国民健康保険料を口座振替で納めていたのに、75歳になったら後期高齢者医療の保険料の納付書が届いて戸惑う人もいるでしょう。厚生労働省によると、令和8・9年度の後期高齢者医療の保険料は全国平均で月7989円の見込みで、令和6・7年度の7411円から578円(7.8%)増えています。

この保険料は年金から天引きされると思われがちですが、75歳になってすぐは天引きが始まらず、国民健康保険の口座振替も引き継がれません。

本記事では、75歳で後期高齢者医療制度に移ったあとの保険料の納め方と、口座振替の申し込み方を整理します。

1. そもそも後期高齢者医療の保険料は、どうやって納める?

後期高齢者医療の保険料は、原則として年金からの天引き(特別徴収)で納めます。

さいたま市の案内では、天引きの対象は、1つの年金を年額18万円以上受け取っている人です。ただし、1回の年金から天引きされる介護保険料と後期高齢者医療の保険料の合計が、その回の年金額の半分を超える場合、後期高齢者医療の保険料は天引きされません。

天引きされない人は、納付書か口座振替で自分で納めます(普通徴収)。たとえば次のような場合です。

  • 複数の年金の合計は18万円以上でも、1つの年金では18万円未満の場合
  • 介護保険料と合わせた額が、1回の年金額の半分を超える場合
  • 老齢福祉年金や恩給など、天引きの対象にならない年金だけを受け取っている場合

2. 75歳になったら、すぐ年金天引きになる?

天引きの条件を満たしている人でも、75歳で後期高齢者医療制度に移った直後は、年金からの天引きにはなりません。

船橋市の案内では、加入する保険が変わるため、加入直後は天引きを続けられず、納付書または口座振替で納めるとしています。加入してから天引きに切り替わるまで、半年から1年ほどかかるとのことです。

港区の案内では、年度の途中で75歳になった人は、翌年の4月または10月から天引きが始まるとしています。天引きへの切り替えは自動で行われ、本人の手続きはいりません。

2.1 国民健康保険の口座振替は引き継がれる?

注意したいのは、国民健康保険料を口座振替で納めていた人です。

後期高齢者医療制度は国民健康保険とは別の制度なので、国民健康保険で登録していた口座振替は使えません。港区や船橋市の案内でも、後期高齢者医療制度で改めて口座の登録が必要とされています。手続きをしないままだと、届いた納付書で自分で納めることになります。

3. 天引きが始まるまでに、保険料はいくら納める?

後期高齢者医療の保険料(全国平均)1/3

後期高齢者医療の保険料(全国平均)

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」をもとにLIMO編集部作成

厚生労働省の資料によると、令和8・9年度の後期高齢者医療の保険料(医療分)の全国平均は次のとおりです。

  • 平均保険料(月額):7989円(令和6・7年度は7411円)
  • 平均保険料(年額):9万5875円(令和6・7年度は8万8940円)
  • 均等割(年額):5万6083円、所得割率:10.17%
  • 子ども分(令和8年度、月額):194円

保険料は、75歳になった月の分からかかります。港区の案内では、10月に資格を取得した場合、10月から年度末の3月までの6か月分の保険料がかかる例が示されています。

たとえば全国平均の月7989円で6か月分を計算すると、4万7934円です。天引きが始まるまでは、この規模の保険料を納付書か口座振替で納めることになります。実際の保険料は、所得や住んでいる都道府県によって変わります。

3.1 口座振替の申し込みに必要なものは?

口座振替の申し込みに必要なもの2/3

口座振替の申し込みに必要なもの

出所:名古屋市「後期高齢者医療保険料の口座振替の申し込み」、港区「後期高齢者医療制度の保険料」をもとにLIMO編集部作成

名古屋市の案内では、口座振替は、口座のある金融機関の窓口か、区役所の窓口で申し込めます。郵送や、一部の金融機関のウェブサイトから申し込む方法もあります。

  • 被保険者番号がわかるもの(資格確認書など)
  • 口座の届出印
  • 口座番号がわかるもの(預貯金通帳など)

港区のようにウェブで口座振替を登録できる自治体もあります。口座振替が始まるまでに納期限が来る分は、届いた納付書で納めます。

75歳で後期高齢者医療制度に移ると、保険料は半年から1年ほど、納付書か口座振替で納める期間があります。

国民健康保険の口座振替は引き継がれないため、口座振替にしたい人は改めて申し込む必要があります。

次のページでは、天引きが始まったあとの口座振替の扱いや、口座振替にしたときの社会保険料控除など、注意したい点を解説します。