同じ都道府県の職員でも年収の目安で約128万円差。東京都は「地域手当」が月7万300円、佐賀県は200円…10月9日の総務省通知で今後どうなる? 給料は東京都が最も低い

執筆者太田 彩子
同じ都道府県の職員でも年収の目安で約128万円差。東京都は「地域手当」が月7万300円、佐賀県は200円…10月9日の総務省通知で今後どうなる?
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目次
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1. 【地方公務員の地域手当】都道府県の職員は月平均でいくらか
1.1 47都道府県の単純平均は約1万2600円
2. 地域手当が多い都道府県と少ない都道府県
2.1 東京都の7万300円が突出 2.2 月1000円に届かない県は7つ
3. 給料と年収の目安で比べると
3.1 給料は東京都が最も低い 3.2 地域手当を足すと東京都が1位 3.3 年収の目安の差は127万5900円
4. 都道府県で地域手当が違うのはなぜか
4.1 国の基準は民間賃金の指数 4.2 地方は条例で定める
5. 【2026年10月の総務副大臣通知】地方の地域手当も「国の級地」が基本
5.1 国の2027年度の支給割合が基本 5.2 都道府県ごとの区分 5.3 都道府県と区分が違う市 5.4 見直しで割合が上がる地域と下がる地域
6. 支給割合が違うと地域手当は月いくら変わるか
6.1 給料月額35万円の場合 6.2 給与改定は国の給与法改正を待つのが基本
7. まとめにかえて
参考資料

地方公務員の給与には、勤める地域の民間の賃金水準に合わせて上乗せされる地域手当があります。同じ都道府県の職員でも、東京都と地方の県とでは月7万円を超える差が開いています。

2026年10月9日には総務省が通知を出し、地方の地域手当も国の区分と支給割合を基本に定めるよう示しました。

総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」には、47都道府県それぞれの職員の給料と手当の額が載っています。この記事では、地域手当の多い順に都道府県を並べ、給料や年収の目安と合わせて比べます。

1. 【地方公務員の地域手当】都道府県の職員は月平均でいくらか

総務省の調査は、2025年4月1日現在の地方公務員の給与を自治体ごとにまとめたものです。都道府県別の表には、職員数や平均年齢、給料と諸手当の月額、期末手当と勤勉手当の年額が並んでいます。

1.1 47都道府県の単純平均は約1万2600円

全職種の職員の地域手当の月額を47都道府県で単純平均すると、約1万2600円になります。月1万円を超えるのは20都府県で、残りの27道県は1万円に届きませんでした。

金額は職員1人当たりの平均で、地域手当が支給されない職員も含めて割った数字です。一般行政職のほか、教員や警察官なども含まれています。

2. 地域手当が多い都道府県と少ない都道府県

地域手当の月額が多い10都府県と、少ない5県を並べると次のとおりです。あわせて、給料の月額と、給料に地域手当を足した額も載せています。

都道府県の職員の地域手当は東京都の月7万300円がトップで、神奈川県と大阪府が4万円台で続く1/2

2025年4月1日現在の都道府県の職員(全職種)の地域手当の月額を多い順に並べた一覧表。1位東京都7万300円、2位神奈川県4万4400円、3位大阪府4万2800円、4位千葉県3万3300円、5位愛知県3万2200円、6位埼玉県3万1400円、7位兵庫県2万7800円、8位京都府2万4500円、9位茨城県2万4300円、10位奈良県2万2500円。少ないのは鹿児島県600円、熊本県・福島県・秋田県300円、47位の佐賀県200円。東京都は給料が33万9600円で47都道府県で最も低いが、給料と地域手当を足すと40万9900円で1位

出所:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」をもとにLIMO編集部作成

  • 東京都:7万300円
  • 神奈川県:4万4400円
  • 大阪府:4万2800円
  • 千葉県:3万3300円
  • 愛知県:3万2200円
  • 埼玉県:3万1400円
  • 兵庫県:2万7800円
  • 京都府:2万4500円
  • 茨城県:2万4300円
  • 奈良県:2万2500円
  • 滋賀県:2万1700円
  • 福岡県:1万9500円
  • 三重県:1万8200円
  • 広島県:1万7600円
  • 静岡県:1万6400円
  • 和歌山県:1万5600円
  • 栃木県:1万4400円
  • 香川県:1万2600円
  • 群馬県:1万900円
  • 宮城県:1万600円
  • 山梨県:9400円
  • 徳島県:7500円
  • 石川県:7200円
  • 富山県:6700円
  • 岐阜県:6400円
  • 長野県:6200円
  • 岡山県:5700円
  • 福井県:4800円
  • 新潟県:3700円
  • 北海道:3200円
  • 長崎県:2700円
  • 岩手県:2300円
  • 鳥取県:1700円
  • 愛媛県:1500円
  • 山形県:1400円
  • 宮崎県:1300円
  • 島根県:1300円
  • 沖縄県:1300円
  • 高知県:1200円
  • 大分県:1000円
  • 青森県:900円
  • 山口県:600円
  • 鹿児島県:600円
  • 熊本県:300円
  • 福島県:300円
  • 秋田県:300円
  • 佐賀県:200円

2.1 東京都の7万300円が突出

1位の東京都は月7万300円で、2位の神奈川県の4万4400円を2万5900円上回ります。3位以下も大阪府、千葉県、愛知県、埼玉県と、大都市圏の府県が続きました。

2.2 月1000円に届かない県は7つ

もっとも少ないのは佐賀県の月200円で、秋田県・福島県・熊本県の300円が続きます。月1000円に届かないのは、青森県と山口県、鹿児島県を合わせた7県でした。

3. 給料と年収の目安で比べると

地域手当の差は、給料と合わせて見ると違った姿が見えてきます。ここでは、給料、給料に地域手当を足した額、年収の目安の3つで比べます。

3.1 給料は東京都が最も低い

給料の月額は東京都が33万9600円で、47都道府県のなかで最も低い額でした。最も高いのは静岡県の36万5300円で、福島県の36万4600円、愛知県の36万3000円が続きます。

給料は年齢や経験年数でも変わります。東京都の職員の平均年齢は40.9歳、静岡県は42.2歳で、この違いも給料の差に表れているとみられます。

3.2 地域手当を足すと東京都が1位

ところが、給料に地域手当を足すと東京都は40万9900円になり、47都道府県で1位に変わります。2位は愛知県の39万5200円、3位は大阪府の39万2700円でした。

3.3 年収の目安の差は127万5900円

給料と諸手当を合わせた月収を12か月分にし、期末手当と勤勉手当を足して年収の目安を計算しました。東京都は787万8700円、地域手当が最も少ない佐賀県は660万2800円で、差は127万5900円です。

このうち地域手当の差は月7万100円で、12か月分にすると84万1200円になります。年収の目安の差の6割余りを、地域手当の差が占めている計算です。

なお、月収は職員1人当たりの平均、期末手当と勤勉手当は支給された職員1人当たりの平均です。もとにしている人数が違うため、年収の目安はあくまで試算になります。

4. 都道府県で地域手当が違うのはなぜか

地域手当は、民間の賃金水準が高い地域に勤める職員に支給される手当です。物価なども考え合わせ、地域ごとに支給する割合が決められています。

4.1 国の基準は民間賃金の指数

国家公務員の地域手当について、人事院の「地域手当の運用について」は支給地域の決め方を示しています。その地域の民間賃金の指数が、全国平均の100分の93.0以上であることを基本とするのです。

4.2 地方は条例で定める

地方公務員の地域手当は、それぞれの自治体が条例で支給地域や割合を定めます。国の基準をもとにしながら、自治体ごとに決めているため、都道府県によって額が大きく変わるのです。

総務省は2026年10月9日、総務副大臣名の通知で、地方の地域手当も国の指定基準と2027年度の級地別の支給割合にもとづいて定めることが基本だと示しました。国の基準では、東京都(特別区を除く)が16%、神奈川県と大阪府が12%です。

都道府県の職員の地域手当は、東京都の月7万300円から佐賀県の200円まで開きがありました。給料は東京都が47都道府県で最も低いものの、地域手当を足すと月額で1位になり、年収の目安の差127万5900円の6割余りを地域手当の差が占めています。

勤め先の自治体の地域手当の支給割合は、給与条例や、自治体が公表している給与・定員管理の資料で確かめられます。

ここからは、10月9日の通知が示した2027年度の国の地域手当の区分を都道府県ごとに確かめ、支給割合によって月いくら変わるかを試算します。

5. 【2026年10月の総務副大臣通知】地方の地域手当も「国の級地」が基本
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著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員

ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。

京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。京都府出身、滋賀県在住。