公表した「生活意識に関するアンケート調査(第107回)2026年9月調査」では、1年前と比べて暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と答えた人が54.4%でした。
本記事では、この2つの調査の最新データを確認します。
1. そもそも「値上げ品目数」はどう数えている? 帝国データバンクの調査の見方
帝国データバンクは、家庭用を中心とする主要食品メーカー195社の発表資料をもとに、値上げの品目数を集計しています。調査結果は2026年10月30日に公表されました。
数え方のルールは次のとおりです。同じ商品が年内に複数回値上げされた場合は、改定の回ごとに別の品目として数えます。値上げ率は、発表時点の最大値が採用される点も特徴です。価格を据え置いたまま内容量を減らす「実質値上げ」も、集計の対象に含まれます。
2. 11月の値上げは1477品目 前年11月の約10倍、分野別では何が多い?
同調査によると、2026年11月に予定されている食品の値上げは1477品目です。単月では3カ月ぶりに3000品目を下回りました。前年11月の150品目と比べると約10倍で、2022年以降の11月としては2番目に多い水準です。1回あたりの平均値上げ率は、月平均で17%でした。
分野別にみると、最も多いのは644品目の調味料です。酒類・飲料が417品目、加工食品が275品目で続きます。この3分野の合計は1336品目で、これ以外の分野は差し引きで141品目です(編集部算出)。
平均値上げ率17%を、あくまで計算例として当てはめてみましょう。1000円の商品が17%値上がりすると、1170円になる計算です。ただし、17%は1回あたりの平均で、発表時点の最大値をもとにした数字であり、実際の値上げ率は商品ごとに異なります。
3. 2026年の累計は20327品目 2年連続で2万品目超え、前年との差は?
2026年1〜12月の判明分は、2026年10月30日時点で累計20327品目となりました。12月分などが今後加わる可能性があります。前年(20609品目)とほぼ同水準です。なかでも9月と10月の2カ月間に約8000品目が集中し、年間の約4割を占めています。
年間の分野別では、加工食品が6968品目で最も多く、前年の4791品目から4割を超えて増えました。調味料は6258品目、酒類・飲料は3381品目、菓子は1415品目です。
4. 値上げの要因は? 原材料高が9割超、人件費は過去最高
メーカーが挙げた値上げの要因をみると、原材料高が91.7%で最も高い割合です。ただし、年間の水準としては2023年以降で最も低くなっています。エネルギーは63.9%で2年連続の上昇、人件費は51.5%で過去最高を記録しました。中東情勢は27.5%でした。
各要因の割合を合計すると100%を超えるため、1つの値上げに複数の要因が挙げられた集計とみられます。
5. 「値上げラッシュは一服」といえるのは本当? 2027年の見通しは?
11月は単月で3カ月ぶりに3000品目を下回り、12月の値上げも小規模にとどまる見込みです。2027年については、2026年秋に値上げが集中した反動で、年間の品目数が前年を下回る可能性があると、帝国データバンクはみています。
一方で、輸入小麦価格の上昇を背景に、パン類の値上げはすでに一部で動き始めています。今後は一斉の値上げから、商品やカテゴリーごとに選ばれた、断続的な価格改定へ移るとの予想です。内容量の見直しによる実質値上げも混ざる見通しとされています。
あわせて帝国データバンクは、消費者の物価上昇に対する許容度には「限界感もみられる」としています。
次のページでは、日本銀行の調査から、家計側の実感を確認します。