5. 【証券会社出身の視点】検証:退職給付の平均は、60代の平均の貯蓄の約66.7%にあたる
数字を並べると、定年退職者の退職給付額の平均1896万円は、世帯主が60代の世帯の貯蓄の平均2843万円の約66.7%にあたります。定年前後の貯蓄の多くが、退職金によって支えられている可能性があることが分かります。
定年前後の資産は、退職金が入る前と後で大きく変わることが多いでしょう。退職金が入った直後の貯蓄の額だけを見ると、まとまった金額に見えますが、そこから65歳までの生活費や住まいの費用をまかなう世帯も多くあります。
また、世帯主が65歳以上の世帯の中央値は1777万円で、平均の2564万円より約787万円少なくなっています。「平均と比べて少ない」と感じても、中央値や金額の区切りで見ると、多くの世帯と同じくらいの位置にいることもあります。
自分の貯蓄を、退職金を含めた額と、退職金を除いた額の2つに分けて書き出してみると、定年後にどれくらい取り崩せるかの見通しを立てやすくなるかもしれませんね。
※試算の前提:前章と同じ。
6. まとめ
世帯主が60代の二人以上の世帯の貯蓄の平均は2843万円で、負債を差し引いた純貯蓄2609万円は全年代で最も多い額です。世帯主が65歳以上の世帯では、平均2564万円に対して中央値は1777万円で、貯蓄2500万円以上が36.3%、300万円未満が14.9%でした。
60代の平均の貯蓄から定年退職者の退職給付額の平均1896万円を差し引くと、約947万円になる計算です。自分の退職金の見込み額は、勤め先の退職金規程や人事の窓口で確かめることができます。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。貯蓄や退職金の額は、世帯の状況や勤め先の制度によって大きく異なります。統計の詳しい内容は、総務省統計局や厚生労働省のホームページでご確認ください。
参考資料
安達 さやか