2026年4月から、私立高校の授業料を支援する国の制度で所得制限がなくなりました。ただ、私立高校に通う家庭の自己負担は、授業料の支援だけでは0円になりません。
国の支援は授業料に充てるためのもので、入学料や施設整備費、修学旅行費、通学費などは対象外です。高校の費用を考えるときは、授業料と授業料以外を分けて見る必要があります。
元独立系FP会社でマネーセミナーの運営を補助していた経験からお伝えすると、教育費は授業料の印象が強く、授業料以外の費用は見落とされやすい項目です。ここでは、文部科学省の資料をもとに、私立高校の授業料が支援の上限内に収まるかと、授業料以外の自己負担が3年間でいくらになるかを、公立高校と比べて試算します。
※授業料以外の自己負担は、文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(令和8年1月16日差替の訂正後の値)の学校教育費から授業料を除いた額をもとにしています。
1. 私立高校の授業料支援はいくら?2026年4月から所得制限なしで年45万7200円まで(公立は11万8800円)
私立高校の授業料は、国の「高等学校等就学支援金」で支援されます。文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」によると、2026年4月から制度が改正され、所得制限が撤廃されました。主な内容は次のとおりです。
- 【支給の上限(年額)】私立高校(全日制)45万7200円、公立高校(全日制)11万8800円、国立高校11万5200円、私立高校(通信制)33万7200円
- 【所得制限】なし(2026年3月までは、世帯の年収によって支給額が変わり、年収の目安が約910万円以上の世帯は対象外でした)
- 【対象】2026年4月以降の新入生だけでなく、在校生も対象(国籍・在留資格の要件あり)
- 【受け取り方】学校の設置者が生徒に代わって受け取り、授業料に充てる。授業料との差額は家庭が支払う
- 【手続き】申請が必要で、原則として申し込んだ月からの支給
私立高校の上限45万7200円は、文部科学省の資料で「私立高校の平均授業料を勘案した水準」とされています。また、新しい制度は、法律の施行後3年以内に検証を行い、必要な見直しをする予定です。
2. 私立高校の授業料は支援の上限内に収まる?全国平均なら差は131円、東京都の平均は国の上限を約2.9万円上回る
文部科学省「令和6年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果」によると、私立高校(全日制)の授業料の平均は年45万7331円です。国の上限45万7200円との差は131円で、平均的な授業料なら、ほぼ支援の範囲に収まります。
ただし、授業料は学校や地域によって違います。たとえば東京都の私立高校の授業料の平均は年48万6531円で、国の上限を約2.9万円上回ります。
- 【全国平均】授業料 年45万7331円(国の上限との差 131円)
- 【東京都の平均】授業料 年48万6531円(国の上限との差 約2.9万円)
東京都では、都の「私立高等学校等授業料軽減助成金」が上乗せされます。東京都私学財団によると、都の助成は年4万3800円が上限で、国の就学支援金と合わせて最大年50万1000円まで、実際に負担した授業料の範囲で助成されます。国と都の制度は、それぞれ別に申請が必要です。
※授業料の平均は令和6年度の値で、2026年度の授業料とは異なる場合があります。都道府県独自の上乗せ支援の有無や金額は、地域によって違います。