台風や大雨の日に、勤め先から「今日のシフトはなしで」と連絡を受けたパートの方もいるのではないでしょうか。シフトがなくなった日の休業手当は、会社の都合で休ませた場合に支払われるもので、額は「平均賃金の60%以上」と決まっています。
収入の話は「決まっている率」と「実際に受け取る額」を分けて見ると整理しやすくなります。ここでは、労働基準法と厚生労働省の資料をもとに、シフトがなくなった日の休業手当の決まりを整理します。
あわせて、パートの平均的な働き方で1日休業した場合に、休業手当がいくらになり、1日分の賃金との差がいくらになるのかを試算します。
※パートの平均的な働き方は、厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」のパートタイム労働者の月間所定内給与10万7071円・月間出勤日数13.5日です。
1. 休業手当はパートでいくら?平均的な働き方なら1日約2855円で、日給相当の約36%
休業手当を、毎月勤労統計調査のパートタイム労働者の平均で試算しました。月の所定内給与は10万7071円、出勤日数は13.5日なので、1日分の賃金はおよそ7931円です。
- 【1日分の賃金(日給相当)】約7931円(10万7071円÷13.5日)
- 【平均賃金】約4759円(最低保障の計算)
- 【休業手当(1日分)】約2855円(平均賃金の60%)
- 【1日分の賃金との差】約5076円
※試算の前提:休業日の直前3カ月の賃金を月の所定内給与10万7071円の3カ月分(約32万1213円)、暦日数を92日、出勤日数を40.5日(13.5日×3カ月)とした。残業代や通勤手当などの手当はないものとし、休業手当は平均賃金のちょうど60%で計算。
パートの平均的な働き方では、平均賃金約4759円の60%で休業手当は約2855円となり、日給相当の約36%にとどまる1/1
出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」、e-Gov法令検索「労働基準法」をもとにLIMO編集部作成
休業手当の「60%」は平均賃金に対する割合で、日給に対する割合ではありません。パートの平均的な働き方では、休業手当として受け取れるのは日給相当の約36%です。
2. 休業手当が日給の60%にならないのはなぜ?パートの平均賃金は日給相当の約60%で計算されるため
休業手当のもとになる平均賃金は、労働基準法第12条で決まっています。原則は、直前3カ月の賃金の合計を、その期間の暦日数で割った額です。働いていない日も含めた日数で割るため、週に数日働くパートでは低くなりやすくなります。
- 【原則の計算】3カ月の賃金÷暦日数=約3491円
- 【最低保障の計算】3カ月の賃金÷出勤日数×60%=約4759円
- 【平均賃金】高いほうの約4759円
時給や日給で働く人には最低保障の計算があり、高いほうが平均賃金になります。最低保障は日給相当の60%なので、休業手当は「日給相当の60%のさらに60%」、つまり約36%になります。