年金は、受け取る人によって額が大きく違うといわれます。平均はいくらで、その額で暮らす夫婦の家計はどうなるのか。気になる方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額(全年齢)は、厚生年金が15万289円、国民年金が5万9310円です。夫が厚生年金、妻が国民年金の平均額を受け取る夫婦なら、合計は月22万7549円です。総務省の家計調査(2025年平均)では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の社会保障給付が月22万8614円で、ほぼ重なります。ただし、実支出は月29万6829円で、月4万2434円の不足が出ています。

この記事では、平均年金月額と個人差、家計調査でみるシニア夫婦の収支、平均的な年金の夫婦に当てはめた場合の差を確認します。

1. 厚生年金と国民年金の平均年金月額(令和6年度)

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金と国民年金の平均年金月額(全年齢)を確認します。厚生年金の平均には、国民年金(老齢基礎年金)の部分を含みます。

1.1 厚生年金は平均15万289円、男性16万9967円・女性11万1413円

厚生年金の平均額(全年齢)1/5

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

男性と女性の差は、月5万8554円です。

1.2 国民年金は平均5万9310円、男性6万1595円・女性5万7582円

国民年金の平均額(全年齢)2/5

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

国民年金の満額は、40年(480月)すべて納めた場合の額です。納付した月数が短い人も含まれる平均は、満額を下回ります。参考として、令和8年度の満額は月7万608円です。

2. 受け取る額は個人差が大きい(厚生労働省の資料によると)

平均額は、あくまで全体をならした数字です。同じ資料から、受給額の分布を確認します。

2.1 国民年金は「月6万円台」が約半数

国民年金の受給額の分布(月額・令和6年度)3/5

国民年金の受給額の分布(月額・令和6年度)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 6万円台:1715.5万人(51.3%)
  • 5万円台:641.0万人(19.2%)
  • 4万円台:388.0万人(11.6%)
  • 7万円以上:299.8万人(9.0%)
  • 3万円台:206.2万人(6.2%)

最も多いのは月6万円台で、約半数にあたります。一方で、月3万円台以下の人も、あわせて約9.0%います。

2.2 厚生年金は「月10万円台前半」と「月16〜19万円台」に人数が多い

厚生年金は、1万円刻みで見ると、月10万円以上11万円未満が111万2828人で、最も人数が多くなっています。次いで、月17万円台が103万1951人、18万円台が102万6888人、16万円台が100万1322人です。

平均は月15万289円ですが、受給額は加入期間や、現役時代の報酬によって差があります。平均と同じ額を受け取っている人が多数派とは限りません。

3. 家計調査でみる、シニア夫婦の収入と支出

次に、総務省の家計調査(2025年平均)から、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の、1か月の収入と支出を確認します。世帯の条件の詳細は、総務省の資料で確認してください。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯、1か月の収入と支出(家計調査・2025年平均)4/5

65歳以上の夫婦のみの無職世帯、1か月の収入と支出(家計調査・2025年平均)

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとにLIMO編集部作成

  • 実収入:25万4395円(うち社会保障給付 22万8614円)
  • 実支出:29万6829円(うち消費支出 26万3979円、非消費支出 3万2850円)
  • 不足:4万2434円

実収入のうち、社会保障給付(主に年金)が約9割を占めます。実収入に、年金以外の収入(2万5781円)を加えても、実支出には届かず、月4万2434円の不足が出ています。