財布に入っている50円玉が、高額で取引されることがあると聞くと、手元の硬貨の年号が気になるかもしれません。ただ、50円玉が高額になるのは、ごく限られた場合です。
元独立系FP会社でマネーセミナーの運営補助をしていた経験からお伝えすると、お金の話題は、身近なものほど数字で確かめることが大切だと私は考えています。ここでは、造幣局「年銘別貨幣製造枚数」をもとに、50円玉の年ごとの発行枚数を並べ、どの年の発行枚数が少ないのかを確かめます。
昭和・平成・令和の50円玉で発行枚数が最も少ない年と、通常の年を比べ、何分の1にあたるかを試算します。あわせて、エラー硬貨の扱いと、硬貨の加工を禁じる法律も整理します。
※発行枚数は、造幣局「年銘別貨幣製造枚数【令和7年銘】」(2026年2月公表)の50円白銅貨の製造枚数です。通常の年は、昭和42年から令和7年までで製造があった60の年銘の中央値(約4653万枚)としています。
1. 50円玉が高額になるのはどんなとき?発行枚数が特に少ない年とエラー硬貨に限られ、ほとんどは額面どおり
いま使われている穴のあいた50円玉(白銅貨)は、昭和42年から製造されています。造幣局「年銘別貨幣製造枚数【令和7年銘】」によると、昭和42年から令和7年までの製造枚数は合計で約50億4433万枚です。
この中で、収集の対象になりやすいのは次の2つです。
- 【発行枚数が特に少ない年】発行枚数が100万枚に届かない年は、製造があった60の年銘のうち9つ
- 【エラー硬貨】穴の位置がずれたものなど、製造の過程で生じた不良品
- 【それ以外の50円玉】年号を問わず、額面の50円として使うお金
発行枚数が100万枚に届かない9つの年を合わせても約510万枚で、製造枚数の合計の約0.1%です。財布に入っている50円玉のほとんどは、額面どおりの50円玉です。
2. 50円玉の発行枚数が少ない年は?昭和62年は約77.5万枚で通常の年の約60分の1、平成23年は約45.6万枚で約102分の1
50円玉の発行枚数を、昭和・平成・令和に分けて見ると、それぞれ最も少ない年は次のとおりです。
- 【昭和】昭和62年 約77.5万枚(通常の年の約60分の1)。次に少ないのは昭和61年の約996万枚
- 【平成】平成23年 約45.6万枚(約102分の1)。平成22年 約51.0万枚、平成24年 約65.9万枚、平成25年 約55.4万枚も100万枚未満
- 【令和】令和5年 約46.3万枚(約101分の1)
- 【最も多い年】昭和49年 約4億7000万枚(通常の年の約10倍)
昭和62年の50円玉は、最も多い昭和49年と比べると約606分の1です。昭和の中では昭和62年だけが飛び抜けて少なく、前後の昭和61年・昭和63年はいずれも約996万枚以上あります。
また、昭和64年は1月7日までの短い期間で、表では50円玉の製造枚数は0枚です。昭和64年の年号が入った50円玉は、造幣局の表の上では製造されていません。
※試算の前提:通常の年は、昭和42年から令和7年までで50円玉の製造があった60の年銘(平成31年と令和元年は別の年銘として数え、製造が0枚の昭和64年は除く)の中央値、約4653万枚です。記念貨幣は含みません。