修学旅行や部活の遠征、保育園での急な発熱。これまでは、「保険証のコピー」を子どもに持たせたり、園に預けたりする場面が、一部で見られました。
その保険証は、令和6年(2024年)12月2日以降、新しく発行されなくなりました。いまは「マイナ保険証」(健康保険証として使う登録をしたマイナンバーカード)で確認するのが基本です。では、子どもが先生と出かけた先で病院にかかるとき、何を持たせればよいのでしょうか。
厚生労働省は、令和7年(2025年)2月12日付の事務連絡で、この場面の扱いを整理しています。結論から言うと、子どもにマイナ保険証の本体を持たせるのが難しいときは、代わりになる書類が3つ認められています。
1. 修学旅行や部活の遠征では、マイナ保険証の本体がなくても、厚生労働省が認める3つの書類で保険診療を受けられる
ここでいう「保険診療を受ける」とは、病院や薬局の窓口で、医療費の3割分などの自己負担だけを払うことです。保険が使えるかどうかを確かめる手段が、マイナ保険証の代わりになる書類でも認められる、という話です。
1.1 認められているのは、PDF・資格情報のお知らせ・資格確認書の3つ
厚生労働省のよくある質問(Q44)と事務連絡によると、児童・生徒本人がマイナ保険証を持参することが容易でない場合は、次のいずれかを医療機関や薬局に出す方法でも、保険診療を受けられます。
- マイナポータルに表示される「被保険者資格情報」のPDFファイルをあらかじめダウンロードしたもの、またはその印刷物
- 「資格情報のお知らせ」またはその写し
- 「資格確認書」またはその写し
それぞれの中身を、最初に説明しておきます。マイナポータルは、マイナンバーカードでログインする国のオンラインサービスで、自分の保険の資格情報が見られます。「端末に保存」を押すと、PDFでダウンロードできます。「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証を持つ人に、加入先の保険者(勤務先の健康保険や自治体)が申請なしで送る書類です。「資格確認書」は、マイナ保険証を持たない人などに、保険者が交付する書類です。
【修学旅行・部活の遠征・保育園】子どもにマイナ保険証の本体を持たせられないとき、病院の窓口で出せる書類は?厚生労働省が認める3つと、使える場面を一覧にして整理1/2
出所:厚生労働省『健康保険証の廃止に伴う修学旅行等の学校行事…確認方法について』の一部改正(令和7年2月12日事務連絡)を参考にLIMO編集部作成
図の内容を、項目ごとに書き出します。
- マイナポータルのPDF(ダウンロードしたもの、またはその印刷物):児童・生徒のマイナ保険証の提示は不要
- 資格情報のお知らせ(またはその写し):児童・生徒のマイナ保険証の提示は不要
- 資格確認書(またはその写し):マイナ保険証を持たない場合に使う。複製したものでも受け付けて差し支えないとされている
- どれも、数日間の限られた使用で、学校の教員などの管理のもとで使うことが前提
1.2 3つのどれかがあれば、子どものマイナ保険証の提示は求められない
厚生労働省は、数日間の限られた使用で、教員などの管理のもとで使うことから、なりすましは起こりにくいと考えられる、という理由を挙げています。そのため、PDFや資格情報のお知らせを出す場合は、児童・生徒のマイナ保険証そのものを出す必要はありません。
資格確認書には、複製を防ぐ措置が取られています。ただし、この場面では、コピーしたものでも受け付けて差し支えないとされています。マイナ保険証を持っていない子どもの場合でも、従来の「保険証の写しを持たせる」のと同じ感覚で、資格確認書の写しを預けられます。
これらの書類で確認できて、保険診療を受ける資格が明らかなら、窓口で払うのは、3割分などの自己負担分だけです。
子どもが出先で病院にかかる場面でも、マイナ保険証の本体がなくて慌てる必要はなく、3つのうちどれかを用意しておけばよいことが、厚生労働省の文書で確認できます。
ここからは、保育園や幼稚園の場合と、書類を用意するときの考え方、どれも出せなかったときの支払いを見ていきます。