5. 固定期間の終了前に返しても、減る利息の大半は終了後の金利で決まる

固定期間中に繰り上げ返済をする場合と、終了を待って返す場合を比べます。

5.1 終了の2年前に返すと、固定期間の残り2年で減る利息は約4.8万円

計算例の住宅ローンで、固定期間の終了の2年前に300万円を期間短縮型で返すと、終了までの2年間に払う利息は約4.8万円減ります。金利が年0.8%と低いため、この期間に減る利息は大きくありません。

その後の利息は、固定期間の終了後に適用される金利で決まります。終了後の金利が上がるほど、繰り上げ返済で減る利息は大きくなります。

5.2 終了を待つ間、300万円を手元に残しておける

固定期間の終了まで繰り上げ返済を待てば、その間は300万円を手元に置いておけます。急な出費に備える余裕が残る一方で、待つ間に払う利息は返した場合より約4.8万円多くなります。

どちらを選ぶかは、手元に残したいお金と、終了後の金利の見通しを並べて決めることになります。

6. 10年固定の期間が終わる前に確かめたいこと

固定期間の終了が近い人が、繰り上げ返済を考える前に手元で確かめておきたい点を3つにまとめます。

6.1 固定期間が終わる年月と、終了後の金利の決まり方

返済予定表や借入時の契約書で、固定期間がいつ終わるかを確かめます。終了後に適用される金利の決まり方は、借入時の契約によって異なります。

借入先から届く案内で、終了後の金利の見込みと選べる金利タイプを確かめておきましょう。

6.2 変動金利にするか、再び固定にするか

変動金利を選ぶと、その後の金利の見直しで返済額や元金の減り方が変わります。再び固定金利を選べば、その期間は金利が変わりませんが、選んだ時点の固定金利が適用されます。

計算例のとおり、終了後の金利が高いほど繰り上げ返済で減る利息は大きくなります。金利タイプの選択と繰り上げ返済を一緒に考えると、選択の結果を比べやすくなります。

6.3 繰り上げ返済のあとに残すお金

40歳代は、子どもの教育費が増える時期と重なることがあります。300万円を返したあとも、生活費の数か月分と近いうちに使う予定のお金は手元に残るかを確かめてから、返す額を決めましょう。

7. まとめ

世帯主が40歳代で年収750万~1000万円未満の二人以上世帯では、借入金がない世帯が72.5%で、借入金の残高が2000万円以上の世帯は14.8%でした。金融資産は平均2012万円、中央値1000万円です。

2016年11月に3500万円を固定期間10年で借りた計算例では、2026年11月の固定期間の終了時に300万円を繰り上げ返済すると、減る利息は終了後の金利が年1.5%なら約126万円、年2.5%なら約234万円でした。

固定期間が終わる前に、終了後の金利と選べる金利タイプを借入先の案内で確かめ、繰り上げ返済の額と時期をあわせて考えてみてください。

参考資料

鶴田 綾