金融庁は2026年10月2日に、NISA口座の利用状況(2026年6月末時点)を公表しました。2026年の利用枠で買付があった金額を年代別に見ると、いちばん多いのは50歳代です。

教育費や住宅ローンに加えて、自分の老後の準備も気になり始める50歳代。冬のボーナスや年末の家計の見直しを前に、毎月どのくらいのお金が残っているのかを知っておきたい方も多いでしょう。

ほかの家庭がどのくらい残し、残ったお金をどこに回しているのかは、なかなか聞きにくいものです。平均の数字を手がかりに、わが家の家計を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。年末は、来年の積立や貯金の目標を考えやすい時期でもあります。

本記事では、総務省統計局がまとめた2025年の家計調査(家計収支編)の平均から、世帯主が50歳代の勤労者世帯の毎月の黒字と、前年からの手取りの動きを確かめます。税や社会保険料を差し引いた手取りから、生活費を払って残るお金に注目します。

記事の後半では、NISAの年代別の買付金額の一覧と、黒字の行き先の考え方も紹介します。

1. 【50歳代の家計】毎月の黒字は19万4925円、黒字率は34.2%

2025年平均の家計調査を見ると、世帯主が50~59歳の勤労者世帯(二人以上の世帯)の実収入は、月71万8283円でした。税や社会保険料などの非消費支出14万8418円を差し引いた可処分所得は、56万9865円です。

1.1 50歳代の勤労者世帯の家計収支(1か月平均)

可処分所得から消費支出37万4940円を差し引いた黒字は19万4925円で、可処分所得に対する黒字の割合である黒字率は34.2%でした。カッコ内は勤労者世帯の平均です。

  • 実収入:71万8283円(65万3901円)
  • 非消費支出:14万8418円(12万1493円)
  • 可処分所得:56万9865円(53万2408円)
  • 消費支出:37万4940円(34万6297円)
  • 黒字:19万4925円(18万6111円)
  • 黒字率:34.2%(35.0%)
  • 平均消費性向:65.8%(65.0%)

50歳代の勤労者世帯の家計収支(1か月平均・2025年)1/2

50歳代の勤労者世帯の家計収支(1か月平均・2025年)

出所:総務省統計局「家計調査結果」をもとにLIMO編集部作成

1.2 黒字は、手取りから生活費を払ったあとに残るお金

黒字は、預貯金や保険、株式などの購入のほか、住宅などの借入金の返済にも回るお金です。平均消費性向は65.8%なので、手取りのおよそ3分の2を毎月の生活費に使っている計算になります。

この65.8%は、勤労者世帯の平均の65.0%とほぼ同じ水準です。50歳代は手取りが平均より多い一方で、生活費も平均より多くなっていて、収入が増えたぶん支出も増えやすい年代といえるかもしれません。

黒字の金額だけを見ると、ゆとりがあるように感じるかもしれません。ただ、50歳代は子どもの進学や住まいの修繕など、年に何度かまとまって出ていくお金も多い時期といえるでしょう。月々の黒字には、そうした出費に備える分も含まれていると考えられるでしょう。

同資料では、この世帯の平均の世帯人員は3.12人、持家率は87.2%です。住まいを持ち、子どもと暮らす家庭も多いと考えられる年代で、黒字の使い道も家庭ごとにさまざまでしょう。

2. 【50歳代の手取りは実質3.5%の減少】前年と比べた可処分所得の動き

同資料では、勤労者世帯の可処分所得が前年と比べてどう動いたかを、世帯主の年齢階級別にも示しています。

2.1 年齢階級別に見た可処分所得の実質増減率(2025年)

50~59歳の世帯は実質3.5%の減少で、40~49歳の世帯も実質2.2%の減少でした。

  • 40歳未満:実質1.1%の増加
  • 40~49歳:実質2.2%の減少
  • 50~59歳:実質3.5%の減少
  • 60歳以上:実質1.7%の増加

2.2 数字のうえでは小さな差でも、家計への影響は小さくない

数字のうえでは小さな差に見えても、毎月の積み重ねで考えると、1年では家計に少なからず影響が出ることもあるでしょう。

50歳代は、収入の伸びが落ち着いてくる一方で、教育費などの大きな支出が続く家庭もあるでしょう。黒字を貯蓄だけでなく、これから必要になるお金にどう振り分けるかが、いっそう大切になってくるのではないでしょうか。

とくに50歳代は、手取りの動きが家計の見通しに直結しやすい年代です。前年と同じ感覚でお金を使っていると、気づかないうちに残るお金が少なくなっていることもあるため、年に一度は黒字の金額を確かめておきたいところです。

毎月の黒字は、家計のゆとりをはかる物差しのひとつです。金額の大小よりも、その黒字がどこに向かっているのかを知っておくことが、50歳代の家計では大切だと考えられます。

世帯主が50歳代の勤労者世帯の黒字は月19万4925円、黒字率は34.2%でした。可処分所得は前年より実質3.5%減っていて、手取りのうちいくらを残し、どこに回すかを考えたい時期といえそうです。