4. NVIDIA・OpenAIとつながる「お金の輪」
CoreWeaveの不安が1社で終わらなかった理由を、泉田氏はNVIDIA、CoreWeave、OpenAIのお金の流れで説明します。
NVIDIA・CoreWeave・OpenAIのお金の流れ5/5
出所:CoreWeave・NVIDIAのSEC提出書類、NVIDIAの発表を基にイズミダイズム作成
「コアウィーブにNVIDIAは出資してるんですよ」
CoreWeaveはNVIDIAからGPUを買っていますが、そのNVIDIAが出資しています。それだけではなく、出資を前提に社債で資金を集め、資産を膨らませてNVIDIAのGPUを買っていると泉田氏は指摘します。
「レバレッジ効かしてるんだよ」
さらに、CoreWeaveの計算能力が余った場合はNVIDIAが買い取る約束があります。OpenAIはCoreWeaveの計算能力を利用しており、上場時にCoreWeaveの株式を受け取った株主でもあります。
この関係があるため、もしCoreWeaveが行き詰まれば、影響は周りに及びます。NVIDIAにとっては持っている株の価値が失われるうえ、GPUをたくさん使ってくれる顧客を1つ失います。OpenAIにとっては、足りない計算能力を借りていた先がなくなる、と泉田氏は説明します。泉田氏は、同じビジネスモデルの会社が他にもあるなかで「あの会社もか」という連想が広がると信用不安が起きる、と見ています。
5. まとめ:ネオクラウドは何を見ればよいか
CoreWeaveの稼ぐ力そのものは伸びていました。それでも社債が80を割り、CDSが11.9%まで上がったのは、借金が15か月で約4倍に増え、利息が右肩上がりに増える構造のなかで、市場が「返せるか」を疑ったからだと考えられます。
泉田氏は、ハイパースケーラーの財務体質はまだ強固で、そこから先におかしくなるとは考えにくい一方、こうした周辺からおかしくなることは十分に起こり得ると見ています。今後も設備投資が注目点であることは変わらないとしたうえで、どこがおかしくなるのかに注意して見る必要があると述べています。
ネオクラウドを見るときは、借入がどの速さで増えているか、減価償却後の利益と支払利息の差が開いていないか、そして株価より先に社債の値段やCDSが動いていないかを確かめることが、今回の教訓になります。
ただし、社債価格やCDSは報道された時点の値です。CDSから逆算した約63%という確率も、回収率などの仮定で変わります。CoreWeaveは2026年10月17日時点で債務不履行を起こしていませんし、受注した契約が今後どの程度売上になるかは、この記事では検証していません。
参考資料
- CoreWeave, Inc.「四半期報告書(Form 10-Q、2025年1〜3月期)」
- CoreWeave, Inc.「四半期報告書(Form 10-Q、2026年4〜6月期)」
- CoreWeave, Inc.「決算発表(Form 8-K、2025年1〜3月期〜2026年4〜6月期)」
- CoreWeave, Inc.「年次報告書(Form 10-K、2025年度)」
- CoreWeave, Inc.「投資家向け資料(Form 8-K、2026年9月)」
- CoreWeave, Inc.「目論見書(Form 424B4、2025年3月)」
- CoreWeave, Inc.「臨時報告書(Form 8-K、NVIDIAとの契約、2025年9月)」
- CoreWeave, Inc.「NVIDIAによる追加出資の発表」(2026年1月)
- Bloomberg「CoreWeaveの社債価格」(2026年10月14日)
- Coinpaper「CoreWeaveの社債利回り」(2026年10月14日)
- ピクテ・ジャパン「CoreWeaveの社債」(2026年10月16日)
- ロイター「CoreWeaveの社債とCDS」(2026年10月15日)
- The Next Web「CoreWeaveのCDS」(2026年10月15日)
- Bloomberg Tax「S&Pのディストレスの基準」(2022年11月)
- 米国財務省「国債利回り」(2026年10月14日)
- YouTubeチャンネル「イズミダイズム」
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