厚生労働省は、令和8年6月18日の社会保障審議会医療保険部会(第212回)の資料で、令和8年4月のマイナ保険証の利用率が全国で68.15%だったと示しました。利用率は、マイナ保険証の利用人数をレセプト件数で割った値で、令和8年3月の67.21%から0.94ポイント上がっています。

同じ資料の4月分の内訳(表)では、合計が1億7021万3820人で、そのうちマイナンバーカード(マイナ保険証)での受付が1億1599万9836人、資格確認書での受付が5421万3984人です。資格確認書などの割合は、編集部の計算で31.85%、およそ3人に1人です。

この記事では、資料の公表日(令和8年6月18日)と対象月(令和8年4月)を明記して、全国、施設の種類、都道府県ごとの利用率を整理します。扱うのは、資料に載っている令和8年4月分までの数字です。個別の医療機関での受付は、各医療機関に確認してください。

1. 令和8年4月の全国の利用率は68.15%:施設の種類では歯科診療所が71.52%、薬局が63.29%

厚生労働省の資料には、令和8年4月分の実績の内訳が、病院、医科診療所、歯科診療所、薬局に分けて載っています。ここからは、この内訳をもとに、全国の利用率を施設の種類ごとに見ていきます。

利用率は、マイナ保険証の利用人数を、レセプト件数で割った値です。令和8年1月は64.62%、3月は67.21%、4月は68.15%と、毎月少しずつ上がっています。

1.1 【マイナ保険証の利用率は施設の種類でどれだけ違う?令和8年4月分の病院・診療所・薬局別の利用率を一覧で確認】

前提条件:厚生労働省の第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3(令和8年6月18日)の令和8年4月分実績による。利用率はマイナ保険証の利用人数÷レセプト件数。人数は資料の表記のとおり(合計の列は、マイナ保険証と資格確認書などの合計)1/2

前提条件:厚生労働省の第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3(令和8年6月18日)の令和8年4月分実績による。利用率はマイナ保険証の利用人数÷レセプト件数。人数は資料の表記のとおり(合計の列は、マイナ保険証と資格確認書などの合計)

出所:厚生労働省「マイナ保険証の円滑な利用について」(令和8年6月18日 第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3)の数値を基にLIMO編集部作成(利用率は資料の人数から編集部が計算)

  • 病院:合計2088万4750人のうち、マイナ保険証は1430万6574人で、利用率は68.50%です。
  • 医科診療所:合計6889万1591人のうち、マイナ保険証は4902万683人で、利用率は71.16%です。
  • 歯科診療所:合計2142万9701人のうち、マイナ保険証は1532万6493人で、利用率は71.52%です。
  • 薬局:合計5900万7778人のうち、マイナ保険証は3734万6086人で、利用率は63.29%です。
  • 全体:合計1億7021万3820人のうち、マイナ保険証は1億1599万9836人で、利用率は68.15%です。

最も高いのは歯科診療所の71.52%、最も低いのは薬局の63.29%で、差は8.23ポイントです。表の4つの施設の人数を足すと、全体の合計と一致します。

薬局は、4月の合計人数が5900万7778人で、全体の約34.67%を占めます。全体の約3分の1を占める薬局の利用率が低いため、全体の68.15%を押し下げる方向に働きます。

2. 都道府県別の最高は富山県の77.91%、最低は沖縄県の55.31%:差は22.60ポイント

次に、都道府県別の利用率です。同じ資料に、令和8年4月の利用率が47都道府県ぶん載っています。全国の68.15%と、資料の括弧内にある令和8年3月からの変化も並べます。

最も高いのは富山県の77.91%、最も低いのは沖縄県の55.31%で、差は22.60ポイントです。全国の68.15%と比べると、富山県は9.76ポイント高く、沖縄県は12.84ポイント低い計算です。

2.1 【都道府県別のマイナ保険証利用率は?令和8年4月分の上位5県と下位5県を全国平均と並べて確認】

前提条件:厚生労働省の第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3(令和8年6月18日)の令和8年4月の都道府県別の利用率による。利用率はマイナ保険証の利用人数÷レセプト件数。「3月からの変化」は、資料で括弧内に示された令和8年3月の値からの変化量(ポイント)。上位・下位の選び方は、資料の数値を編集部が並べ替えたもの2/2

前提条件:厚生労働省の第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3(令和8年6月18日)の令和8年4月の都道府県別の利用率による。利用率はマイナ保険証の利用人数÷レセプト件数。「3月からの変化」は、資料で括弧内に示された令和8年3月の値からの変化量(ポイント)。上位・下位の選び方は、資料の数値を編集部が並べ替えたもの

出所:厚生労働省「マイナ保険証の円滑な利用について」(令和8年6月18日 第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3)の数値を基にLIMO編集部作成

  • 上位5県:富山県77.91%(前月から+1.03ポイント)、宮崎県76.42%(+0.99)、静岡県74.47%(+0.70)、福井県74.44%(+1.00)、鹿児島県73.46%(+0.84)です。
  • 下位5県:和歌山県63.09%(前月から+0.92ポイント)、大阪府61.85%(+0.98)、徳島県61.19%(+0.97)、高知県59.05%(+1.17)、沖縄県55.31%(+1.05)です。
  • 全国:68.15%で、前月から+0.94ポイント上がっています。

東京都は66.17%、大阪府は61.85%で、全国の68.15%を下回っています。47都道府県のすべてで、令和8年3月より利用率が上がっていて、上がり幅は最も小さい三重県の0.59ポイントから、最も大きい鳥取県の1.74ポイントまでです。

3. 【編集者の視点】

利用率の数字を見るときは、何を何で割った値かを、先に確かめておくと、読み違いが減ります。ここで示した68.15%は、マイナ保険証の利用人数を、レセプト件数で割った値です。

都道府県の差は大きく、最も高い県と最も低い県で、22.60ポイント開いています。ただし、お住まいの地域の数字は、近くの医療機関や薬局での受付の実態そのものではありません。実際の受付方法は、通う医療機関で確かめてください。

4. まとめ

厚生労働省が令和8年6月18日の医療保険部会の資料で示した、令和8年4月のマイナ保険証の利用率は、全国で68.15%です。令和8年3月の67.21%から0.94ポイント上がりました。施設の種類では、歯科診療所が71.52%で最も高く、薬局が63.29%で最も低くなっています。

都道府県別では、富山県が77.91%、沖縄県が55.31%で、差は22.60ポイントです。47都道府県のすべてで、前月より利用率が上がっています。

この記事で扱ったのは、資料に載っている令和8年4月分までの数字です。それより後の月の数字は、厚生労働省の資料で公表されたときに、確かめてください。

5. 資料にある「率」は3種類:利用率68.15%、利用登録割合75.8%、年齢階層別の利用率は分母が違う

同じ資料には、マイナ保険証に関する「率」が、少なくとも3種類出てきます。名前が似ていますが、何を何で割っているかが違うため、数字を並べて差を取ることはできません。

1つ目は、ここまで見てきた利用率です。マイナ保険証の利用人数を、レセプト件数で割った値で、令和8年4月は全国で68.15%です。都道府県別、施設の種類別の数字は、この利用率です。

2つ目は、利用登録割合です。マイナ保険証の利用者数を、加入者数で割った値で、令和8年4月末時点では、全体の平均が75.8%です。保険制度ごとに分かれていて、協会けんぽが74.7%、健康保険組合が83.7%、共済組合が84.6%、国保組合が71.6%、市町村国保が70.7%、後期高齢者医療制度が75.8%です。

3つ目は、年齢階層別の利用率です。資料の注には、マイナ保険証の利用件数を、オンライン資格確認の利用件数(オンライン診療を除く、名寄せ前)で割った値と書かれています。この方式では、令和8年4月の75歳以上は49.39%、70歳から74歳は60.06%です。

「利用率」は3種類ある?利用率・利用登録割合・年齢階層別の利用率の計算方法と令和8年4月の数字を比較で確認

前提条件:厚生労働省の第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3(令和8年6月18日)による。3種類は分母が違うため、数字の差を取って比べることはできない
率の名前 計算のしかた 令和8年4月(または4月末)の数字
利用率(全国・都道府県・施設の種類) マイナ保険証の利用人数÷レセプト件数 全国68.15%
利用登録割合(保険制度別) マイナ保険証の利用者数÷加入者数 全体の平均75.8%
年齢階層別の利用率 マイナ保険証の利用件数÷オンライン資格確認の利用件数(オンライン診療を除く、名寄せ前) 75歳以上49.39%、70歳から74歳60.06%

出所:厚生労働省「マイナ保険証の円滑な利用について」(令和8年6月18日 第212回社会保障審議会医療保険部会 資料3)を基にLIMO編集部作成

5.1 【「利用率」は3種類ある?利用率・利用登録割合・年齢階層別の利用率の計算方法と令和8年4月の数字を比較で確認】

  • 利用率(全国・都道府県・施設の種類):マイナ保険証の利用人数÷レセプト件数で、全国は68.15%です。
  • 利用登録割合(保険制度別):マイナ保険証の利用者数÷加入者数で、全体の平均は75.8%です。
  • 年齢階層別の利用率:マイナ保険証の利用件数÷オンライン資格確認の利用件数(オンライン診療を除く、名寄せ前)で、75歳以上は49.39%、70歳から74歳は60.06%です。

たとえば、利用登録割合の75.8%と、利用率の68.15%の差を、「登録しても使っていない人の割合」と読むことはできません。分母が、加入者数とレセプト件数で別のものだからです。

6. 資格確認書などは4月に5421万3984人:全体の31.85%、薬局では36.71%

利用率が68.15%ということは、残りの31.85%は、マイナ保険証以外で保険の資格を確認された人です。資料の表では、この列が「資格確認書」と示されています。

施設の種類ごとに、資格確認書などの割合を計算すると、病院は31.50%、医科診療所は28.84%、歯科診療所は28.48%、薬局は36.71%です。薬局は、利用率が最も低く、資格確認書などの割合が最も高くなっています。

資格確認書の位置づけや、マイナ保険証を登録しても解除できる仕組みは、LIMOのマイナ保険証は義務化されたのか?作らないと保険が使えなくなるという不安に「資格確認書」という代替手段と、一度登録しても解除できる仕組みまで詳しく解説でも整理しています。

7. 医科診療所は富山県の80.02%、病院は富山県の81.06%が最高:沖縄県は医科診療所57.06%、病院55.12%

同じ資料には、施設の種類別に、都道府県の順位も載っています。ここでは、医科診療所と病院について、最も高い県と最も低い県を見ます。

医科診療所は、1位が富山県の80.02%、47位が沖縄県の57.06%です。病院は、1位が富山県の81.06%、47位が沖縄県の55.12%です。どちらも、1位は富山県、最下位は沖縄県で、全体の都道府県別の順位と同じです。

医科診療所の1位と47位の差は22.96ポイント、病院は25.94ポイントです。全体の22.60ポイントより、病院の差のほうが大きくなっています。

8. 利用割合が30%以上の施設は、令和6年12月の40.3%から令和8年4月の92.9%へ

資料には、マイナ保険証の利用割合ごとに、施設数がどう分布しているかも示されています。対象は、レセプト件数が50以上などの施設で、施設数は令和6年12月が20万7065、令和8年4月が20万6438です。

利用割合が10%未満の施設が占める割合は、令和6年12月は12.0%で、令和8年4月は3.5%に下がりました。30%以上の施設が占める割合は、40.3%から92.9%に上がっています。

施設の種類別に見ると、10%未満の施設の割合は、病院が6.6%から0.9%、医科診療所が11.3%から4.0%、歯科診療所が8.1%から2.1%、薬局が17.4%から4.3%です。

9. 年齢階層別では、75歳以上が令和7年11月の33.46%から令和8年4月の49.39%に

年齢階層別の利用率は、先ほど触れたとおり、分母の違う別の数字です。資料のグラフには、令和6年12月、令和7年11月、令和8年4月の3時点が示されています。

75歳以上は、令和6年12月が24.57%、令和7年11月が33.46%、令和8年4月が49.39%です。70歳から74歳は、32.22%、49.37%、60.06%です。

令和8年4月の数字を、年齢の階層ごとに見ると、65歳から69歳が60.35%、70歳から74歳が60.06%で、75歳以上の49.39%より10ポイント以上高くなっています。

10. 【編集者の視点】

この記事で整理した数字は、どれも、厚生労働省の資料に載っている令和8年4月分です。68.15%という全国の数字だけを見ると、「7割近くが使っている」と読めます。

しかし、資料の中には、分母の違う率が複数あり、薬局のように利用率が低い施設や、沖縄県のように低い県もあります。ご自身が受診や調剤をする医療機関で、マイナ保険証と資格確認書のどちらを使うかは、全国の数字では決まりません。

なお、資料には、個別の医療機関の利用率は載っていません。数字を、ご自身の通う医療機関の状況に当てはめることはできないため、最新の受付の方法は、各医療機関や、加入先の保険者に確かめてください。

※本記事は、編集部が厚生労働省が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。

11. よくある質問

11.1 Q. マイナ保険証の利用率とは何ですか?

厚生労働省の資料では、マイナ保険証の利用人数を、レセプト件数で割った値と説明されています。令和8年4月は全国で68.15%です。

11.2 Q. 令和8年4月の全国の利用率はいくらですか?

68.15%です。令和8年3月の67.21%から0.94ポイント上がりました。令和8年6月18日の第212回社会保障審議会医療保険部会の資料に載っています。

11.3 Q. 都道府県別で最も高いのはどこですか?

令和8年4月は富山県の77.91%で、最も低いのは沖縄県の55.31%です。差は22.60ポイントです。

11.4 Q. 資格確認書で受診している人はどのくらいですか?

資料の令和8年4月分の表では、資格確認書などが5421万3984人で、合計1億7021万3820人に対する割合は、編集部の計算で31.85%です。

11.5 Q. 利用率と利用登録割合は何が違いますか?

利用率は、マイナ保険証の利用人数をレセプト件数で割った値で、利用登録割合は、マイナ保険証の利用者数を加入者数で割った値です。分母が違うため、差を取って比べることはできません。

11.6 Q. 薬局の利用率は、ほかの施設より低いのですか?

令和8年4月は、薬局が63.29%で、病院の68.50%、医科診療所の71.16%、歯科診療所の71.52%より低くなっています。理由までは、資料からは分かりません。

11.7 Q. 令和8年5月以降の利用率は、どこで分かりますか?

厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会の資料などで公表されます。本記事の執筆時点(2026年10月)で、厚生労働省の資料で確認できたのは、令和8年4月分までです。

11.8 Q. 自分の通う医療機関の利用率は分かりますか?

資料に載っているのは、都道府県別、施設の種類別、施設数の分布で、個別の医療機関の利用率は載っていません。受付の方法は、各医療機関に確認してください。

参考資料

齊藤 慧