車をこすったりぶつけたりしたとき、車両保険を使うと翌年からの保険料がいくら上がるのか気になる方は多いのではないでしょうか。車両保険で修理代をまかなうと等級が下がり、保険料の割引が小さくなります。

保険を使うかどうかは「受け取る保険金」と「この先に上乗せされる保険料」を並べて考えると判断しやすくなります。ここでは、日本損害保険協会が示す等級別の割増引率をもとに整理します。

今の等級ごとに、車両保険を使った場合と使わなかった場合で、翌年以降の保険料の合計がどれだけ違うのかを試算します。

※等級別の割増引率は、日本損害保険協会「損害保険Q&A 問23」に掲載された例(ノンフリート契約)です。実際の割増引率は保険会社によって異なる場合があります。

1. 車両保険を使うと等級はいくつ下がる?1件で3等級下がり、3年間は「事故有」の低い割引率に

車両保険を使うと、翌年の等級が下がって保険料が上がります。日本損害保険協会「損害保険Q&A 問23」によると、事故で保険金の支払いを受けると、1事故につき3等級下がります。

さらに、事故があった契約者には3年間、同じ等級でも無事故の人より低い「事故有」の割引率が適用されます。3年間無事故で過ごせば、無事故の人と同じ割引率に戻ります。

  • 【保険を使わなかった場合】1年ごとに1等級上がる(20等級が上限)
  • 【保険を使った場合】翌年は3等級下がり、そこから3年間は「事故有」の割引率
  • 【20等級の割引率】無事故は63%、事故有は51%
  • 【17等級の割引率】無事故は55%、事故有は44%

なお、盗難や台風、洪水などで車両保険の保険金を受け取った場合は、1事故につき1等級下がり、事故有の割引率が適用されるのは1年間です。

2. 車両保険を使った20等級の保険料は?3年間で今の年間保険料の約1.3年分が上乗せ

車両保険を使った場合の保険料を、等級が最も高い20等級の人で試算しました。今の年間保険料を1万円とした場合の、翌年からの保険料は次のとおりです。

  • 【1年目】使わなければ約1万円、使うと17等級(事故有)で約1万5100円
  • 【2年目】使わなければ約1万円、使うと18等級(事故有)で約1万4600円
  • 【3年目】使わなければ約1万円、使うと19等級(事故有)で約1万3500円
  • 【3年間の差】約1万3200円(今の年間保険料の約1.3年分)

※試算の前提:ノンフリート契約で、日本損害保険協会「損害保険Q&A 問23」の等級別割増引率例を使用。割引前の保険料は毎年同じとし、補償内容の変更や保険料率の改定、年齢条件などは考慮していない。等級ダウンは3等級、事故有の割引率の適用は3年間。

20等級の人は、保険を使わなくてもそれ以上等級が上がりません。そのため、保険料の差は3年間の事故有の期間だけで、4年目からは元の保険料に戻ります。

3. 保険料の上乗せは15等級なら?3年間で約2年分、その後も差が残り8年で約2.7年分

保険料の上乗せは、今の等級が低いほど長く続きます。15等級の人が保険を使わなければ、毎年1等級ずつ上がって5年目に20等級に届きます。一方、保険を使うと12等級まで下がり、20等級に戻るのは9年目です。

  • 【1〜3年目】使わなければ約9800〜9400円、使うと事故有で約1万6600〜1万6000円
  • 【3年間の差】約2万円(今の年間保険料の約2年分)
  • 【4〜8年目】事故有の期間は終わっても、等級が1〜4つ低いため毎年約900〜1900円の差
  • 【8年間の差】約2万7200円(今の年間保険料の約2.7年分)

【図表】15等級で車両保険を使った場合と使わなかった場合の保険料(今の年間保険料1万円あたり)1/1

15等級の人が車両保険を使った場合と使わなかった場合の、1年目から8年目までの保険料の試算。今の年間保険料1万円あたり、使わなかった場合は1年目約9800円から5年目以降約7900円まで下がる。使った場合は1年目約1万6600円、2年目約1万6200円、3年目約1万6000円、4年目約1万円、5年目以降は約9800円から約9100円。8年間の差は約2万7200円

出所:日本損害保険協会「損害保険Q&A 問23」をもとにLIMO編集部作成

同じ前提で10等級の人を試算すると、3年間の差は約1万8900円、差がなくなるまでの13年間では約2万9400円(今の年間保険料の約2.9年分)です。等級が上がっていく途中の人ほど、「3年で終わる」とは言い切れません。