2カ月に一度の年金支給日。次の支給日は、再来月、12月15日となっています。厚生労働省が示す「標準的な夫婦世帯」の場合、1回の支給日に約47万5000円が振り込まれる計算です。
一方で、厚生年金の受給額は人によって大きく異なり、月30万円以上を受け取る人もいれば、月10万円に届かない人もいます。では、最も多く受け取っている人は、月いくらくらいなのでしょうか。
この記事では、2026年度の年金額の例と厚生年金・国民年金の平均月額を確認したうえで、年金額の計算式から「最も高い人」の目安を試算します。年金から天引きされる税金や保険料と、手取り額の確かめ方もあわせて解説します。
1. 公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て
公的年金は、基礎部分となる「国民年金」と、上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ2階建て構造です。
国民年金は原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入対象で、年金のベースとなります。国民年金保険料(※1)は全員一律です。
厚生年金は企業や官公庁などで働く人たちが、国民年金に上乗せして加入する年金です。毎月の給与や賞与に応じた年金保険料(※2)を納めます。
国民年金保険料を全期間(480月)納めると、65歳以降で満額(※3)の老齢基礎年金を受け取ることができます。未納期間があった場合は、その月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。
厚生年金は、「年金加入月数」と「納めた保険料」により、老後の年金額が決まります。
上記の年金額の決まり方からは、実際に受け取る年金額は一人ひとり異なります。ただし厚生労働省が毎年度の年金改定内容とともに公表する「年金額例」が、一つの目安となることもあるでしょう。
具体的には、最新となる2026年度の年金額例によると「標準的な夫婦世帯」は12月の年金支給日に「約47万5000円」支給されます。
※1 国民年金保険料:2026年度は月額1万7920円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2026年度は月額7万608円
2. 2026年度の年金額の例:標準的な夫婦は月23万7279円
公的年金の支給日は「偶数月の15日(※)」です。
そのため、次回支給日の12月15日(火曜日)には「10月分と11月分」の年金が支給されます。
厚生労働省によると、2026年度の年金額の例は次のとおりとなります。
※15日が土日祝日の場合、直前の平日に前倒しされます。
- 国民年金(老齢基礎年金):7万608円(1人分※1)
- 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
厚生年金のモデル世帯の場合、夫婦で月額「23万7279円」。これは「老齢厚生年金1人分+老齢基礎年金2人分」の合算です。
2カ月に一度の年金支給日には、2カ月分が合算で支払われます。この夫婦世帯の場合、12月15日支給の年金額は合算で「47万4558円」ですね。
これが「約47万5000円」の根拠となります。
3. 1回に約47万5000円が振り込まれる「標準的な夫婦」とは
1回の年金支給時に「約47万5000円」を受け取る「標準的な夫婦」とは、具体的にはどのような世帯なのでしょうか。
厚生労働省による年金額の定義を見てみましょう。
男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場 合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
引用:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
夫は40年間の平均標準報酬(賞与含む月額換算)が45万5000円、年収にして546万円で就労した会社員など。そして妻は扶養内パートや専業主婦などで、厚生年金への加入期間がなく国民年金のみの受給となるケースです。
こうした夫婦の合計年金が23万7279円となり、2カ月分がまとめて支給されるのです。さらに多くの場合、老齢年金からは住民税や介護保険料といった税や社会保険料が天引き(特別徴収)されます。
天引き内容や実際に振り込まれる金額は、6月に送付される「年金振込通知書」などで確認しましょう。1回の年金支給で「約47万5000円」となれば大きな金額に思えるかもしれません。しかし、一人当たりの月額に換算すると、必ずしも余裕のある水準とは言い切れないでしょう。
また、現役時代の給与とは異なり「2カ月に一度の定期収入」となるため、家計管理のサイクルが変わる点も、留意が必要となりそうですね。