2. 【区分ごとの子どもの人数と支給額】公務員の受給者が対象とする子どもは183万3229人

年報の表3からは、受給者の区分ごとに、手当の対象になっている子どもの数がわかります。いずれも2025年2月末時点の一般受給資格者の数字です。

2.1 受給者の区分ごとの支給対象児童数(2025年2月末時点)

  • 被用者:1360万9902人
  • 非被用者:251万6559人
  • 公務員:183万3229人
  • 合計:1795万9690人

2.2 公務員の受給者の支給対象児童数の内訳

  • 0歳から3歳未満:23万3933人
  • 3歳以上中学校修了前:110万789人
  • 中学校修了後高校生年代:26万6158人
  • 第3子以降:23万2349人

公務員の受給者の家庭でも、高校生年代の子や第3子以降の子が手当の対象になっています。公務員の家庭は窓口が違いますが、拡充の中身は同じように届いていると考えられます。

2.3 受給者の区分ごとの1年間の支給額(2024年度)

年報の表5によると、2024年度の一般受給資格者への児童手当の支給額は、区分ごとに次のとおりです。支給額は、その年度に市町村と公務員の所属庁で支払われた総額です。

  • 被用者:約1兆5421億円
  • 非被用者:約3077億円
  • 公務員:約2247億円

公務員への支給額は、市町村ではなく所属庁が支払った分として数えられています。

区分ごとの数字を見ると、児童手当が、さまざまな働き方の家庭に届いている制度であることがわかります。わが家もその一つとして、受け取っている金額をあらためて確かめてみるとよいでしょう。

2024年度の支給額には、拡充が始まった2024年10月以降の分の一部も含まれていると考えられます。1年分の金額の大きさを知っておくと、家計の中での手当の役割を考えるきっかけにもなるでしょう。

3つの区分は、受給者の人数でも支給額でも、被用者が大きな割合を占めています。会社員などとして働く子育て世帯が多いことが、数字に表れているといえるでしょう。

わが家の金額は、子ども1人ずつの年齢や、第3子以降にあたるかどうかで決まります。国全体の数字は、制度の大きさを知るための目安と受け止め、わが家の分は、このあと紹介する月額から計算してみるとよいでしょう。

3. 【公務員になった・公務員でなくなったとき】翌日から15日以内に、現住所の市区町村と勤務先へ

公務員の場合は勤務先から支給されるため、仕事が変わると、手当の申請先も変わります。こども家庭庁の案内では、次のようなときは、その翌日から15日以内に、現住所の市区町村と勤務先に届出・申請をするよう求めています。

3.1 現住所の市区町村と勤務先に届出・申請が必要なとき

  • 公務員になった場合
  • 退職等により、公務員でなくなった場合
  • 公務員ではあるが、勤務先の官署に変更がある場合

申請が遅れると、原則として、遅れた月分の手当は受けられなくなります。民間の会社から公務員に転職したときや、公務員を退職して民間に移ったときは、翌日から15日以内という期限を意識しておきたいところです。

児童手当の申請・届出が必要なときと期限2/2

児童手当の申請・届出が必要なときと期限

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」をもとにLIMO編集部作成

共働きで、夫婦の一方が公務員という家庭もあるでしょう。受給者になっているのがどちらかによって、申請や届出の先が変わる点に気をつけたいところです。

3.2 子どもが生まれたとき・引っ越したときの申請の期限

子どもが生まれたときは、出生の日の翌日から15日以内に申請が必要です。公務員でない場合は現住所の市区町村が、公務員の場合は勤務先が申請先です。

里帰り出産で実家に身を寄せているときも、申請先は現住所の市区町村だと、こども家庭庁の案内は注意を促しています。

他の市区町村に住所が変わったときは、転入した日(転出予定日)の翌日から15日以内に、転入先の市区町村に申請します。

転職や引っ越しは、ほかの手続きも重なりやすい時期です。児童手当の手続きも、やることの一覧に入れておくと、うっかり忘れを防ぎやすくなるでしょう。

案内には、受給者が入っている年金が変わったときも、お住まいの市区町村への届出が必要とあり、公務員になったときもこれにあたります。迷ったときは、市区町村と勤務先の両方の案内を見ておくと安心です。

公務員から民間へ、民間から公務員へという転職は、年度の変わり目に重なることもあるかもしれません。新しい職場の手続きに追われるなかでも、児童手当の届出は後回しにしないよう、早めに予定に入れておきたいところです。

15日という期限は、思っているより短いものです。辞令や退職の日が決まったら、その週のうちに届出の書類をそろえるくらいのつもりでいると、手当が途切れる心配を減らせるでしょう。

4. 【12月の支給の前に】受給者の区分と手当の月額を書き出す

支給は年6回で、2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月です。そのたびに前月分までの2か月分がまとめて振り込まれ、12月は10月分と11月分にあたります。

4.1 子ども1人あたりの児童手当の月額

  • 3歳未満の子:月1万5000円(第3子以降にあたる子は月3万円)
  • 3歳以上高校生年代までの子:月1万円(第3子以降にあたる子は月3万円)

4.2 12月に受け取る児童手当の2か月分の目安

月額を2倍すると、12月に受け取る金額のおおよそがわかります。3歳未満の子1人なら3万円、3歳以上高校生年代までの子1人なら2万円、第3子以降の子1人なら6万円です。

第3子以降かどうかは、きょうだいを年齢の高い順に数えて決まります。手当の対象の子だけでなく、親などが経済的に支えている22歳の年度末までの兄や姉も数に入ることがあるため、上の子が大学生の家庭は、数え方を確かめておくと安心です。

なお、市区町村によっては、保育料や、申し出のあった家庭の学校給食費などを児童手当から徴収する場合があります。その場合、振込額は月額の2倍より少なくなることがあります。

夫婦のどちらが受給者になっているかと、その人が会社員などか公務員かを、メモに書き出してみてはいかがでしょうか。届出の先がはっきりすると、家族の働き方が変わったときにも慌てずにすみます。

来年に転職や異動、退職の予定がある家庭は、児童手当の手続きも一緒に予定に入れておくとよいでしょう。15日以内という期限を、家族で共有しておくと安心です。

受け取った手当を、教育費のために別の口座へ移している家庭もあるでしょう。振込のたびに同じ手順をくり返すと決めておくと、毎回迷わずにすむかもしれません。

12月に入る2か月分は、年末年始の出費にあてる分と、子どもの将来のために残す分に分けて考えておくと、使い道に迷いにくくなるかもしれません。

5. まとめにかえて

児童手当は、同じ制度でも、受給者が会社員などか公務員かによって、申請や支給の窓口が違います。わが家の窓口を知っておくことは、手当を途切れずに受け取るための備えといえるでしょう。

年報の人数から計算すると、2025年2月末時点の受給者1052万7673人のうち、被用者は803万396人(76.3%)、非被用者は147万7958人(14.0%)、公務員は101万9319人(9.7%)でした。

12月の支給をきっかけに、受給者の区分と月額、働き方が変わったときの届出の先を、家族で確かめておくと、来年の手続きも落ち着いて進めやすくなるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子