4. 株主優待の権利はいつの株主に付く?権利確定日の株主名簿に載っている人で、権利付最終日は2営業日前

株主優待や配当を受け取れるのは、会社が決めた権利確定日(基準日)に株主名簿に載っている株主です。日本取引所グループによると、2019年7月16日(火)の取引から、株式の受渡しは取引日から数えて3営業日目に行われています。

このため、権利確定日に株主名簿に載るには、権利確定日の2営業日前(権利付最終日)までに買う必要があります。その翌営業日(権利落日)以降に買った株では、その回の株主優待や配当は受け取れません。

  • 【権利確定日が12月31日(木)の場合】2026年は12月31日(木)が取引所の休業日のため、権利付最終日は12月28日(月)
  • 【権利落日】12月29日(火)

権利確定日の月や、株主優待を受け取るのに必要な株数・保有期間は、会社ごとに違います。各社の株主優待の案内で確かめることができます。

5. 株主優待はNISAで非課税になる?NISAで非課税になるのは配当と売却益で、株主優待は雑所得のまま

国税庁「No.1535 NISA制度」によると、NISAで非課税になるのは、上場株式等の配当等と売却益です。配当等は、NISA口座を開いている証券会社などを通じて受け取るもの(株式数比例配分方式を選んだもの)に限られます。

株主優待は、所得税基本通達24-2で配当等に含まれないとされているため、NISA口座で持っている株の株主優待も雑所得として扱われます。投資額10万円あたりで見ると、次のようになります。

  • 【特定口座】配当の手取り約1801円+株主優待約2000円=年約3801円
  • 【NISA(株式数比例配分方式)】配当約2260円+株主優待約2000円=年約4260円

NISAで変わるのは配当の約459円分で、株主優待の税金の扱いは変わりません。

6. 【証券会社出身の視点】検証:株価が10%下がると、優待利回り2%の株主優待の約5年分にあたる

株主優待と配当を合わせた受け取り額と、株価の値動きを比べると、次のとおりです。投資額10万円あたりで株価が10%下がると、1万円の値下がりになります。

  • 【株価5%下落(5000円)】優待利回り2%の株主優待の約2.5年分、配当の手取りと合わせて約1.3年分
  • 【株価10%下落(1万円)】株主優待の約5年分、配当の手取りと合わせて約2.6年分
  • 【株価20%下落(2万円)】株主優待の約10年分、配当の手取りと合わせて約5.3年分

優待利回りが1%なら、株価10%の値下がりは株主優待の約10年分、3%なら約3.3年分にあたります。株主優待は毎年受け取れる一方で、株価は1年のうちにも上下します。株主優待で受け取る額は、株価の値動きの幅に比べると小さくなりやすいといえます。

株主優待の金額と配当を合わせて投資額で割った値は、「総合利回り」と呼ばれることもあります。この試算では、優待利回り2%と配当利回り2.26%を合わせた額面は4.26%ですが、特定口座で配当から税金が差し引かれたあとの手取りでは約3.8%です。額面の利回りと手取りの利回りを分けて見ると、受け取れる額の実感に近づきます。

反対に、株価が上がれば、その分が株主優待と配当に加わります。株主優待で外食代がどのくらい浮くかは、優待の金額だけでなく、優待利回り、配当の手取り、株価の値動きの3つを合わせて見ると分かりやすくなります。

また、株主優待は券面の額どおりに使い切れるとは限りません。使える店や期限が決まっている株主優待では、実際に家計の外食費が減る額は、受け取った株主優待の額より小さくなることもあります。

※試算の前提:投資額10万円あたり。優待利回り2%、配当利回り2.26%、特定口座。株価の下落率は比較のための値です。

7. まとめ

株主優待の優待利回りは、優待の金額÷投資額です。優待利回り2%なら投資額10万円あたり年約2000円で、二人以上の世帯の外食費の平均年約18.7万円の約1.1%でした。配当は20.315%が差し引かれる一方、株主優待は雑所得で、NISA口座で持つ株の株主優待も非課税にはなりません。

株主優待と配当の手取りを合わせると、投資額10万円あたり年約3801円で、株価が10%下がると約2.6年分にあたります。

株主優待の内容や権利確定日は会社ごとに違い、変更や廃止もあります。優待の金額だけでなく、配当の手取りと株価の値動きもあわせて各社の案内で見てみると、外食代がどのくらい浮くのかを落ち着いて考えやすくなるかもしれませんね。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。株主優待の内容、配当、株価は会社や時期によって大きく変わり、減配や株主優待の変更・廃止、株価の値下がりもあります。本記事は特定の銘柄をすすめるものではありません。税金の扱いは国税庁のホームページや税務署、住民税はお住まいの市区町村でご確認ください。

参考資料

安達 さやか