老後のマネープランを考える際、単なる額面の年金額だけでなく、「住民税」という見えにくい税負担も気になるところです。
令和8年度の年金額改定で国民年金の満額は年額84万7296円となりましたが、都市部など多くの自治体では、65歳以上の単身者は年金収入155万円以下が住民税非課税の目安とされており、その差額は70万2704円となります。
本記事では、この国民年金満額と非課税のボーダーラインを照らし合わせ、厚生年金などの上乗せが月いくらまでなら非課税の範囲に収まるのかを整理します。
1. 国民年金の満額は月7万608円。住民税の非課税ラインまであとどれくらい?
国民年金の満額と、65歳以上単身の住民税非課税の目安(年金収入のみ)1/3
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」、横浜市「年金収入に対する市民税・県民税が非課税となる目安はいくらですか?」をもとにLIMO編集部作成
厚生労働省が令和8年1月23日に公表した「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの人で月7万608円(前年度から1300円増)、昭和31年4月1日以前生まれの人で月7万408円です。年額にすると、それぞれ84万7296円と84万4896円になります。
一方、横浜市が公表している「年金収入に対する市民税・県民税が非課税となる目安」では、65歳以上で配偶者がいない場合、年金収入が155万円以下とされています。
- 国民年金の満額(昭和31年4月2日以後生まれ、年額):84万7296円
- 非課税の目安(65歳以上・配偶者なし、年金収入のみ):155万円以下
- 差額:70万2704円
国民年金の満額だけで暮らす単身の人は、年金収入の面では、非課税の目安を70万円以上下回っています。ただし、これは横浜市が示す現在の目安と令和8年度の年金額を並べた比較です。住民税は前年の収入をもとに判定されるため、令和8年中の年金収入は、原則として令和9年度分の住民税に反映されます。お住まいの市区町村の基準は、各自治体で確認する必要があります。
1.1 厚生年金などの上乗せは、月いくらまでなら目安の範囲?
年金収入155万円を月額に直すと、約12万9166円です。国民年金の満額(月7万608円)との差は月5万8558円ですので、厚生年金などの上乗せ分を含めた年金の合計が月12万9166円以下なら、この目安の範囲に収まる計算です。
たとえば、国民年金の満額に厚生年金などが月3万円加わると、合計は月10万608円で、年額は120万7296円です。155万円の目安までは、あと34万2704円の余裕がある計算になります。実際の判定は年間の収入で行われるため、あくまで目安として捉えてください。
2. 年金収入のみの場合、非課税の目安は?世帯の形で4通りあります
横浜市の同ページ(最終更新2026年4月1日)には、年金の収入のみがあるものとして計算した、非課税の目安が掲載されています。配偶者については、収入が無いものとして計算されています。
- 65歳以上・配偶者なし:年金収入155万円以下
- 65歳未満・配偶者なし:年金収入105万円以下
- 65歳以上・配偶者あり:年金収入211万円以下
- 65歳未満・配偶者あり:年金収入171万3334円以下
65歳以上の単身と、65歳未満の単身では、非課税の目安に50万円の差があります。年齢と配偶者の有無によって、目安が変わる点に注意が必要です。