4. 2028年4月の子に係る加算の見直しで、あわせて知っておきたい3つのポイント
年金制度改正法の資料にある額をそのまま自分の世帯に当てはめる前に、確認しておきたい点が3つあります。
4.1 2024年度価格の額は、2028年度に実際に支給される額とは異なる
28万1700円や36万7200円は、2024年度価格の年額として示されたものです。年金額は毎年度改定されるため、2028年4月時点の実際の額はこれとは異なります。
2026年4月からの加給年金額は、配偶者と1人目・2人目の子が24万3800円で、2024年度価格の23万4800円より高くなっています。2028年度に支給される具体的な額は、厚生労働省や日本年金機構の発表で確かめる必要があります。
4.2 子に係る加算の引き上げは、いま受給している人も対象
子に係る加算額の引き上げは、現在受給している人も含めて行われます。一方、配偶者に係る加算額の見直しは将来の受給者だけが対象で、すでに受給している人の額は維持されます。
同じ2028年4月の見直しでも、子の分と配偶者の分で、対象になる人の範囲が違います。
4.3 子に係る加算には国内居住要件が設けられる
厚生労働省の資料では、子に係る加算について「国内居住要件」を設定するとしています。子が海外に住んでいる場合の扱いは、施行に向けて示される詳細を確認する必要があります。
5. 子のいる年金受給世帯が、加給年金の要件で確かめたいこと
加給年金は、要件を満たさなくなると加算が終わります。子の年齢や配偶者の年金の状況によって止まることがあるため、次の点を確かめておきます。
5.1 子の加給年金は18歳到達年度の末日まで
子の加給年金の対象は、18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子です。子がこの年齢を過ぎると、その子の分の加算は終わります。
5.2 配偶者が65歳になる、または一定の老齢厚生年金を受け取る権利があると止まる
配偶者の加給年金は、配偶者が65歳になると終わります(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者を除く)。配偶者が厚生年金の被保険者期間20年以上の老齢厚生年金を受け取る権利があるときや、障害年金を受けられる間は支給停止になります。
離婚や死亡などで生計を維持されなくなったときも、加算は終わります。加算の開始や終了には届出が必要な場合があるため、ねんきんダイヤルか年金事務所に問い合わせておくと安心です。
6. まとめ
2025年6月に成立した年金制度改正法により、2028年4月から子に係る加算は3人目以降も含めて一律28万1700円(2024年度価格)になり、老齢基礎年金などにも子の加算が創設されます。配偶者の加給年金額は将来の受給者について36万7200円に見直され、すでに受給している人の額は維持されます。
実際の支給額は施行時点の年金額改定で決まるため、日本年金機構から届く通知で自分の加算の有無と額を確かめておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の概要」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業月報(速報)令和8年5月分」
鶴田 綾