3. 請求の方法は「障害認定日による請求」と「事後重症による請求」

障害年金の請求には、障害認定日の状態で請求する方法と、その後に状態が重くなってから請求する方法があります。どちらになるかで、受け取りが始まる月が変わります。

3.1 障害認定日による請求:障害認定日の翌月分から

障害認定日に法令に定める障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から年金を受け取ることができます。これを「障害認定日による請求」といいます。

たとえば、初診日が令和6年3月25日の場合、障害認定日は1年6カ月を過ぎた令和7年9月25日です。障害認定日の症状が法令に定める障害の状態にあれば、障害認定日以降に請求することで、令和7年10月分から受け取れます。

3.2 事後重症による請求:請求日の翌月分から

障害認定日に法令に定める障害の状態に該当しなかった方でも、その後病状が悪化し、法令に定める障害の状態になったときには、請求日の翌月分から年金を受け取ることができます。これを「事後重症による請求」といいます。

事後重症による請求では、請求日が遅くなると受け取りの開始時期も遅くなります。障害年金を受け取ることができる状態になった場合は、早めに請求しましょう。請求書は、65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。

4. 請求の流れと必要な書類

障害年金を受け取るには、年金の請求手続きが必要です。手続きの流れは次のとおりです。

障害年金の請求から振り込みまでの流れ3/3

障害年金の請求から振り込みまでの流れ

出所:日本年金機構「障害年金ガイド 令和8年度版」、日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」をもとにLIMO編集部作成

4.1 まずは初診日を確認し、年金事務所などに相談

最初に初診日を確認したうえで、年金事務所や市(区)役所または町村役場に相談し、保険料の納付要件や手続きに必要な書類(診断書など)を確認します。

20歳前に初診日がある方や国民年金加入中に初診日がある方など、障害基礎年金の場合は、お近くの年金事務所、街角の年金相談センターのほか、お住まいの市(区)役所または町村役場でも手続きができます。厚生年金加入中に初診日がある方は、年金事務所や街角の年金相談センターが窓口です(初診日時点で共済組合等に加入していた方は、その共済組合等)。

4.2 主な必要書類

障害基礎年金の請求で、すべての方に必要な書類は次のとおりです。

  • 戸籍謄本、住民票などのいずれか(本人の生年月日を明らかにできる書類。マイナンバーの登録などで原則として添付が不要になる場合がある)
  • 医師の診断書(障害認定日より3カ月以内の現症のもの)
  • 受診状況等証明書(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合)
  • 病歴・就労状況等申立書(障害状態を確認するための補足資料)
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)

障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3カ月以内の現症のもの)もあわせて必要になります。

4.3 年金証書は提出から3カ月程度で届く

年金請求書を提出すると、日本年金機構で障害の状態の認定や障害年金の決定に関する事務が行われ、3カ月程度で「年金証書」「年金決定通知書」などが自宅に届きます。年金証書が届いてから約1~2カ月後に、年金の振り込みが始まります。

5. 初診日の病院で証明が取れないときは

初診日の証明は、通常、初診時の医療機関が作成した受診状況等証明書または診断書で行います。ただ、何年も前に受診した病院が閉院していたり、カルテが残っていなかったりして、証明を得ることが難しい場合もあります。

こうした場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を用意したうえで、請求する方の状況に応じた書類で初診日を証明します。20歳以降に初診日がある場合は、次のいずれかの方法があります。

  • 第三者証明(2通)と、申し立てた初診日に関する参考資料を用意する
  • 初診日頃に受診した医療機関の医療従事者による第三者証明(1通)を用意する

参考資料の例としては、診察券、入院記録、医療機関や薬局の領収書、生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書、障害者手帳の申請時の診断書、事業所等の健康診断の記録、健康保険の給付記録(レセプトを含む)などが挙げられています。なお、請求者の三親等内の親族は、第三者証明を行えません。

20歳前に初診日がある場合は、2番目以降に受診した医療機関が作成した受診状況等証明書などで対応できる場合もあります。受診したときの診察券や領収書、お薬手帳などは、捨てずに保管しておくと安心です。

6. まとめ:まずは初診日を確認し、早めに相談を

障害年金は、初診日に加入していた年金制度で請求できる年金が決まり、初診日の前日の保険料の納付状況で受給の要件が判断されます。障害認定日は、原則として初診日から1年6カ月を過ぎた日です。

障害認定日に障害の状態にあれば障害認定日の翌月分から、その後に状態が重くなった場合は請求日の翌月分から受け取れます。事後重症による請求は、請求が遅れると受け取り開始も遅れます。

初診日の病院の証明が取れない場合でも、第三者証明や参考資料で初診日を証明できることがあります。病気やけがで生活や仕事に支障が出ているときは、まずは初診日を確認し、年金事務所などに相談してみましょう。

参考資料

和田 直子