国民健康保険の保険料のうち、加入者1人ごとにかかる「均等割」について、子どもの分を5割軽減する対象が、2027年4月から未就学児から高校生年代まで広がります。2026年6月5日に公布された健康保険法等の一部を改正する法律に盛り込まれました。
厚生労働省の資料によると、軽減の対象者は、未就学児の約50万人から、高校生年代までの約180万人になる見込みです。ただし、軽減されるのは均等割の部分で、所得に応じてかかる所得割は対象ではありません。
本記事では、何がいつから変わるのかを確認し、国民健康保険料のしくみと特別区の令和8年度の保険料率を整理し、高校生の子どもがいる世帯で均等割がいくら軽くなるかを計算します。
1. 2027年4月から、子どもの均等割5割軽減が高校生年代までに
まずは、法律で決まった内容を厚生労働省の資料で確認します。
1.1 2022年4月から未就学児は5割軽減。対象を高校生年代まで広げる
国民健康保険では、2022年(令和4年)4月から、未就学児の均等割保険料の5割を、公費(国が2分の1、都道府県と市町村が4分の1ずつ)で軽減しています。
今回の法改正で、この5割軽減の対象を、未就学児から高校生年代まで広げます。子育て世帯の負担をさらに軽くするための見直しで、施行は2027年(令和9年)4月1日です。
1.2 軽減の対象者は約50万人から約180万人に
厚生労働省の資料では、軽減の対象者は、未就学児の約50万人から、高校生年代までの約180万人になると示されています。
2. 特別区の令和8年度の均等割は1人6万5200円。所得割率は10.31%
次に、国民健康保険料のしくみと、東京23区(特別区)の令和8年度の保険料率を整理します。
2.1 保険料は所得に応じた所得割と、1人ごとの均等割などからなる
国民健康保険料は、所得に応じてかかる所得割と、加入者1人ごとにかかる均等割などでできています。特別区では、基礎分と後期高齢者支援金分、介護納付金分などに分けて保険料率を定めています。
今回の5割軽減の対象は、子どもにかかる均等割の部分です。
2.2 基礎分と後期高齢者支援金分の均等割は6万5200円
令和8年度の特別区の基準保険料率は、基礎分と後期高齢者支援金分を合わせて、所得割率が10.31%、均等割額が6万5200円です。均等割額は前年度より1100円増えました。賦課限度額は93万円です。
介護納付金分は、所得割率が2.43%、均等割額が1万7800円です。
3. LIMO編集部の計算例:高校生1人で均等割は年3万2600円軽くなる
特別区の令和8年度の均等割額をもとに、高校生年代の子どもがいる世帯で、均等割がいくら軽くなるかを計算します。
3.1 前提は特別区の令和8年度の均等割額6万5200円を使う
LIMO編集部の計算例として、次の前提で計算します。
- 東京23区(特別区)の国民健康保険に加入する世帯
- 子どもにかかる均等割額は、令和8年度の基礎分と後期高齢者支援金分の合計6万5200円とする
- 低所得世帯の軽減には該当しない
2027年度の保険料率はまだ示されていないため、令和8年度の額で計算しています。所得割は軽減の対象ではないため含めていません。
3.2 高校生1人で3万2600円、高校生2人なら6万5200円
均等割額6万5200円の5割は3万2600円です。高校生年代の子どもが1人いる世帯では、その子どもの均等割が年3万2600円軽くなります。
高校生年代の子どもが2人いる世帯では、合わせて年6万5200円の軽減です。
特別区の令和8年度の額で計算すると、高校生1人あたり均等割は年3万2600円軽くなります。3/4
出所:文京区「令和8年度特別区国民健康保険基準保険料率等の設定について」、厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律の概要」をもとにLIMO編集部作成
2027年4月からは、国民健康保険の子どもの均等割5割軽減の対象が高校生年代まで広がり、子育て世帯の保険料負担が軽くなります。浮いたお金を教育費や将来の備えに回せる可能性があるため、家計全体を見直しながら働き方や貯蓄計画を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
ここからは、同じ法律で決まったほかの国民健康保険の見直しを見ていきます。