救急車で運ばれて意識がない患者さんの診療では、病院が持病や飲んでいる薬を知るまでに時間がかかります。

厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】」によると、令和8年(2026年)6月から、救急外来で意識障害の患者の診療情報を取得した場合の「救急時医療情報取得加算」が新設されました。点数は50点です。

この記事では、加算の対象となる患者の条件を確認し、1点10円の計算で、窓口負担が3割と2割の場合にいくらになるかを、編集部が試算します。

1. 【令和8年6月】救急時医療情報取得加算が新設、対象は救急外来で意識障害の患者

厚生労働省の資料では、医療DX関連施策の進み具合を踏まえて、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ共有サービスなどに係る新たな評価を新設するとされています。救急時医療情報取得加算は、その1つです。

1.1 救急外来医学管理料を算定する意識障害の患者が対象

資料によると、救急外来医学管理料を算定する意識障害の患者に対し、救急時医療情報閲覧機能と電子処方箋管理サービスを活用して、診療情報を取得した場合の評価として新設されます。

算定要件には、対象となる患者が書かれています。意識の程度を測る指標のJCSがⅡ-10以上、もしくはGCSが12点以下の患者、または無動症の患者です。

1.2 月に1回に限り、所定点数に加算される

資料の算定要件では、救急時医療情報閲覧機能と電子処方箋管理サービスを用いて、最新の診療情報を取得した場合に、月に1回に限り所定点数に加算するとされています。

【令和8年6月から】救急外来で意識障害の患者の診療情報を取得すると加算される?救急時医療情報取得加算の対象と点数、算定の条件を一覧で確認1/2

令和8年6月に新設される救急時医療情報取得加算について、点数、対象となる患者の条件、算定回数、診療情報の取得に使う機能を並べた一覧

出所:厚生労働省『令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】』を参考にLIMO編集部作成

図の内容を、項目ごとに書き出します。

  • 加算の名前:救急時医療情報取得加算(新設)
  • 点数:50点
  • 対象:救急外来医学管理料を算定する意識障害の患者(JCSⅡ-10以上、GCS12点以下、または無動症)
  • 算定の条件:救急時医療情報閲覧機能と電子処方箋管理サービスを用いて、最新の診療情報を取得した場合に、月1回に限る

2. 救急時医療情報取得加算は50点で500円、3割負担なら150円、2割負担なら100円

診療報酬は1点が10円で計算されます(厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」)。点数に10円をかけて、窓口の負担割合をかけると、加算分の目安が出ます。

2.1 50点は500円、3割負担で150円、2割負担で100円

救急時医療情報取得加算は50点で、500円です。窓口負担が3割なら150円、2割なら100円です。月に1回に限られるので、同じ月のうちに何度も加算されることはありません。

【令和8年6月から】救急時医療情報取得加算の窓口負担はいくら?50点の加算を、3割負担と2割負担で試算(編集部試算)2/2

救急時医療情報取得加算の50点について、1点10円の金額と、窓口負担が3割の場合と2割の場合の金額を並べた試算

出所:厚生労働省『令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】』を基にLIMO編集部試算

図の試算を、書き出します。

  • 救急時医療情報取得加算(50点・500円):3割負担は150円、2割負担は100円

※試算は加算分だけを取り出した目安です。実際の窓口負担は、救急外来の診察料や検査などを含めた合計で計算されるため、加算分の金額がそのまま上乗せされるとは限りません。

対象は、救急外来医学管理料を算定する意識障害の患者に限られます。救急外来を受診した人のすべてに加算されるわけではありません。

自分や家族が救急外来を受診したあとに受け取る領収書や診療明細書の、加算の名前と点数で、算定されたかどうかを確かめられます。

ここからは、加算を算定できる医療機関の施設基準と、同じ改定で新設されるほかの医療DXの加算を見ていきます。