同じ会社に長く勤めたとき、大企業と小企業では月給がどれくらい違ってくるのか。転職や昇給の見通しを考えるうえで、気になる方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、大企業と小企業の月給の差は、勤続0年の月3.7万円から、勤続25〜29年では月14.3万円(年換算で約171万円)に広がります。勤続10〜14年から25〜29年までの上がり方も、大企業が月14.0万円、小企業が月5.3万円と、約2.6倍の開きがあります。

この記事では、勤続年数別と、正社員・正社員以外別に、企業規模による月給の差を確認します。

1. 勤続年数別にみた、大企業と小企業の月給

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」は、毎年6月分の賃金を調べる統計で、令和7年の結果は、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所を対象に集計されています。

この記事の「月給」は、概況でいう「賃金」にあたる所定内給与額です。残業代など超過労働に対する給与と、年間賞与その他特別給与額(ボーナス)は含みません。対象は、短時間労働者を除く一般労働者で、勤続年数は現在の勤め先での年数です。企業規模は、常用労働者が1000人以上を大企業、100〜999人を中企業、10〜99人を小企業としています。

1.1 勤続0年は月3.7万円差、勤続25〜29年は月14.3万円差

男女計の月給を、勤続年数階級別に、大企業と小企業で並べました。

勤続年数階級別の月給、大企業と小企業の差(令和7年・男女計)1/2

勤続年数階級別の月給、大企業と小企業の差(令和7年・男女計)

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 勤続0年:大企業29.3万円、中企業27.3万円、小企業25.5万円。差は月3.7万円(小企業は大企業の87.2%)
  • 勤続10〜14年:大企業36.8万円、中企業32.3万円、小企業31.2万円。差は月5.6万円(84.8%)
  • 勤続20〜24年:大企業46.8万円、中企業37.9万円、小企業34.5万円。差は月12.3万円(73.7%)
  • 勤続25〜29年:大企業50.8万円、中企業40.8万円、小企業36.5万円。差は月14.3万円(71.9%)
  • 勤続30年以上:大企業49.7万円、中企業41.4万円、小企業36.7万円。差は月13.0万円(73.8%)

差が最も大きいのは勤続25〜29年で、月14.3万円、年換算で約171万円です。勤続10〜14年までは差が月6万円未満にとどまりますが、15年を超えたあたりから大きく開いていきます。なお、勤続30年以上になると、大企業は49.7万円とやや下がります。この統計からは、理由までは分かりません。

1.2 勤続10〜14年から25〜29年までの上がり方は、大企業14.0万円・小企業5.3万円

勤続10〜14年から、勤続25〜29年までの15年間で、月給がどれだけ上がるかを比べます。

  • 大企業:36.8万円→50.8万円で、月14.0万円の上昇
  • 中企業:32.3万円→40.8万円で、月8.4万円の上昇
  • 小企業:31.2万円→36.5万円で、月5.3万円の上昇

大企業の上がり幅は、小企業の約2.6倍です。勤続0年から25〜29年までで見ても、大企業が月21.5万円、小企業が月11.0万円の上昇で、勤め続けるほど規模による差が積み上がっています。

ただし、この数字は同じ人を追いかけた結果ではなく、勤続年数の違う人たちの平均を並べたものです。「10年後にこうなる」という予測ではありません。

2. 正社員と正社員以外で、規模による差はこれだけ違う

雇用形態別にも、企業規模ごとの月給を確認します。

2.1 正社員は月9.9万円差、正社員以外は月2.3万円差

正社員・正職員と正社員以外の月給、企業規模別(令和7年・男女計)2/2

正社員・正職員と正社員以外の月給、企業規模別(令和7年・男女計)

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 正社員・正職員:大企業41.4万円、中企業34.4万円、小企業31.5万円。大企業と小企業の差は月9.9万円
  • 正社員・正職員以外:大企業25.2万円、中企業23.9万円、小企業22.9万円。大企業と小企業の差は月2.3万円

正社員は、勤め先の規模によって月給が2割以上変わりますが、正社員以外では、規模による差は小さくなっています。

2.2 正社員以外の賃金は、正社員の6〜7割

正社員・正職員を100としたときの、正社員以外の賃金は、大企業が60.7、中企業が69.3、小企業が72.7です。大企業ほど、正社員と正社員以外の差が大きくなっています。

3. 企業規模別の月給は、全体では大企業38.5万円・小企業30.6万円

勤続年数別や雇用形態別の前提となる、企業規模別の全体の月給も確認します。男女計の月給は、大企業が38.5万円、中企業が32.6万円、小企業が30.6万円です。年換算(月給×12)では、大企業が約462.1万円、中企業が約391.4万円、小企業が約366.7万円になります。

大企業を100としたときの賃金格差は、中企業が84.7、小企業が79.4で、前年の88.6、82.1より広がりました。前年比は、大企業が+5.7%、中企業が+1.0%、小企業が+2.1%です。年齢別にみると、差が最も大きいのは55〜59歳で、大企業46.6万円に対して小企業33.5万円と、月13.1万円の開きがあります。