退職金は、何年勤めたかと、どんな理由で辞めたかによって受け取る額が変わります。勤めた期間が短いうちに自分から辞めると、思っていたより少ない、あるいは出ないこともあります。
東京都が都内の中小企業に聞いた2024年の調査では、自己都合で辞めた人が退職一時金を受け取るのに必要な勤続年数を「3年」とする会社が47.3%で最も多くなりました。大学卒が勤続3年で自己都合退職した場合のモデル退職金は21万5000円です。
この記事では、退職金を受け取るのに必要な勤続年数と、勤続1年から10年までの退職金の目安を見ていきます。
1. 【退職金】自己都合で辞めると勤続3年以上が条件の会社が多い
東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」は、都内の従業員10人から299人の中小企業を対象にした調査です。2024年7月31日時点の状況について、659社から回答を得ています。
このうち退職一時金の制度がある395社に、退職一時金を受け取るには最低何年勤める必要があるかを聞いています。
都内の中小企業で退職一時金を受け取るために必要な最低勤続年数は、自己都合退職では「3年」が47.3%1/2
出所:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」をもとにLIMO編集部作成
【自己都合退職】
- 1年未満:0.3%
- 1年:14.2%
- 2年:11.6%
- 3年:47.3%
- 4年:3.3%
- 5年以上:11.4%
- 無回答:11.9%
【会社都合退職】
- 1年未満:8.4%
- 1年:19.7%
- 2年:8.1%
- 3年:34.4%
- 4年:2.3%
- 5年以上:8.4%
- 無回答:18.7%
1.1 自己都合退職は「勤続3年」が47.3%
自分の都合で辞める場合、勤続3年を条件にする会社が47.3%と半数近くを占めました。4年・5年以上を合わせると62.0%で、6割を超える会社では勤続3年に届かないと退職一時金を受け取れません。
反対に、勤続1年以下でも受け取れる会社は14.5%にとどまります。
1.2 会社都合退職なら短くても受け取れる会社が増える
会社の都合で辞める場合は、条件がゆるくなります。勤続1年以下で受け取れる会社は合わせて28.1%で、自己都合退職のおよそ2倍でした。
同じ会社でも、辞める理由によって退職金を受け取れるかどうかが変わることがあるのです。
2. 【退職金】大学卒の自己都合退職は勤続3年で21万5000円
では、勤続年数が短いうちに辞めると、退職金はいくらになるのでしょうか。同じ調査のモデル退職金を見てみます。
モデル退職金とは、学校を卒業してすぐに入社し、普通の能力と成績で勤めた場合の退職金の水準です。
【自己都合退職】
- 勤続1年(23歳):5万5000円
- 勤続3年(25歳):21万5000円
- 勤続5年(27歳):43万2000円
- 勤続10年(32歳):112万5000円
【会社都合退職】
- 勤続1年(23歳):9万6000円
- 勤続3年(25歳):30万4000円
- 勤続5年(27歳):57万4000円
- 勤続10年(32歳):144万8000円
2.1 勤続3年の差は8万9000円
勤続3年で比べると、自己都合退職は21万5000円、会社都合退職は30万4000円で、8万9000円の差があります。勤続10年では差が32万3000円に広がります。
勤続5年の43万2000円は、勤続3年の21万5000円の2倍を超えています。短い期間では、1〜2年の違いでも退職金は大きく変わるのです。
2.2 高校卒の自己都合退職は勤続3年で19万6000円
高校卒のモデル退職金も、自己都合退職で見ておきます。
- 勤続1年(19歳):6万3000円
- 勤続3年(21歳):19万6000円
- 勤続5年(23歳):39万7000円
- 勤続10年(28歳):98万5000円
都内の中小企業では、自己都合退職で退職一時金を受け取るのに必要な勤続年数を「3年」とする会社が47.3%と最も多く、大学卒の勤続3年のモデル退職金は21万5000円でした。勤め先の条件は、就業規則や退職金規程で確かめられます。
ここからは、転職した人がどんな理由で前の会社を辞めているのかと、短い勤続年数で受け取る退職金の税金を見ていきます。