東京23区で働く区の職員の給与は、区によってどのくらい違うのでしょうか。
同じ東京の区でも、年収の目安で比べると60万円を超える差があります。
総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」には、23区それぞれの職員の給料と手当の額が載っています。この記事では、全職種の月収とボーナスから年収の目安を計算し、23区を高い順に並べて比べます。
1. 【東京23区の公務員の年収】23区の平均は約686万1000円
総務省の調査は、2025年4月1日現在の地方公務員の給与を自治体ごとにまとめたものです。市区町村別の表には、東京23区の職員数や平均年齢、給料と諸手当の月額、期末手当と勤勉手当の年額が区ごとに載っています。
1.1 月収とボーナスの平均
23区の全職種の職員は、合わせて6万5511人です。区ごとの値を単純平均すると、給料と諸手当を合わせた月収は約42万1000円、期末手当と勤勉手当を合わせたボーナスは年約180万6000円でした。
1.2 年収の目安は月収とボーナスから計算
調査には年収の項目がないため、この記事では月収を12か月分にしてボーナスを足し、年収の目安とします。23区の単純平均は約686万1000円です。
なお、月収は職員1人当たりの平均、ボーナスは支給された職員1人当たりの平均で、もとにしている人数が異なります。年収の目安はあくまで試算で、調査の時点より後の給与改定は入っていません。
2. 区の公務員の年収の目安を23区で比べる
23区それぞれの年収の目安を、高い順に並べると次のとおりです。月収には、給料のほか扶養手当や地域手当、時間外勤務手当なども含まれます。
- 台東区:722万3600円(月収44万7300円・ボーナス185万6000円)
- 足立区:719万6500円(月収44万4700円・ボーナス186万100円)
- 目黒区:702万6700円(月収43万3000円・ボーナス183万700円)
- 練馬区:702万1400円(月収42万8400円・ボーナス188万600円)
- 新宿区:698万4100円(月収43万800円・ボーナス181万4500円)
- 中野区:695万1200円(月収42万3600円・ボーナス186万8000円)
- 港区:691万9900円(月収42万7400円・ボーナス179万1100円)
- 墨田区:691万8900円(月収41万9100円・ボーナス188万9700円)
- 杉並区:691万8000円(月収42万8300円・ボーナス177万8400円)
- 江戸川区:689万7200円(月収42万3100円・ボーナス182万円)
- 荒川区:689万6800円(月収42万3100円・ボーナス181万9600円)
- 品川区:688万2400円(月収42万6600円・ボーナス176万3200円)
- 世田谷区:685万9300円(月収42万1500円・ボーナス180万1300円)
- 大田区:683万3200円(月収41万6700円・ボーナス183万2800円)
- 豊島区:678万100円(月収41万4200円・ボーナス180万9700円)
- 千代田区:676万6700円(月収41万8300円・ボーナス174万7100円)
- 江東区:676万5700円(月収41万1400円・ボーナス182万8900円)
- 中央区:675万1200円(月収41万7800円・ボーナス173万7600円)
- 北区:666万9700円(月収41万100円・ボーナス174万8500円)
- 文京区:666万1500円(月収41万1100円・ボーナス172万8300円)
- 板橋区:663万9800円(月収40万3700円・ボーナス179万5400円)
- 渋谷区:662万6800円(月収40万5000円・ボーナス176万6800円)
- 葛飾区:661万5300円(月収40万3700円・ボーナス177万900円)
2.1 上位は台東区と足立区
年収の目安がいちばん高いのは台東区の722万3600円で、足立区の719万6500円が続きます。3位の目黒区と4位の練馬区も、700万円を超えました。
2.2 千代田区は16位
都心の千代田区は676万6700円で16位、港区は691万9900円で7位でした。都心の区だからといって、職員の年収の目安が高いとは限らないのです。
3. 23区の公務員の年収の差は最大60万8300円
いちばん低いのは葛飾区の661万5300円で、台東区との差は60万8300円です。このうち月収の差を12か月分にした額が52万3200円、ボーナスの差が8万5100円でした。
3.1 一般行政職で比べると
調査には、一般行政職の職員だけの数字も載っています。同じ計算で比べると、1位は台東区の744万200円、23位は葛飾区の681万2600円で、差は62万7600円でした。
一般行政職でも、台東区がトップで葛飾区が最も低い並びは変わりません。2位以下は足立区、目黒区、新宿区、港区の順です。
4. 区によって公務員の年収が違うのはなぜか
台東区と葛飾区の職員は、平均年齢が40.2歳と40.3歳でほぼ同じです。それでも年収の目安に差が出るのは、月収の内訳に違いがあるためです。
4.1 地域手当はほぼ同じ
23区の職員の地域手当は、月5万9800円の品川区から6万4000円の練馬区までで、差は4200円にとどまります。地域手当が区の差を大きく広げているわけではありません。
4.2 時間外勤務手当の差
差が大きいのは時間外勤務手当で、台東区は月4万7500円、葛飾区は2万3900円でした。この差2万3600円を12か月分にすると28万3200円になり、年収の目安の差60万8300円のおよそ半分を占めます。
23区全体で見ても、時間外勤務手当は江東区の月1万7800円から足立区の5万2700円まで開きがあります。時間外勤務手当は、正規の勤務時間を超えて働いた時間に応じて支給される手当です。
4.3 給料の差
給料そのものは、文京区の月29万2600円から練馬区の31万2700円まででした。台東区と葛飾区では1万4600円の差があり、月収の差4万3600円の3分の1ほどにあたります。
東京23区の職員の年収の目安は、台東区の722万3600円から葛飾区の661万5300円まで、60万8300円の開きがありました。差の多くは時間外勤務手当と給料から生まれていて、地域手当はどの区もほぼ同じです。
区ごとの職員の給料や手当の額は、総務省の「地方公務員給与の実態」で確かめられます。
ここからは、2026年10月13日に特別区人事委員会が出した勧告で、23区の職員の月給とボーナスがどう変わる見込みかを見ていきます。