3. 2028年4月から、母と暮らす子も遺族基礎年金を受けやすく

令和7年の法律改正で、子に対する遺族基礎年金の支給停止の規定が見直され、子が遺族基礎年金を受けやすくなります。

3.1 生計を同じくする父母がいても支給される

令和10年(2028年)4月1日以後は、生計を同じくする父または母がいる場合であっても、子は遺族基礎年金の支給を受けることができるようになります。

離婚した元夫が亡くなり、子が母と暮らしているケースでも、2028年4月以後は、遺族厚生年金に加えて遺族基礎年金も受け取れる可能性があります。

3.2 死亡一時金を受け取った場合は注意

ただし、令和8年4月1日から令和10年3月31日までに権利が発生した死亡一時金を父または母が受け取った場合、生計を同じくする子の遺族基礎年金は引き続き支給停止されます。

死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間がある方が亡くなったときに、遺族が受け取れる一時金です。請求する前に、子の遺族基礎年金への影響を年金事務所で確認しておくと安心です。

4. 離れて暮らしていた子は「生計同一」の証明がポイント

離婚後に父と別々に暮らしていた子が遺族年金を請求する場合、亡くなった父と生計を同じくしていたと認められるかが重要になります。

別居していた子の「生計同一」を示す書類の例3/3

別居していた子の「生計同一」を示す書類の例

出所:日本年金機構「生計同一関係証明書類等について」をもとにLIMO編集部作成

4.1 養育費の振込記録などが証明書類になる

日本年金機構は、生計同一関係の認定が必要な方が子である場合の証明書類として、次のような例を挙げています。

  • 定期的に送金がある場合:預金通帳、振込明細書または現金書留封筒等の写し
  • 健康保険等の被扶養者になっている場合:「医療保険の資格情報」を印刷したもの、または資格確認書の写し
  • 税法上の扶養親族になっている場合:源泉徴収票または課税台帳等の写し
  • 給与計算上、扶養手当等の対象になっている場合:給与簿または賃金台帳等の写し

子の場合、これらの書類を提出したときは、「生計同一関係に関する申立書」への第三者証明の記入は不要とされています(事実婚関係にある方の場合は扱いが異なります)。元夫から養育費が定期的に振り込まれていた場合は、その記録が残る通帳などを保管しておきましょう。

4.2 認められるかは個別に判断される

離婚して別に暮らしていた子が、亡くなった父と生計を同じくしていたと認められるかどうかは、養育費の支払い状況などの事情に応じて個別に判断されます。請求を考えている場合は、年金事務所に相談し、必要な書類を確認しましょう。

5. まとめ:子の遺族年金は、母と暮らしていても受け取れる場合がある

離婚した元妻は元夫の遺族年金を受け取れませんが、18歳年度末までの子などは、亡くなった父に生計を維持されていれば遺族年金の対象になります。

元夫が再婚していなければ、母と暮らしていても子は遺族厚生年金を受け取れる一方、遺族基礎年金は生計を同じくする母がいる間は支給停止です。この支給停止は2028年4月から見直され、母と暮らす子も遺族基礎年金を受け取れるようになります。

元夫の死亡を知ったら、子が遺族年金を受け取れるかどうか、まずは年金事務所に相談してみましょう。養育費の振込記録など、生計を同じくしていたことを示す書類も確認しておくと安心です。

参考資料

和田 直子