原則として10月分と11月分の年金がまとめて届く、12月15日の支給日が近づいてきました。年金で暮らす世帯にとって気になるのは、税金や社会保険料が差し引かれたあと、手元にいくら残るかでしょう。

総務省統計局が2026年10月23日に公表した消費者物価指数(2026年9月分)では、総合指数が前年同月比で2.1%上昇しました。物価が上がるなかで、年金生活の手取りの目安を知っておきたい方もいるのではないでしょうか。

本記事では、総務省統計局の「家計調査(家計収支編)」2025年平均の結果から、世帯主が無職の二人以上の世帯の1か月の手取りを、世帯主の年齢の5歳刻みで一覧にします。

記事の後半では、40歳代からの働く世帯の手取りとくらべ、年代ごとの手取りと毎月の支出の差や、最新の物価の動き、年金振込通知書でわが家の手取りを確かめる方法も紹介します。

1. 【年金生活世帯の手取り一覧表】65〜69歳は月24万5710円、70〜74歳は月24万8599円

家計調査の「無職世帯」は、二人以上の世帯のうち世帯主が仕事をしていない世帯です。65歳以上の年代では、実収入の多くを公的年金給付が占めます(60〜64歳は、働いて得た収入のほうが多くなっています)。

ここでの手取りは、実収入から税金や社会保険料などの非消費支出を差し引いた可処分所得です。

1.1 世帯主の年齢別に見た無職世帯の手取り(可処分所得)の一覧(2025年・1か月平均)

  • 60〜64歳:手取り17万5981円(公的年金給付7万320円、非消費支出4万2164円)
  • 65〜69歳:手取り24万5710円(公的年金給付20万3499円、非消費支出4万4400円)
  • 70〜74歳:手取り24万8599円(公的年金給付22万3590円、非消費支出3万9127円)
  • 75〜79歳:手取り22万6439円(公的年金給付21万4559円、非消費支出3万2721円)
  • 80〜84歳:手取り21万2309円(公的年金給付20万7585円、非消費支出3万933円)
  • 85歳以上:手取り22万3254円(公的年金給付20万4155円、非消費支出2万9936円)
  • (再掲)65歳以上:手取り23万1198円

60〜64歳の世帯は、公的年金給付が月7万320円で、ほかの年代より少なくなっています。年金を受け取り始める前の人も含まれるためと考えられます。

1.2 【60~85歳以上まで】公的年金給付と差し引かれる税金・社会保険料の一覧表

非消費支出は、おもに税金(直接税)と社会保険料を合わせた金額です。65〜69歳の世帯では月4万4400円が、手取りになる前に差し引かれています。

70〜74歳の手取りが65〜69歳より少し多いのは、税金や社会保険料(非消費支出)が少ないことが関係していると考えられます。年代によって、年金の受け取り方や働き方の違いもあらわれているのでしょう。

世帯主の年齢別の公的年金給付・非消費支出・手取り(無職世帯・2025年・1か月平均)1/2

世帯主の年齢別の公的年金給付・非消費支出・手取り(無職世帯・2025年・1か月平均)

出所:総務省統計局「家計調査結果」をもとにLIMO編集部作成

この表の手取りには、年金のほかに働いて得た収入なども含まれています。年金だけで暮らす世帯なら、手取りは年金の金額から税金や社会保険料を引いた分と考えるとわかりやすいでしょう。

平均の数字は、さまざまな世帯をならしたものです。わが家の手取りと比べるときは、年代の行を目安のひとつとして見ておきたいところです。

年金生活の手取りは、現役のころの給与の手取りとは大きく違うことが多いでしょう。いまの手取りとの違いを知っておくと、暮らしの切りかえを早めに考えられそうです。

手取りの金額は、どこに住むか、家族が何人か、医療や介護にどのくらいかかるかでも、使い方が変わってきます。一覧の数字は、わが家の暮らしを考える出発点として使いたいところです。

世帯主が65〜69歳の無職世帯の手取りは月24万5710円、70〜74歳は月24万8599円でした。75歳以上の年代では、月21万〜22万円台となっています。

2. 手取りの目安で生活費を考える

手取りの目安がわかると、毎月の暮らしの組み立て方を考えやすくなるでしょう。まずは、わが家の手取りが一覧のどの年代の行に近いかを見てみてはいかがでしょうか。

総務省統計局が公表した9月の消費者物価指数では、総合指数が前年同月比2.1%の上昇でした。物価が上がるなかでは、手取りの数字を毎月の暮らしと並べて見ておくことが、いっそう大切になるでしょう。

同じ年代でも、夫婦の年金の組み合わせや働き方によって、手取りは大きく変わります。平均とわが家を並べながら、無理のない暮らし方を考えたいところです。