バブル崩壊後、雇用の環境がとても厳しかった時期に就職活動をした就職氷河期世代。いまは働き盛りの年代になり、仕事や家計だけでなく、これからの老後のお金について考え始めている方も多いのではないでしょうか。
子どもの教育費や住宅ローン、親の介護など、この年代はお金の行き先が重なりやすい時期です。自分たちの世代がどのような状況にあるのかを知っておくと、これからの家計を考えるときの手がかりになるでしょう。
国は2026年4月10日に「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」をまとめ、これまでの支援に加えて、新たに「高齢期を見据えた支援」を柱のひとつにしました。
本記事では、内閣官房のこのプログラムと、総務省統計局の労働力調査(詳細集計)の2025年平均をもとに、就職氷河期世代の働き方の動きと、国の支援の中身を確かめます。
記事の後半では、非正規で働く理由の内訳や、高齢期を見据えた支援の中身、これからの家計の考え方も紹介します。
1. 【就職氷河期世代の今】不本意非正規雇用者は33万人、無業者は46万人
プログラムでは、就職氷河期世代を「概ね1993~2004年の間に就職活動を行った世代」としています。新卒のときに思うような就職がかなわず、その後も望まない形で不安定な仕事を続けている方や、仕事に就いていない方など、さまざまな課題に直面している方が含まれるとしています。
1.1 就職氷河期世代の就業などの動き
同プログラムでは、2019年から2024年にかけて正規雇用者が11万人、役員が20万人増えた一方で、2025年時点の不本意非正規雇用者は33万人、無業者は46万人としています。主な数字は次のとおりです。
- 正規雇用者:2019年から2024年にかけて11万人増加
- 役員:2019年から2024年にかけて20万人増加
- 不本意非正規雇用者:2025年時点で33万人(13万人減少)
- 無業者:2019年から2025年にかけて5万人増加し46万人
- 家族の介護を行う有業者:10年前の同年代と比べて25万人増加
1.2 正規で働く人は増えたが、課題が残る人も
正規雇用者や役員が増え、不本意非正規雇用者が減ったことは、これまでの支援や雇用環境の変化の表れのひとつと考えられます。一方で、無業者は増えていて、働きながら家族の介護を行う人も増えています。
なかでも働きながら家族の介護を行う人が増えていることは、多くの家庭にとって身近な話ではないでしょうか。仕事と介護の両立は、収入や将来の年金にもかかわるため、早めに家族で話しておきたいテーマといえそうです。
2. 【非正規で働く理由】「正規の職員・従業員の仕事がないから」は173万人
では、世代を問わず、非正規で働く人はどのような理由で今の働き方を選んでいるのでしょうか。総務省統計局の労働力調査(詳細集計)の2025年平均によると、非正規の職員・従業員は2128万人でした。
2.1 「正規の職員・従業員の仕事がないから」は8.4%
同調査では、今の雇用形態を選んだ主な理由に「正規の職員・従業員の仕事がないから」を挙げた人は173万人で、理由別の内訳の合計に占める割合は8.4%でした。男性は85万人、女性は88万人で、どちらも比較可能な2014年以降12年連続の減少となっています。
非正規で働く人の中には、自分の都合のよい時間に働きたい人や、家事や育児と両立したい人も多く、働き方を自分で選んでいる人も少なくありません。
正規の仕事がないことを理由に非正規で働いている人は減ってきていますが、その思いを抱えたまま働いている人もいることが、数字から読み取れます。全体では減っていても、一人ひとりにとっては、これからの暮らしにかかわる大切な問題であることに変わりはないでしょう。
3. 働き方の選び方は、人それぞれ
雇用形態を選ぶ際に大切なのは、今の働き方が自分や家族の希望に合っているか、将来のお金の見通しが立つかどうかではないでしょうか。
就職氷河期世代が、これから高齢期を迎えていくことを考えると、働き方と家計、老後の備えを一緒に見ておくことが、ますます大切になっていくでしょう。