4. 3級はどんな状態?労働に制限

障害等級の考え方も、働くことと関わります。日本年金機構の障害等級表では、1級・2級が主に日常生活の制限の程度で定められているのに対し、厚生年金保険のみにある3級は、労働が制限を受ける程度の障がいを含めて定められています。

障害等級表の1級・2級・3級の考え方(抜粋)です。4/6

障害等級表の1級・2級・3級の考え方

出所:日本年金機構「障害等級表」をもとにLIMO編集部作成

3級は、初診日に厚生年金に加入していた人が対象の障害厚生年金にある等級です。働きながら受け取るケースも想定された等級だといえます。

5. 停止はいつから?10月から翌年9月

20歳前の傷病による障害基礎年金は、毎年、本人の前年の所得の確認が必要です。前年の所得にもとづく支給対象期間は、10月分から翌年9月分までとされています。

20歳前の傷病による障害基礎年金の、所得の確認と支給対象期間の関係です。5/6

所得の確認と支給対象期間の関係

出所:日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」をもとにLIMO編集部作成

たとえば2026年に働いて得た所得は、2027年10月分から2028年9月分までの支給に反映されます。働き始めた年ではなく、その翌年の秋からの支給に関わる点に注意が必要です。

6. FPの検証:働き方は一人で決めない

20歳前の傷病による障害基礎年金2級のケースでは、所得385万8000円以下なら全額支給、491万8000円を超えると全額が支給停止でした。働いていることだけで障害年金が止まるわけではない一方で、所得による制限や、障がいの状態の判断に働き方が考慮される点は知っておきたいところです。

障害年金を受けながら働くときに、確かめておきたいことです。6/6

障害年金を受けながら働くときに確かめたいこと

出所:日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」、日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」をもとにLIMO編集部作成

働くことは、収入だけでなく、生活のリズムや人とのつながりを支えることにもつながります。一方で、無理をして体調を崩してしまっては元も子もありません。職場で受けている配慮や援助の内容は、障がいの状態を判断するときにも確認される点なので、日ごろから書き留めておくと、更新の手続きのときにも役立ちます。

働き方を変えるときは、主治医や職場、年金事務所などに相談しながら、体調と収入、年金のバランスを一緒に考えていくと安心です。

7. まとめ

障害年金は、病気やけがで生活や仕事が制限されるようになった方の暮らしを支える公的年金です。障害認定基準では、働いていることをもって直ちに日常生活能力が向上したものとは捉えず、仕事の内容や職場での援助などを確認して判断するとしています。

20歳前の傷病による障害基礎年金には本人の所得による支給制限があり、2級なら所得385万8000円以下で全額支給、扶養親族がいると制限額が引き上げられます。働き方を考えるときは、利用できる制度や条件をお近くの年金事務所などで確認してください。

※本記事は情報提供を目的としています。ケースは日本年金機構の資料をもとに設定した試算例です。障がいの程度の判断や支給の可否は個別の状況によって異なります。実際の取扱いは、年金事務所やねんきんダイヤルでご確認ください。

参考資料

青木 里美