年末調整の書類をそろえる時期になりました。生命保険や医療保険に入っている人は、保険会社から届く控除証明書を手元に用意しておきたいところです。

国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」で年収の階級ごとに見ると、生命保険料控除を受けた人の割合は年収900万円超1000万円以下で88.4%と最も高く、年収200万円超300万円以下では61.2%でした。年末調整を行った給与所得者全体では68.3%です。

この記事では、年収の階級によって生命保険料控除の利用がどれだけ違うかと、2026年の年末調整から変わる一般生命保険料控除の上限を確認します。

1. 年収階級別の生命保険料控除、年収900万円超1000万円以下は88.4%が利用

民間給与実態統計調査は、民間の事業所に勤める人の給与を国税庁が集計した統計で、年末調整で受けた控除の人数も年収の階級ごとに示しています。生命保険料控除を受けた人の割合は、年収の階級によって大きく違います。年末調整を行った人に占める割合を、年収(1年間の給与の総額)の階級ごとに並べました。

年収階級別 生命保険料控除を受けた人の割合(令和7年分)1/2

年収階級別に年末調整を行った人と生命保険料控除を受けた人の数と割合を並べた表。全体では68.3%

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」第17表を参考にLIMO編集部作成

  • 100万円以下:20.9%
  • 100万円超200万円以下:47.7%
  • 200万円超300万円以下:61.2%
  • 300万円超400万円以下:64.9%
  • 400万円超500万円以下:71.3%
  • 500万円超600万円以下:77.3%
  • 600万円超700万円以下:82.8%
  • 700万円超800万円以下:84.8%
  • 800万円超900万円以下:88.2%
  • 900万円超1000万円以下:88.4%
  • 1000万円超1500万円以下:87.9%
  • 1500万円超2000万円以下:84.4%
  • 全体:68.3%

1.1 生命保険料控除の割合は年収1000万円以下の階級まで上がり、その上で下がる

年収100万円以下では20.9%ですが、200万円超300万円以下で61.2%、500万円超600万円以下で77.3%と、階級が上がるにつれて高くなります。最も高いのは900万円超1000万円以下の88.4%でした。

1000万円を超える階級では、1000万円超1500万円以下が87.9%、1500万円超2000万円以下が84.4%と少し下がっています。なお、年収2000万円を超える人は年末調整の対象外のため、この集計には入っていません。

2. 年末調整で生命保険料控除を受けた給与所得者は全体で68.3%、1人あたり約6万6000円

年収の階級をまとめた全体の数字も確認します。令和7年分の年末調整で生命保険料控除を受けた人の数と、控除額の大きさを見ていきます。

2.1 年末調整を行った4744万79人のうち3239万7184人が生命保険料控除を受けた

令和7年分に1年を通じて勤務し、勤め先で年末調整を行った給与所得者は4744万79人でした。このうち生命保険料控除を受けた人は3239万7184人で、割合は68.3%です。

生命保険料控除は、一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3つに分かれています。人数は一般生命保険料控除が2995万3251人、介護医療保険料控除が2554万2006人、個人年金保険料控除が674万9779人でした。

2.2 生命保険料控除の額は1人あたり約6万6000円

生命保険料控除の控除額の総額は2兆1334億4700万円でした。控除を受けた人数で割ると、1人あたりは約6万6000円になります(LIMO編集部で計算)。

生命保険料控除は、3つの控除を合わせて12万円が上限です。1人あたり約6万6000円という額は、上限の半分をやや上回る水準です。

3. 2026年の年末調整から、23歳未満の扶養親族がいる人は一般生命保険料控除の上限が6万円に

生命保険料控除の上限は、2026年分から一部が変わります。国税庁のタックスアンサー「No.1140 生命保険料控除」で、変更点を確認します。

3.1 一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除は各4万円まで

2012年1月1日以後に結んだ新契約の場合、3つの控除はそれぞれ、年間の支払保険料が8万円を超えると一律4万円です。3つを合わせた控除額は12万円が上限になります。

3.2 令和8年分以降、23歳未満の扶養親族がいれば一般生命保険料控除は最高6万円

令和8年分以降は、23歳未満の扶養親族がいる人が新契約の一般生命保険料を支払った場合、年間の支払額が12万円を超えると控除額は一律6万円になります。2026年12月の年末調整から、この計算で控除を受けられます。

令和7年分の年末調整では、生命保険料控除を受けた人の割合は年収900万円超1000万円以下の88.4%が最も高く、給与所得者全体では68.3%でした。2026年分は、23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に上がります。

自分が受けられる額は、保険会社から届く控除証明書に書かれた「新制度」「旧制度」の区分と年間の保険料で確かめられます。23歳未満の子どもなどを扶養している人は、上限が6万円になる計算式に当てはまるかも見ておきましょう。

ここからは、地震保険料控除とiDeCoなどの掛金の控除を受けた人の数と、保険料控除申告書を書く前に手元にそろえたい書類を見ていきます。