3. 11月2日に短期プライムレートが2.625%へ。変動金利の見直しは12月から

金利の動きも、繰上返済を考えるきっかけになります。

三菱UFJ銀行は、短期プライムレートを11月2日に2.375%から2.625%へ引き上げ、住宅ローンの変動金利の基準金利を12月1日から見直すとしています。すでに借りている人の返済に反映される時期は、金利の見直しの種類によって異なります。

適用金利が上がれば、上の試算のとおり、繰上返済で減る利息も大きくなります。ご自身の金利がいつ、どれだけ変わるかを確かめたうえで、繰上返済の時期と金額を考えるとよいでしょう。

4. 【元銀行員の視点】繰上返済は「教育費の山」の時期を確かめてから

ここからは、繰上返済を家計全体で考えるときのポイントを見ていきます。

住宅ローンの相談を受けていた頃、繰上返済をすべきかどうかを尋ねられることがありました。手元資金を減らしてまで返すべきか、金利と残高を見て一緒に考えていたのを思い出します。

教育費の山が来る時期を伝えると、返済を急がない判断に落ち着く方が多数派だったように思います。繰上返済に回したお金は、あとから引き出すことができないためです。

当時と違い、いまは住宅ローンの金利が上がり、繰上返済で減らせる利息も大きくなっています。それでも、生活費の半年分ほどの手元資金と、これから数年で必要になる教育費や車の買い替え費用などは先に取り分けておきましょう。そのうえで残ったお金を繰上返済に回すと、家計が苦しくなりにくくなります。

5. 【確認のしかた】預金に置いた場合の利息と並べてみる

繰上返済に回すか迷うお金は、預金に置いたままにした場合と比べると判断しやすくなります。

5.1 普通預金に100万円を置くと利息は年5000円

ゆうちょ銀行の通常貯金や、三菱UFJ銀行の普通預金の金利は、11月から年0.5%になります。100万円を1年間預けた場合の利息は、税金を引く前で5000円です。

一方、金利1.25%の住宅ローンでは、借りている100万円に対して、1年でおよそ1万2500円の利息がかかる計算です。預金の金利が上がったとはいえ、住宅ローンの金利のほうが高い状態が続いています。

5.2 返済予定表で、いまの金利と残高を見る

比べるときは、試算の金利ではなく、ご自身の適用金利を使う必要があります。借入先から届く返済予定表などで、いまの適用金利と残高、次に金利が見直される時期を見ておいてください。

なお、住宅ローン控除を受けている人は、繰上返済で年末残高が減ると控除額も小さくなります。控除が残っている期間中は、その分も差し引いて考えることをおすすめします。

6. 繰上返済は、借りている金利と手元に残すお金を比べて決める

残高3000万円・残り25年の住宅ローンで100万円を期間短縮型で繰上返済すると、減る利息は金利1.25%で約35万9000円、2.0%で約63万2000円になる試算です。金利が高いほど、繰上返済の効果は大きくなります。

返済額軽減型は減る利息が少ない一方で、毎月の支出を軽くできます。どちらの型を選ぶか迷うときは、借入先の金融機関の窓口で返済予定表を出してもらい、比べてみてください。

※試算は、元利均等返済・金利一定・手数料なしを前提にしたLIMO編集部の概算です。月々の利息は1円未満を切り捨てて計算しています。実際の利息や返済額は、適用金利や契約内容によって異なります。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

中本 智恵