親や家族の介護が必要になったとき、気になるのが費用負担ではないでしょうか。厚生労働省の資料によると、介護サービス利用者の自己負担額は月平均1.5万円で、施設系サービスでは月3.2万円でした。サービス別の負担額や介護保険の仕組み、年間負担の目安を確認します。

1. 介護の自己負担は1人あたり月平均1.5万円。施設系は3.2万円

まずは、介護サービスの種類別に、利用者1人あたりの自己負担月額を確認します。

1.1 在宅系0.99万円、居住系2.3万円、施設系3.2万円

2025年7月の介護DBの特別集計によると、利用者1人あたりの自己負担月額の平均は、在宅系サービスが0.99万円、居住系サービスが2.3万円、施設系サービスが3.2万円でした。全体の平均は1.5万円です。

月の途中から利用を始めた人や途中でやめた人も含まれるため、資料では下位10%を除いた平均も示されています。下位10%を除くと、在宅系が1.1万円、居住系が2.6万円、施設系が3.5万円、全体が1.6万円です。

1.2 施設系は特養や老健、居住系はグループホームなど

施設系には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設が含まれます。居住系は、特定施設入居者生活介護と認知症高齢者グループホームです。

在宅系は、それ以外の訪問介護、通所介護、短期入所介護、小規模多機能などです。この平均は、高額介護サービス費の限度額4万4400円を前提に作成されています。

介護サービスの自己負担は、1人あたり月平均で在宅系0.99万円、施設系3.2万円でした。1/4

介護サービスの種類別に見た1人あたり自己負担月額の平均

出所:厚生労働省「持続可能性の確保(給付と負担)について」(第137回社会保障審議会介護保険部会 資料1)をもとにLIMO編集部作成

2. 自己負担は原則1割。2割は利用者の4.3%、3割は3.9%

次に、介護サービスの自己負担の仕組みを整理します。

2.1 費用の9割(8割・7割)は保険から給付される

介護サービスを利用したときの自己負担は原則1割で、残りの9割は介護保険から給付されます。所得が一定以上の人は2割または3割の負担になり、その場合の給付は8割または7割です。

1か月の自己負担が高額になったときは、高額介護サービス費の仕組みがあります。また、施設サービスを利用するときは、介護サービスの自己負担とは別に、居住費、食費、日常生活費がかかります。介護保険3施設とショートステイの居住費と食費には、所得や預貯金などの要件を満たす人を対象に、補足給付による軽減があります。

2.2 2025年3月時点で、2割は23万4062人、3割は20万6341人

2025年3月時点のサービス利用者540万6760人のうち、2割負担は約4.3%(23万4062人)、3割負担は約3.9%(20万6341人)でした。1割負担は92.0%です。

介護サービスの利用者のうち、1割負担は92.0%、2割負担は約4.3%、3割負担は約3.9%でした。2/4

介護保険の利用者負担割合と利用者に占める割合

出所:厚生労働省「持続可能性の確保(給付と負担)について」をもとにLIMO編集部作成

3. LIMO編集部の計算例:施設系の月3.2万円は年38.4万円

サービスの種類別の自己負担月額をもとに、1年間続けて利用した場合の自己負担を計算します。

3.1 前提は2025年7月の自己負担月額の平均

LIMO編集部の計算例として、在宅系0.99万円、居住系2.3万円、施設系3.2万円の自己負担月額の平均を、12か月分に単純計算します。施設系の居住費、食費、日常生活費は含みません。

月額の平均は、高額介護サービス費の限度額4万4400円を前提にした集計です。実際の自己負担は、要介護度や利用するサービスの量、負担割合によって変わります。

3.2 在宅系は年11.88万円、居住系は年27.6万円、施設系は年38.4万円

在宅系の月0.99万円は年11.88万円、居住系の月2.3万円は年27.6万円、施設系の月3.2万円は年38.4万円になります。全体の平均の月1.5万円では年18万円です。

施設系の年38.4万円は、在宅系の年11.88万円の約3.2倍です。

施設系の自己負担月額3.2万円は、12か月で年38.4万円になります。3/4

介護サービスの種類別に見た自己負担の年額の計算例

出所:厚生労働省「持続可能性の確保(給付と負担)について」をもとにLIMO編集部作成

介護サービスの自己負担額は月平均1.5万円で、施設系サービスは月3.2万円と比較的高い水準でした。単純計算では、在宅系は年11.88万円、居住系は年27.6万円、施設系は年38.4万円の負担となります。実際の金額は要介護度や利用量によって異なりますが、施設利用時は介護費とは別に居住費や食費もかかるため、早めに家計への影響を確認しておくことが大切です。

ここからは、利用者1人あたりの年間の介護費と自己負担を、後期高齢者医療と比べて見ていきます。