歯医者でもらう領収書や診療明細書にも、令和8年6月から見慣れない加算の名前が出てきます。
厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」によると、令和8年(2026年)6月から、歯科の医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算は廃止され、電子的歯科診療情報連携体制整備加算が新設されます。
この記事では、歯科の加算の点数を改定の前と後で並べ、1点10円の計算で、窓口負担が3割と2割の場合にいくらになるかを試算します。現行の加算と比べると、初診の加算は下がる場合があります。
1. 【令和8年6月】歯科のマイナ保険証に関わる医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算は廃止
厚生労働省の資料では、医療DX関連施策の進み具合を踏まえて、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算の評価を見直すとされています。
1.1 廃止される歯科の加算は2つ
廃止されるのは、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算です。資料の「現行」の欄では、歯科の医療DX推進体制整備加算は初診時に月1回で、加算1から6が11点、10点、8点、9点、8点、6点とされています。
医療情報取得加算は、初診時が1点、再診時が3月に1回に限って1点です。資料の注記には、医科と歯科は初診料に加算するとあります。
1.2 新設される加算は電子的歯科診療情報連携体制整備加算
新しくできるのは、電子的歯科診療情報連携体制整備加算です。初診時は月に1回で、加算1が9点、加算2が4点です。再診時は月に1回で、2点とされています。
【令和8年6月の診療報酬改定】歯科の初診でマイナ保険証に関わる加算はどう変わる?廃止される加算と新設される電子的歯科診療情報連携体制整備加算の点数を一覧で確認1/2
出所:厚生労働省『令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】』を参考にLIMO編集部作成
図の金額を、改定の前と後に分けて書き出します。
- 廃止される歯科の医療DX推進体制整備加算(初診時・月1回):加算1が11点、加算2が10点、加算3が8点、加算4が9点、加算5が8点、加算6が6点
- 廃止される医療情報取得加算:初診時が1点、再診時は3月に1回に限り1点
- 新設される電子的歯科診療情報連携体制整備加算(初診時・月1回):加算1が9点、加算2が4点
- 新設される電子的歯科診療情報連携体制整備加算(再診時・月1回):2点
2. 電子的歯科診療情報連携体制整備加算は初診で3割負担なら27円・12円、2割負担なら18円・8円
診療報酬は1点が10円で計算されます(厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」)。点数に10円をかけて、窓口の負担割合をかけると、加算分の目安が出ます。
2.1 初診の加算1は9点で90円、3割なら27円
電子的歯科診療情報連携体制整備加算の初診時を計算します。加算1は9点で90円、3割負担なら27円、2割負担なら18円です。加算2は4点で40円、3割負担なら12円、2割負担なら8円です。
2.2 再診は月1回2点で20円、3割なら6円
再診時は月に1回で2点、つまり20円です。3割負担なら6円、2割負担なら4円です。
【令和8年6月から】歯医者の窓口で払う加算分はいくら?電子的歯科診療情報連携体制整備加算の点数を、3割負担と2割負担で試算(編集部試算)2/2
出所:厚生労働省『令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】』を基にLIMO編集部試算
図の試算を、点数ごとに書き出します。
- 初診時の加算1(9点・90円):3割負担は27円、2割負担は18円
- 初診時の加算2(4点・40円):3割負担は12円、2割負担は8円
- 再診時(2点・20円):3割負担は6円、2割負担は4円
※試算は加算分だけを取り出した目安です。実際の窓口負担は、診察料などを含めた合計で計算されるため、加算分の金額がそのまま上乗せされるとは限りません。
廃止される加算と比べると、初診の加算分は下がります。現行の医療DX推進体制整備加算1(11点)に医療情報取得加算(1点)を足した12点は、3割負担で36円です。新設の加算1は9点で27円になり、差は9円です。
現行の医療DX推進体制整備加算6(6点)に医療情報取得加算(1点)を足した7点は、3割負担で21円です。新設の加算2は4点で12円になり、同じく9円下がります。自分が払う加算は、診察のあとに受け取る領収書や診療明細書の、加算の名前と点数で確かめられます。
ここからは、加算を算定できる歯科医療機関の施設基準と、医科との違いを見ていきます。