12月が近づくと、冬のボーナスの使い道を考え始める方も多いのではないでしょうか。貯蓄に回すのか、ローンの返済に充てるのか、家電や家具を買うのか、旅行に充てるか…など家族で話し合う家庭もあるでしょう。
そのときに気になるのが、ほかの家庭がどのくらい貯蓄しているかでがないでしょうか。年代や家族構成だけでなく、年収が近い家庭の数字を知りたいという方もいるかもしれません。
全体の平均だけを見ると、わが家とはかけ離れた数字に感じることもあるでしょう。年収の近い家庭と比べてみると、貯蓄の目安がぐっと身近になるでしょう。ボーナスの使い道を考える前に、まずはわが家の位置を確かめてみませんか。
本記事では、2025年平均の家計調査(貯蓄・負債編、総務省統計局)をもとに、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄を、年間収入の5つの階級別に確かめます。あわせて、厚生労働省の毎月勤労統計調査から、2025年の年末賞与も見ていきます。
記事の後半では、年収の階級別の貯蓄の中身と負債、ボーナスの使い道の考え方も紹介します。
1. 「年収別の貯蓄」はいくら?二人以上の世帯のうち働く世帯は966万〜2847万円。
家計調査の貯蓄・負債編では、年間収入の低い世帯から高い世帯へ順に並べて5等分し、低いほうから第Ⅰ階級から第Ⅴ階級としています。この階級を年間収入五分位階級といいます。
1.1 年間収入五分位階級別の貯蓄現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)
2025年の勤労者世帯の貯蓄現在高は、年間収入が最も低い第Ⅰ階級が966万円、最も高い第Ⅴ階級が2847万円でした。階級ごとの貯蓄現在高と負債現在高は次のとおりです。
- 第Ⅰ階級(年間収入~516万円・平均394万円):貯蓄966万円、負債421万円
- 第Ⅱ階級(516万~678万円・平均598万円):貯蓄1245万円、負債929万円
- 第Ⅲ階級(678万~845万円・平均758万円):貯蓄1509万円、負債1075万円
- 第Ⅳ階級(845万~1076万円・平均949万円):貯蓄2017万円、負債1278万円
- 第Ⅴ階級(1076万円~・平均1420万円):貯蓄2847万円、負債1465万円
- 平均(年間収入824万円):貯蓄1717万円、負債1034万円
同資料は、勤労者世帯について「年間収入が高くなるに従って貯蓄現在高が多くなっている」としています。
1.2 平均の1717万円は、わが家と比べる目安のひとつ
勤労者世帯全体の平均は1717万円ですが、年収の階級で分けると、貯蓄の金額はかなり違って見えます。平均だけを見て焦るよりも、年収が近い階級の数字を目安にすると、わが家の状況を落ち着いて見やすくなるでしょう。
第Ⅰ階級の世帯主の平均年齢は54.0歳で、ほかの階級より少し高めです。年収の階級には、年齢や働き方の違いも含まれていると考えておくとよいでしょう。
同じ階級の中でも、子どもの人数や住まい、親の介護などで、貯蓄にかけられるお金は家庭ごとに違います。数字は、わが家を比べる物差しのひとつと考えておきたいところです。
2. 【冬のボーナスの支給割合は1.08か月分】支給した事業所は76.5%
厚生労働省の毎月勤労統計調査(特別集計)によると、事業所規模5人以上の2025年の年末賞与は、支給事業所における労働者1人平均で42万4889円でした。前年の41万3277円より2.8%増えています。
2.1 2025年の年末賞与(事業所規模5人以上)
同資料のおもな数字は次のとおりです。
- 労働者1人平均の賞与:42万4889円(前年比2.8%増)
- 支給事業所数割合:76.5%
- 支給事業所に雇用される労働者の割合:86.5%
- 支給割合(きまって支給する給与に対する割合):1.08か月分
- 事業所規模30人以上の1人平均:49万695円
1人平均には、賞与を支給した事業所で賞与を受けていない労働者も含まれます。また、1.08か月分は、賞与を支給した事業所ごとに出した支給月数を、1事業所あたりで平均したものです。
2.2 ボーナスは、勤め先によって大きく違う
支給事業所数割合が76.5%ということは、賞与を支給していない事業所もあるということです。わが家のボーナスが平均と違っても、勤め先の規模や業種、業績などさまざまな理由が考えられるでしょう。
ボーナスは毎月の給与と違って、金額が年によって変わることもあります。あてにしすぎず、受け取ったときに使い道を決める家庭も多いと考えられます。
貯蓄の数字もボーナスの数字も、平均はひとつの目安です。年収が近い階級の貯蓄と、わが家の勤め先のボーナスを並べて見ると、冬のボーナスの使い道も考えやすくなるのではないでしょうか。
勤労者世帯の貯蓄現在高は、年間収入の階級別に966万円から2847万円で、平均は1717万円でした。2025年の年末賞与は、きまって支給する給与に対する支給割合で1.08か月分です。