物価高で家計の負担は年いくら増えたのか、見えにくいと感じていませんか。総務省の消費者物価指数は2026年9月に前年同月比2.1%の上昇でしたが、この数字だけでは家計の負担額が分かりません。

元FP会社で家計の相談に関わってきた経験からお伝えすると、物価高の影響は「平均で何%」より「どの費目で月いくら」と分けて見たほうが、見直しの順番を決めやすくなります。ここでは、二人以上世帯の平均的な支出に、費目別の上昇率を当てはめて試算します。

試算では、2025年と同じものを同じ量だけ買った場合に、2026年9月の物価で年いくら多く払うことになるかを求めました。その結果、物価高による家計の負担は年約7万7000円増で、増えた分の約41%を食料が占めました。

※家計の支出額は、総務省統計局「家計調査報告(2025年平均)」の二人以上の世帯の1世帯当たり1か月間の消費支出(31万4001円)の費目別の金額です。

※費目別の上昇率は、総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)9月分」の10大費目の前年同月比です。

1. 物価高で家計の負担は年いくら増えた?二人以上世帯の平均的な支出なら年約7万7000円(月約6400円)増える

総務省統計局「家計調査報告(2025年平均)」によると、二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり月31万4001円でした。この支出に、消費者物価指数の費目別の前年同月比(2026年9月)を当てはめると、年間の増減額は次のとおりです。

  • 【食料】月9万4895円×上昇率2.8%→年約3万1900円増
  • 【教養娯楽】月3万2125円×上昇率3.9%→年約1万5000円増
  • 【交通・通信】月4万5730円×上昇率2.5%→年約1万3700円増
  • 【家具・家事用品】月1万3068円×上昇率6.5%→年約1万200円増
  • 【保健医療】月1万5863円×上昇率2.8%→年約5300円増
  • 【住居】月1万8678円×上昇率1.1%→年約2500円増
  • 【光熱・水道】月2万4547円×上昇率0.8%→年約2400円増
  • 【被服及び履物】月1万63円×上昇率1.2%→年約1400円増
  • 【教育】月1万1939円×上昇率マイナス3.8%→年約5400円減

9費目を合計すると、月約6400円、年約7万7000円の増加です。対象にした9費目の支出(月26万6908円)に対しては約2.4%、消費支出全体(月31万4001円)に対しては約2.0%にあたります。

※試算の前提:2025年と同じ内容の買い物を続けた場合に、2026年9月の物価で払う金額との差を求めた概算です。各費目の月額に前年同月比を掛け、12か月分にしました。「その他の消費支出」(月4万7093円、交際費・仕送り金など)は、物価との対応を分けにくいため除いています。9月の前年同月比が1年間続くと仮定しており、実際の負担額は世帯ごとに異なります。

例)二人以上世帯の平均的な支出の場合 物価高による費目別の年間の負担増(2026年9月の物価で試算)1/1

二人以上世帯の平均的な支出(2025年平均)に2026年9月の前年同月比を当てはめた費目別の年間の負担増。食料は約3万1900円増、教養娯楽は約1万5000円増、交通・通信は約1万3700円増、教育は約5400円減。9費目の合計は約7万7000円増

出所:総務省統計局「家計調査報告(2025年平均)」、「消費者物価指数 全国 2026年9月分」をもとにLIMO編集部作成