3. 【児童扶養手当の受給者数】令和7年3月で77万7962人

手当を受け取っている人の数も見ていきます。

3.1 児童扶養手当の受給者数と内訳(令和7年3月)

「児童扶養手当制度の概要」では、令和7年3月の受給者数を77万7962人としています。このうち母は73万8913人、父は3万5915人、養育者は3134人となっています。

3.2 児童扶養手当の全部支給者と一部支給者の数(令和6年度末)

「ひとり親家庭の支援について(令和8年4月)」によると、令和6年度末の受給者のうち、全部支給者は46万4031人、一部支給者は31万3931人です。

受け取っている手当の区分は、前年の収入や家族の状況によって、年ごとに変わることがあります。毎年の判定を、働き方や家計の組み立てを見直す機会として生かしていきたいところです。働いて収入を得ながら、手当とあわせて暮らしを組み立てている家庭も多いと考えられます。全部支給か一部支給かは、前年の所得と扶養親族等の数によって決まる区分です。家庭の事情は一つひとつ違うため、人と比べるよりも、わが家の数字を確かめることを大切にしたいところです。

同資料によると、受給者数は平成24年度末を境に減少に転じています。一方で、令和6年11月には全部支給と一部支給の所得制限限度額が引き上げられました。以前に所得制限で手当を受け取れなかった人や、一部支給だった人も、今の限度額で一度確かめ直してみる価値はあるでしょう。制度の見直しはこれからもありうるため、こども家庭庁や住んでいる市区町村の案内を、年に一度は確かめておきたいところです。

4. 【子ども1人の家庭の例】就労等収入が増えると手当は減るが、総収入は増えるように設計

同資料には、手当を受け取る親と子ども1人の家庭の例が示されています。

4.1 子ども1人の家庭の児童扶養手当の月額(就労等収入別)

  • 就労等収入190万円:月額4万8050円(1年で約58万円)、総収入248万円
  • 就労等収入230万円:月額4万650円(1年で約49万円)、総収入279万円
  • 就労等収入280万円:月額3万1410円(1年で約38万円)、総収入318万円
  • 就労等収入320万円:月額2万4010円(1年で約29万円)、総収入349万円
  • 就労等収入385万円:月額1万1340円(1年で約14万円)、総収入399万円

例)手当を受け取る親と子ども1人の家庭の児童扶養手当の月額(令和8年度)2/2

例)手当を受け取る親と子ども1人の家庭の児童扶養手当の月額(令和8年度)

出所:こども家庭庁「ひとり親家庭の支援について(令和8年4月)」をもとにLIMO編集部作成

同資料によると、この手当は、働いて収入が増えていくと、手当を合わせた総収入も増えていく仕組みになっています。例えば、就労等収入が190万円から230万円に増えると、手当は月7400円減りますが、総収入は248万円から279万円へ31万円増えます。収入が増えても、手当を合わせた総収入は増えていく仕組みです。例の数字は給与で働く場合の目安なので、働き方や家族の状況が違えば、手当の金額も変わってきます。

4.2 児童扶養手当の所得に加わる養育費と、扶養義務者の所得による制限

同資料によると、手当の判定に使う所得は、収入から各種控除額を差し引き、受給者やその子どもが父または母から養育費を受け取っている場合は、その8割に相当する金額を加えて計算します。また、受給資格者と生計を同じくする扶養義務者がいて、その人の所得が限度額以上の場合は、手当は全部支給停止になります。扶養義務者の限度額は、扶養親族等の数が0人で所得236万円、1人で274万円、2人で312万円です。

収入が増えると手当は少しずつ減りますが、例を見ると、手当を加えた総収入は増えていきます。手当が減ることだけを気にして働く時間を控えるより、1年間の収入全体で考えたいところです。一方で、生計を同じくする扶養義務者がいる人は、その人の所得によって手当が全部支給停止になる場合もあります。養育費を受け取っている人は、その8割が所得に加わる点も確認しておきましょう。収入のほかに、家族の状況や養育費も含めて確かめておくと安心です。特に、養育費の取り決めが変わったときや、生計を同じくする家族が変わったときは、手当の区分が変わることも考えられます。届いた通知や書類は一か所にまとめておくと、毎年の判定のたびに見返しやすくなるでしょう。暮らしの形が変わったときこそ、早見表に当てはめ直してみるとよいでしょう。

5. 【11月分からの手当に備えて】前年の収入と養育費を書き出し、わが家の区分を確かめる

手当の決まりを、わが家の収入に当てはめていきましょう。

5.1 前年1年間の収入と、受け取った養育費を書き出す

まずは、前年1年間の収入と、実際に受け取った養育費の金額を書き出してみましょう。現況届の際に書いた方もいると思いますが、その用紙に記載した金額をメモしておくとわかりやすいでしょう。そのうえで、扶養親族等の数に合った早見表の行に当てはめると、全部支給と一部支給のどちらにあたりそうかの目安が立ちます。

5.2 手当を加えた1年間の収入で、来年からの家計を考える

次に、手当を加えた1年間の収入で、来年からの家計を見通してみましょう。手当は奇数月に2か月分ずつ支払われるため、振り込みのない月の生活費をどう回すかも、あわせて考えておきたいところです。手当の対象は、子どもが18歳になったあとの最初の3月31日までです(障害児の場合は20歳未満)。高校を卒業したあとの進学などにかかるお金も含めて、手当がいつまで続くのかを見通しておくと、子どもの進学に合わせた働き方や家計の組み立ても考えやすくなるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子