3. 【第3子以降として支給される子は12.1%】令和6年度の児童手当事業年報
こども家庭庁の令和6年度児童手当事業年報(概要版)によると、一般受給資格者の支給対象児童数は1795万9690人でした。そのうち第3子以降は217万9091人で、およそ12.1%にあたります。
3.1 支給対象児童数の内訳(一般受給資格者・令和6年度)
支給対象児童数は、各年度の2月末現在の数です。内訳は次のとおりです。
- 0歳から3歳未満:184万9474人
- 3歳以上中学校修了前:1086万5162人
- 中学校修了後高校生年代:306万5963人
- 第3子以降:217万9091人
- 合計:1795万9690人
3.2 第3子以降は前年度の約1.8倍に
第3子以降は、令和5年度の119万6661人から、令和6年度は217万9091人に増え、およそ1.8倍になりました。令和6年10月から、「第3子以降」を数える対象の年齢が18歳の年度末から22歳の年度末まで延びたことも、背景にあると考えられます。
数え方が広がったことで、上の子が高校を卒業したあとも、3人目が月3万円のまま受け取れる家庭は増えているとみられます。そのぶん、上の子が人数に入るかどうかの確認は、家庭ごとに大切になっているといえるでしょう。
表では、中学校修了後高校生年代の欄が令和5年度は「―」で、令和6年度は306万5963人です。こども家庭庁の「「第3子以降」のカウント方法について」には「支給期間がこれまでの15歳年度末から18歳年度末まで延長されます」とあり、高校生年代が新たに対象に加わったことが分かります。
4. 【3人目が生まれたら】0歳から月3万円、手続きは15日以内に
次は、3人目が生まれたばかりの家庭の例です。
4.1 例)3人きょうだい(小学6年生・小学2年生・0歳)の場合
- 小学6年生(第1子):月1万円
- 小学2年生(第2子):月1万円
- 0歳(第3子):月3万円
- 合計:月5万円
0歳の子が第1子や第2子なら月1万5000円で、3歳になると1万円に下がります。第3子の場合は0歳から月3万円で、3歳になっても金額は変わりません。
出産の前後は、ベビー用品や医療費など出費が重なりやすい時期です。3人目の手当が月3万円になると、偶数月の支給は2か月分で6万円が加わる計算になり、家計の見通しも変わってくるでしょう。
4.2 すでに受け取っている家庭は「額改定認定請求書」
こども家庭庁の児童手当Q&Aによると、子どもが生まれたら、生まれた日の次の日から数えて15日以内の申請が必要で、申請先はお住まいの市区町村(公務員は勤務先)です。すでに手当を受け取っていて金額が増える場合は、「額改定認定請求書」で申請します。
児童手当Q&Aでは、申請が遅れた場合、遅れた月の分は原則として受け取れなくなるとしています。出産の前後は慌ただしくなりがちなので、出生届とあわせて手続きを確かめておくと安心でしょう。
上の子と年が離れている家庭では、上の子が高校を卒業する時期と、下の子が小さい時期が重なることもあるでしょう。3人目が生まれたときに、数え方の変わり目がいつ来るかもあわせて確かめておきたいところです。
5. 【一番上の子が22歳の年度末を過ぎると】4人きょうだいでも月2万円減る例
3人目以降の手当は、上の子の年齢でも変わります。「第3子以降」は、児童と、高校生年代を過ぎて22歳になった年度の3月31日までの兄や姉などのうち、年齢が上の子から数えて3人目以降の子です。兄や姉は、親などに経済的な負担がある場合に数に入ります。
5.1 例)4人きょうだいで、一番上の子が22歳になった年度の末を過ぎた場合
1番目の子が22歳、2番目の子が19歳で、どちらも親などに経済的な負担があるとします。3番目の子は高校1年生、4番目の子は小学5年生です。
- 1番目(22歳):過ぎる前は第1子・手当なし、過ぎたあとは数に入らない
- 2番目(19歳):過ぎる前は第2子・手当なし、過ぎたあとは第1子・手当なし
- 3番目(高校1年生):過ぎる前は第3子・月3万円、過ぎたあとは第2子・月1万円
- 4番目(小学5年生):過ぎる前は第4子・月3万円、過ぎたあとは第3子・月3万円
- 合計:過ぎる前は月6万円、過ぎたあとは月4万円
例)4人きょうだいで、一番上の子が22歳になった年度の末を過ぎた場合 児童手当の月額2/2
出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」、こども家庭庁「「第3子以降」のカウント方法について」をもとにLIMO編集部作成
5.2 きょうだいが多くても、数え方は1人ずつ繰り上がる
4人きょうだいなら、一番上の子が数に入らなくなっても第3子がいます。それでも3番目の子が第3子から第2子に繰り上がるため、この例では月2万円減ります。
きょうだいが多い家庭ほど、3人目以降の手当がずっと続くと思いがちかもしれません。上の子が22歳になる年度や、就職などで経済的な負担がなくなる時期を書き出しておくと、手当が変わる時期の見通しが立てやすくなるでしょう。
きょうだいの年齢が離れているほど、手当が変わるタイミングは何度も訪れると考えられます。そのたびに家計を組み立て直すのは負担なので、先の分まで一度に書き出しておくと安心かもしれません。
上の子が大学や専門学校に進むのか、就職するのかによって、人数に入るかどうかが変わることもあると考えられます。進路が決まる時期は、児童手当の見通しを見直すよいタイミングといえそうです。
数え方が変わったあとの最初の振込では、金額が減ったことに気づきにくいかもしれません。通帳の金額が変わったら、どの子の分が変わったのかを確かめておくと安心でしょう。
6. 【12月の支給の前に】子どもごとの数え方と、手当が変わる時期を書き出す
ここまでの例をもとに、わが家の児童手当を確かめてみましょう。
6.1 子どもの生年月日と、何人目として数えられているかを並べる
子ども全員の生年月日を並べ、それぞれが何人目として数えられているかを書き出します。高校を卒業した上の子がいる場合は、22歳になった年度の3月31日までで、親などに経済的な負担があるかどうかも確かめます。
上の子を数に入れるときは、「監護相当・生計費の負担についての確認書」を出す場面があると、こども家庭庁は案内しています。手元の書類と、お住まいの市区町村の案内をあわせて見ておくと安心でしょう。
6.2 12月の振込額と、子どもの年齢で手当が変わる時期を家計に書き込む
12月に振り込まれる10月分と11月分の金額を通帳で確かめ、月額の2か月分になっているかを見ておきましょう。そのうえで、子どもが3歳になる月や、高校生年代が終わる年度、上の子が22歳になる年度を書き込んでおくと、手当が変わる時期が一目で分かります。
児童手当を教育費として残している家庭なら、子どもごとに、いつまでにいくら受け取れるかの見込みも書いておきたいところです。進学の時期と手当が終わる時期を並べておくと、それぞれのお金をいつ使うかを考えやすくなり、これからの家計の計画も立てやすくなるでしょう。
受け取った手当を毎月の生活費に充てるのか、教育費として残すのかも、このタイミングで家族で決めておくとよいでしょう。
手当の金額は、子どもの成長とともに少しずつ変わっていくものです。家計の中で児童手当がどんな役割を果たしているのかを、年に一度は家族で振り返っておくと、使い道の見直しもしやすくなるでしょう。
実際の金額や手続きは家庭の状況で変わるため、くわしくは、お住まいの市区町村(公務員は勤務先)で確かめてください。
7. まとめにかえて
偶数月に通帳を記帳して、児童手当が振り込まれているのを見ると、ほっとする方もいるでしょう。一方で、きょうだいが多い家庭ほど、その金額がいつまで続くのかは見えにくいものです。
今回の例のように、3人目以降の手当は月3万円と大きい分、上の子の年齢や卒業で数え方が変わると、家計への影響も大きくなります。4人きょうだいでも、一番上の子が数に入らなくなると、金額が下がることがありました。
受け取った手当を毎月の暮らしに使う家庭も、教育費として残す家庭も、わが家に合った使い方でよいでしょう。大切なのは、手当が変わる時期を前もって知り、これからの家計の見通しを立てておくことかもしれません。
12月の支給を、子どもごとの数え方と、手当が変わる時期を家族で確かめるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子