「貯蓄の平均は2000万円以上と聞いて、わが家は全然足りないと落ち込んだ。同じ世代の家庭は、実際どのくらい貯めているのだろう」。そう感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
ほかの家庭と比べて一喜一憂する必要はありませんが、統計を見るときに見落としやすい点が3つあります。平均は貯蓄の多い一部の世帯に引っ張られやすいこと。世帯主の年代によって貯蓄の額が大きく違うこと。そして、住宅ローンなどの負債を差し引くと見え方が変わること。
ここでは、世帯主が40代の夫婦と子どもの家庭をイメージしながら、総務省の家計調査(貯蓄・負債編)の2025年の結果で、この3つを確かめます。
※編集部:本記事の数字は、総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果」の二人以上の世帯の値です。
1. 平均は2059万円?中央値は1264万円
まずは、貯蓄の平均値と中央値を比べてみましょう。総務省の家計調査によると、2025年の二人以上の世帯の1世帯あたり貯蓄現在高(平均値)は2059万円で、7年連続で増えました。
一方、貯蓄がある世帯を少ない順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する世帯の貯蓄(中央値)は1264万円です。貯蓄が0円の世帯を含めた中央値(参考値)は1167万円でした。
平均値の2059万円を下回る世帯は66.1%で、約3分の2を占めています。平均値は貯蓄の多い一部の世帯に引っ張られるため、実感に近いのは中央値のほうだといえます。
2. 何%の位置?1000万円以上は半数超
では、自分の家庭の貯蓄は、全体のどのあたりに位置するのでしょうか。家計調査の貯蓄現在高階級別の世帯分布から、いくつかの線で区切って割合を計算しました。
二人以上の世帯の、貯蓄現在高ごとの世帯の割合です(2025年)。2/6
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成
- 【貯蓄500万円未満】28.2%
- 【貯蓄1000万円以上】55.5%
- 【貯蓄2000万円以上】34.9%
※試算の前提:貯蓄現在高階級別の世帯分布(1万分比を百分率にしたもの)を足し合わせた値です。四捨五入の関係で、合計は100%にならない場合があります。
たとえば貯蓄が1000万円あれば、二人以上の世帯のほぼ真ん中、2000万円あれば上位3分の1あたりに入る計算です。ただし、この分布には世帯主が60歳以上の世帯も多く含まれています。
3. 40代の平均は?貯蓄1381万円
そこで、世帯主の年代ごとに貯蓄の平均値を見てみましょう。
世帯主の年齢階級別の貯蓄現在高・年間収入の平均値です(二人以上の世帯、2025年)。3/6
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成
- 【40歳未満】貯蓄994万円(年間収入767万円)
- 【40~49歳】貯蓄1381万円(年間収入871万円)
- 【50~59歳】貯蓄1756万円(年間収入905万円)
30代を含む40歳未満の世帯の平均は994万円、40代は1381万円で、どちらも全体の平均2059万円を大きく下回ります。全体の平均を押し上げているのは、60代(2843万円)や70歳以上(2471万円)の世帯です。年代別の中央値は、この概要では公表されていません。
ここからは、住宅ローンなどの負債を差し引いた場合と、年収と比べた場合の見え方を確かめます。