2. 物価高の家計の負担増で最も大きいのは?増えた分の約41%は食料で、年約3万1900円

食料は消費支出の約30%を占め、上昇率も2.8%ありました。支出が大きく上昇率も高いため、増加額は9費目のなかで最大です。

総務省統計局の「2025年基準 消費者物価指数」でも、2026年9月は生鮮食品を除く食料が総合の上昇率2.1%のうち0.69ポイントを占めています。試算と同じく、食料が物価高の中心です。

  • 【食料】年約3万1900円増。9費目の増加額の約41%
  • 【家具・家事用品】上昇率は6.5%で9費目のなかで最も高いものの、支出が小さいため年約1万200円増
  • 【食料を除く8費目】合計で年約4万5100円増

3. 物価高でも家計の負担が増えにくい費目は?教育は年約5400円減り、光熱・水道は年約2400円増にとどまる

教育は前年同月比3.8%の低下でした。消費者物価指数の内訳では、私立の高等学校授業料が73.2%下がっています。

光熱・水道は0.8%の上昇にとどまりました。エネルギーのうち電気代は、2026年9月に前年同月比2.4%下がっています。

  • 【教育】月1万1939円×マイナス3.8%→年約5400円減
  • 【光熱・水道】月2万4547円×0.8%→年約2400円増

4. 物価高に収入は追いついている?勤労者世帯の可処分所得は2025年に名目1.9%増でも、実質では1.7%減

総務省統計局「家計調査報告(2025年平均)」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の可処分所得(手取り収入)は、1世帯当たり月53万2408円でした。

  • 【名目】前年に比べて1.9%増
  • 【実質】物価の上昇を差し引くと1.7%減

手取りが名目で増えても、物価の上昇がそれを上回ると、買えるものは減ります。収入の動きと物価の動きは、分けて見ておきたいところです。

※ここで示した可処分所得は2025年の平均です。試算の負担増は2026年9月の物価で求めたもので、時期が異なるため、単純に差し引くことはできません。実質化には、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が使われています。

5. 【元FP会社職員の視点】検証:平均の年約7万7000円を、自分の家計に置き換えて考える

試算の年約7万7000円は、二人以上世帯の平均的な支出をもとにした金額です。自分の家計に置き換えるには、まず毎月の支出の大きさと、食料の割合を確かめることが出発点になります。

平均と同じ支出の中身だと仮定すると、月の支出ごとの負担増は次のとおりです。

  • 【月20万円の家計】年約4万9000円増
  • 【月25万円の家計】年約6万1000円増
  • 【月30万円の家計】年約7万4000円増
  • 【月35万円の家計】年約8万6000円増

ただし、食料の割合が平均より高い世帯ほど、増える額は大きくなります。今回の試算では、食料が増加額の約41%を占めました。

FP会社で家計の相談に関わっていた頃も、食費と通信費のどちらから見直すかは、世帯ごとに違いました。通信や教養娯楽は契約や使い方の見直し、食料は買い方の工夫と、手を付ける方法も費目で異なります。

なお、2026年9月の前年同月比は一時点の数字です。電気代や授業料のように、政策の影響で下がっている費目もあり、今後は変わる可能性があります。数字は定期的に見直していきましょう。

6. まとめ

物価高による家計の負担は、二人以上世帯の平均的な支出なら年約7万7000円、月約6400円の増加でした。増えた分の約41%は食料で、教育のように下がった費目もあります。

正解は一つではありません。まずは明細や家計簿アプリで、食料・通信・教養娯楽の3つの金額を確かめてみてください。無理のないところから、ご自身のペースで見直していきましょう。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の負担額は、世帯の人数や住まい、買い物の中身によって異なります。最新の統計は、総務省統計局のホームページでご確認ください。

参考資料

下村 美乃莉