5. 記念硬貨を手放す前に気をつけることは?1970年の大阪万博の100円でも、査定が額面を下回るなら使うか引き換える

店で買い取ってもらう場合、査定の値段は店によって違います。手元の記念硬貨に額面より安い値段しかつかないなら、額面どおり使うか、金融機関や日本銀行で引き換えたほうが、受け取る金額は多くなります。

自宅に業者が訪ねてきて買い取りを持ちかけられた、査定の説明に納得できない、といった買い取りのトラブルは、消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。

また、貨幣を傷つけることは貨幣損傷等取締法で禁じられています。記念硬貨を手元に残す場合も、穴を開けるなどの加工はしないようにしましょう。

6. 【元FP会社スタッフの視点】検証:記念硬貨の価値は「額面」「売れる値段」「家族の思い出」に分けて考える

100円の記念硬貨5種類の発行枚数を並べてみると、1970年の大阪万博の100円は4000万枚、沖縄国際海洋博覧会の100円は1億2000万枚でした。当時の国民約2.6人に1枚、約0.9人に1枚という数は、記念硬貨が限られた人だけのものではなかったことを示しています。

値段は「どれだけ出回っているか」と「どれだけ欲しい人がいるか」の釣り合いで決まります。発行枚数が多い記念硬貨は、出回っている数が多い分、値段が額面から大きく離れにくいと考えられます。

一方で、額面は法律で裏づけられた価値です。1970年の大阪万博の100円は、今も100円として使え、金融機関や日本銀行で通常のお金に替えられます。売れる値段が額面を下回っても、100円の価値がなくなるわけではありません。

家族から受け継いだ記念硬貨には、お金としての価値とは別に、その時代の出来事を伝える役割もあります。使う、引き換える、手元に残すのどれを選んでも、受け継いだ気持ちを大切にする方法の一つだと思います。

迷ったときは、まず額面で使えることを確かめ、そのうえで残すか替えるかをご家族と話し合ってみてはいかがでしょうか。

7. まとめ

1970年の大阪万博の記念硬貨は、発行から50年以上たった今も、法律上の100円として使えます。発行枚数は4000万枚で当時の国民約2.6人に1枚にあたり、数が多い記念硬貨は、売っても額面前後の値段にとどまることが多くなります。

引き換えは日本銀行の本支店(事前予約)か取引先の金融機関、買い取りのトラブルは消費者ホットライン「188」が相談先です。記念硬貨の扱いに迷ったら、まずこうした窓口に問い合わせてみてください。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。記念硬貨の引き換えや預け入れの取り扱い・手数料は、日本銀行の本支店や各金融機関でご確認ください。

参考資料

下村 美乃莉