定年後の仕事として、マンション管理員と警備員を思い浮かべる人もいるでしょう。どちらも60歳代・70歳代で働く人が多い仕事ですが、マンション管理員と警備員のどちらが稼げるかは、月収をどう比べるかで答えが変わります。

ここでは、厚生労働省の賃金統計で、65~69歳のフルタイムの月収を、残業代を含む額と含まない額に分けて比べます。

あわせて、パートで働く場合の時給と月の目安、定年後に働くときの年金・社会保険、警備員になるときの法律上の決まりも整理します。

※給与の額は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種別の値です。マンション管理員は「居住施設・ビル等管理人」(ビルや寮の管理人を含む)、警備員は「警備員」(施設の警備のほか交通誘導なども含む)の区分の値で、個別の求人の条件とは異なります。

1. マンション管理員と警備員の月収は?65~69歳のフルタイムなら、残業代を除くと約21.1万円と約21.3万円でほぼ同じ

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、フルタイムで働く65~69歳(一般労働者・企業規模10人以上)の月収は次のとおりです。

  • 【マンション管理員(居住施設・ビル等管理人)】残業代を除いた月収(所定内給与額)約21.1万円、残業代などを含む月収(きまって支給する現金給与額)約21.5万円、年間賞与など約16.2万円
  • 【警備員】残業代を除いた月収(所定内給与額)約21.3万円、残業代などを含む月収(きまって支給する現金給与額)約24.0万円、年間賞与など約9.3万円

残業代などを含む月収では警備員が約2.6万円高くなります。一方、残業代を除いた月収の差は約0.2万円です。年間の賞与などはマンション管理員の方が約6.8万円多く、残業代を除いた月収12カ月分と賞与の合計では、マンション管理員の方が少し多くなります。

2. 警備員の月収が高く見えるのはなぜ?差の多くは残業代で、時給に直すとマンション管理員が約1362円、警備員が約1291円

同じ統計で、月の労働時間を比べると、違いがはっきりします。

  • 【マンション管理員】所定内の労働時間 155時間、超過(残業など)の労働時間 2時間
  • 【警備員】所定内の労働時間 165時間、超過(残業など)の労働時間 13時間

警備員は、月に約13時間の残業などで約2.7万円を上乗せしている形です。残業代を除いた月収を所定内の労働時間で割ると、1時間当たりはマンション管理員が約1362円、警備員が約1291円で、マンション管理員の方が約71円高くなります。

※試算の前提:1時間当たりの額=所定内給与額÷所定内実労働時間数。65~69歳・一般労働者・企業規模10人以上・男女計の値です。

3. マンション管理員と警備員をパートで比べると?時給は警備員が約1402円、マンション管理員が約1268円で、月の目安はどちらも約11万円台

定年後は、短い時間で働く人も多くいます。同じ統計の短時間労働者(パート・アルバイトなど)の値は次のとおりです。

  • 【マンション管理員】時給(1時間当たり所定内給与額)1268円、月の出勤 15.9日、1日 5.6時間(平均年齢67.6歳)
  • 【警備員】時給(1時間当たり所定内給与額)1402円、月の出勤 12.3日、1日 6.7時間(平均年齢62.8歳)

パートの時給は警備員が約134円高くなり、フルタイムの比べ方と逆になります。ただし、出勤日数と労働時間を掛けた月の目安は、マンション管理員が約11.3万円(週約20.5時間)、警備員が約11.6万円(週約19.0時間)で、差は約3000円にとどまります。

※試算の前提:月の目安=月の出勤日数×1日の所定内労働時間×時給。週の時間は月の時間を4.33週で割った値です。短時間労働者は年齢を区切らない値です。

マンション管理員と警備員の給与の比べ方(2025年・厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)1/1

2025年の賃金構造基本統計調査で、フルタイムの65~69歳は、残業代などを含む月収がマンション管理員約21.5万円・警備員約24.0万円、残業代を除くと約21.1万円と約21.3万円でほぼ同じ。残業代を除いた1時間当たりはマンション管理員約1362円・警備員約1291円。パートの1時間当たりの所定内給与額はマンション管理員1268円・警備員1402円。

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにLIMO編集部作成