4. 有期退職年金は20年・10年・一時金から選ぶ

年金払い退職給付のうち有期退職年金は、受け取り方を選べます。受給期間は20年が基本で、請求のときに10年や一時金を選ぶこともできます。

4.1 10年受給と一時金

モデル年金の場合、有期退職年金を10年で受け取ると月1万8475円、一時金なら216万円です。20年受給の月9466円と比べると、10年受給の月額はほぼ2倍になります。

一時金は、有期退職年金の給付事由が生じてから6か月以内に、退職年金の請求と同時に請求した場合に選べます。終身退職年金は、有期退職年金の受け取り方に関係なく一生続きます。

4.2 繰上げと繰下げ

退職年金は、1年以上の組合員期間があって退職していれば、60歳から65歳になるまでのあいだに繰り上げて受け取れます。繰り上げると利子の付く期間が短くなり、終身年金現価率も高くなるため、年金額は減ります。

反対に、75歳までの繰下げでは利子の付く期間が延び、終身年金現価率が低くなるため年金額は増えます。繰上げも繰下げも、終身退職年金と有期退職年金を同時に行う決まりです。

4.3 受け取る前に亡くなったとき

有期退職年金の受給期間が終わる前や、受け取り始める前に本人が亡くなった場合は、受け取っていない期間分が一時金として遺族に支給されます。組合員のうちに亡くなった場合は、1年以上引き続く組合員期間がある人に限られます。

また、退職年金を受け取る権利がある人がふたたび組合員になると、その間は退職年金の支給が止まります。公務員として働いている間は、一時金を除いて退職年金を受け取れないのです。

5. 年金払い退職給付と経過的職域加算額の関係

2015年9月以前から公務員として働いていた人は、年金払い退職給付とは別の給付も受け取ります。2015年9月までの期間に対する、退職共済年金(経過的職域加算額)です。

5.1 2015年9月までの期間は経過的職域加算額

原則として、2015年9月以前に1年以上の組合員期間がある人には、老齢厚生年金とあわせて退職共済年金(経過的職域加算額)が支給されます。計算の対象になるのは、2015年9月までの組合員期間の月数です。

2015年10月以降の組合員期間は、年金払い退職給付の対象になります。2つの期間がある人は、両方を受け取ることになります。

5.2 計算例では年21万6630円

国家公務員共済組合連合会の案内には、経過的職域加算額の計算例が載っています。2003年3月以前の組合員期間が276月、2003年4月から2015年9月までが150月の人の場合、経過的職域加算額は年21万6630円です。

経過的職域加算額も、組合員である間は支給が停止されます。繰上げや繰下げは、老齢厚生年金と同じ条件で行えます。

6. まとめにかえて

年金払い退職給付の基準利率は、2026年10月から0.82%になりました。積み立てた額に付く利子と、受け取り始めるときの年金額の両方に影響します。

冒頭の声のように40年勤めた場合の目安は、40年加入のモデル年金を2026年10月からの年金現価率で計算し直すと月1万8164円です。老齢厚生年金とは別に受け取る年金です。

受け取るのは原則65歳からで、半分は一生続く終身退職年金、残りの半分は20年・10年・一時金から選ぶ有期退職年金です。2015年9月以前の組合員期間がある人には、経過的職域加算額も支給されます。

受け取り方の選び方や見込額は、加入している共済組合の年金相談で確かめておくと安心です。退職の時期を考えている人は、老齢厚生年金とあわせて早めに相談しておきましょう。

参考資料

太田 彩子