11月は、児童扶養手当を受け取っている家庭にとって、1つの区切りの月です。前年の所得によって手当を制限するかどうかを判定する期間が、毎年11月に新しくなるためです。夏に現況届を出し、これからの手当の金額が気になっている人もいるのではないでしょうか。
児童扶養手当は、ひとり親家庭などで子どもを育てる人に支給される手当です。令和8年4月からの月額は、全部支給で4万8050円です。ただし、受け取る人の所得によって、全部支給・一部支給・支給停止のいずれかに決まります。子どもが2人以上いる家庭には、2人目から加算もあります。
本記事では、こども家庭庁の資料から、扶養親族等の数ごとの所得制限の早見表と、令和8年度の手当の金額を確かめます。わが家がどの区分にあたるのかを知っておくと、来年の家計の見通しを立てやすくなるでしょう。収入が分かる書類を手元に用意して読み進めると、わが家に当てはめやすいはずです。
記事の後半では、受給者の数や、所得に加わる養育費、生計を同じくする扶養義務者の所得による制限も解説します。
1. 【児童扶養手当の所得制限・早見表】子ども1人なら全部支給は収入190万円、一部支給は385万円まで
こども家庭庁の「ひとり親家庭の支援について(令和8年4月)」によると、児童扶養手当の金額は、受け取る人の所得と扶養親族等の数に応じて決まります。
1.1 児童扶養手当の全部支給の所得制限限度額(扶養親族等の数別)
令和8年度の所得制限限度額表から、全部支給の限度額を扶養親族等の数ごとに並べると、次のとおりです。かっこ内は収入ベースの金額です。
- 0人:所得69万円(収入152万円)
- 1人:所得107万円(収入190万円)
- 2人:所得145万円(収入244万3000円)
- 3人:所得183万円(収入298万6000円)
- 4人:所得221万円(収入352万9000円)
- 5人:所得259万円(収入401万3000円)
1.2 児童扶養手当の一部支給の所得制限限度額(扶養親族等の数別)
一部支給の限度額も、扶養親族等の数に応じて上がっていきます。数ごとに並べると、次のとおりです。
- 0人:所得208万円(収入334万3000円)
- 1人:所得246万円(収入385万円)
- 2人:所得284万円(収入432万5000円)
- 3人:所得322万円(収入480万円)
- 4人:所得360万円(収入527万5000円)
- 5人:所得398万円(収入575万円)
同資料によると、収入ベースの金額は、給与所得者を例として示したもので、制度のうえでは所得の金額で決められています。給与のほかに収入がある人は、所得ベースの金額で照らし合わせておくとよいでしょう。限度額に近い人ほど、少しの収入の変化で区分が変わることも考えられます。
早見表は、わが家の位置を知る入口として使いたいところです。例えば、扶養親族等の数が2人なら、全部支給の目安は収入244万3000円までと、1人のときより54万3000円高くなります。扶養する家族の数が変わる年は、当てはめる行も変わる点を覚えておきましょう。
表の数字が多くて難しく感じるかもしれませんが、見る行は1つだけです。まずは扶養親族等の数に合った行を見つけ、そのうえで前年の収入がどの区分に入るかを確かめると、迷わずに読めるでしょう。収入が限度額をわずかに上回る人は、一部支給の欄もあわせて見ておくと、手当がどのくらい残るかの見当がつきやすくなるはずです。
2. 【11月分から判定の期間が切り替わる】令和8年度の手当は全部支給で月4万8050円
所得による判定は、11月が区切りになっています。
2.1 児童扶養手当の所得制限は11月から翌年10月までの期間で当てはめる
同資料の改正の経緯によると、令和元年11月から、前年の所得による支給制限の適用期間は、8月から翌年7月までだったものが、11月から翌年10月までに変わりました。あわせて支払いの回数も年3回から年6回になり、支給月は1月・3月・5月・7月・9月・11月です。毎年8月に出す現況届による手当の金額の改定は、1月の支払い分以降に反映されるよう見直されました。
2.2 児童扶養手当の令和8年度の月額(全部支給・一部支給・2人目以降の加算)
令和8年4月からの手当の月額は、こども家庭庁が示している「児童扶養手当制度の概要」で、次のようにまとめられています。
- 全部支給:4万8050円の見込み(令和7年度は4万6690円)
- 一部支給:4万8040円から1万1340円
- 子ども2人目以降の加算(1人につき):全部支給は1万1350円、一部支給は1万1340円から5680円
令和7年度と比べると、全部支給の月額は1360円上がります。支払いは2か月分ずつなので、1回の振り込みで見ると2720円の違いになります。令和7年度から8年度にかけて金額が変わったように、手当の金額は年度によって変わることがあります。4月からの新しい金額を、毎年確かめておくと安心でしょう。判定の期間が切り替わる11月を、わが家の手当を見直す月と決めておくのもよいでしょう。
児童扶養手当は、ひとり親家庭などの暮らしを支える大切な収入です。全部支給か一部支給かで、毎月の手当の金額は大きく変わります。働き方を考えるときは、手当の金額だけでなく、手当を加えた1年間の収入全体で見ていくことが大切でしょう。
児童扶養手当の所得制限は、子どもが1人の家庭なら、収入ベースで全部支給が190万円、一部支給が385万円までです。判定の期間は11月から翌年10月までで、令和8年度の月額は全部支給で4万8050円の見込みです。