10月も残りわずかとなり、朝晩の空気に冬の近さを感じる日が増えてきました。
年末に向けて出費がかさむ時期を前に、夫を亡くして遺族年金を頼りに暮らす方のなかには、これからの家計に不安を覚える方も多いのではないでしょうか。
夫を亡くした妻が受け取る遺族厚生年金には、一定の条件を満たすと「中高齢寡婦加算」が上乗せされます。働き盛りの年代で夫を亡くした妻の暮らしを、65歳まで支えるために設けられている仕組みです。
例えば、2026年度の中高齢寡婦加算は年63万5500円です。年金と同じく偶数月に2か月分ずつ支給されるため、12月15日の支給日には、約10万5900円分が遺族厚生年金に上乗せされている計算になります。
この記事では、中高齢寡婦加算の金額から、対象になる妻の条件、受け取るための手続き、2028年4月から予定されている見直しまで、順番に整理していきます。
1. 中高齢寡婦加算の加算額【月いくら上乗せされるのか】
「中高齢寡婦加算」は、夫を亡くした妻が受け取る遺族厚生年金に、40歳から65歳になるまでの間、上乗せされるお金です。
加算額は遺族基礎年金の4分の3の額で、年金額と同じように年度ごとに見直しがおこなわれます。
1.1 中高齢寡婦加算「2026年度の加算額」はいくら?
日本年金機構によると、2026年度の中高齢寡婦加算は年63万5500円です。2025年度の年62万3800円から、1万1700円引き上げられました。
2026年度の加算額を、1か月あたりと支給1回あたりに直すと次のとおりです。
- 中高齢寡婦加算(年額):63万5500円
- 1か月あたり:約5万2958円
- 支給1回(2か月分)あたり:約10万5917円
遺族厚生年金そのものの額は、亡くなった夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、夫の給与や加入期間によって人それぞれ違います。中高齢寡婦加算は、条件にあてはまれば同じ額が上乗せされます。
2. 中高齢寡婦加算の対象者【誰がもらえるのか】
中高齢寡婦加算を受け取れるのは、遺族厚生年金を受け取る妻のうち、決められた条件にあてはまる人です。
日本年金機構が示している条件は大きく2つあります。一つひとつ整理していきましょう。
2.1 「夫が亡くなったとき40歳以上65歳未満」で子がいない妻
- 夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満である
- 生計を同じくしている子(※)がいない
※ 18歳到達年度の末日(3月31日)を過ぎていない子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級の状態にある子
子がすでに社会人になっている場合は、「子がいない妻」としてこちらの条件で判定されます。
2.2 「子が18歳年度末を迎えた」子のある妻
- 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻である
- 子が18歳到達年度の末日(障害の状態にある子は20歳)を迎えるなどして、遺族基礎年金を受けられなくなった
子がいる間は遺族基礎年金を受け取り、子が18歳年度末を迎えたあとに中高齢寡婦加算に切り替わる形です。ただし、40歳になった時点で子がいて、遺族基礎年金を受けていた妻に限られます。
2.3 年金を受け取っていた夫の場合は「厚生年金20年以上」が条件
中高齢寡婦加算には、亡くなった夫の側の条件もあります。
- 夫が厚生年金に加入している間に亡くなった:加入期間の条件なし
- 夫が老齢厚生年金を受け取っていた、または受け取る資格を満たしていた:夫の厚生年金の被保険者期間が20年以上必要
会社員のまま亡くなった場合と、退職して年金を受け取っていたあとに亡くなった場合とで、条件が変わる点には注意が必要です。厚生年金の加入期間が20年に届かない夫が退職後に亡くなった場合は、遺族厚生年金は受け取れても、中高齢寡婦加算はつかないことがあります。
なお、中高齢寡婦加算は遺族厚生年金に上乗せされるお金なので、遺族厚生年金を請求しなければ受け取れません。