生活保護を受けている人の割合は、住んでいる地域によってかなり違います。同じ政令指定都市でも、市によって4倍以上の開きがあります。

厚生労働省が2026年10月7日に公表した「被保護者調査(令和8年7月分概数)」によると、全国の保護率(人口百人あたり)は1.60%でした。20の政令指定都市では大阪市が4.48%で最も高く、浜松市の0.94%が最も低くなっています。

この記事では、生活保護を受けている世帯の世帯類型の内訳を確認したうえで、政令指定都市と中核市の保護率を並べて見ていきます。

※生活保護法第1条によると、生活保護は、生活に困っているすべての国民に対して国が困窮の程度に応じた保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立を助けることを目的とした制度です。病気やけが、障害、高齢、失業、介護や子育てなど、受給に至る事情は人それぞれです。この記事は、制度を必要とする方が安心して利用できるよう、仕組み等をお伝えすることを目的としています。

1. 生活保護を受けている世帯は令和8年7月分で164万4102世帯、半数を超えるのは高齢者世帯

まず、全国で生活保護を受けている世帯と人の数を、被保護者調査の月次の概数で確認します。

1.1 生活保護を受けている人は196万9655人、全国の保護率は1.60%

令和8年7月分で生活保護を受けている世帯は164万4102世帯、受けている人は196万9655人でした。

保護率は、生活保護を受けている人の数を人口で割った割合です。全国では人口百人あたり1.60人が生活保護を受けている計算になります。

1.2 生活保護の世帯類型別では、高齢者世帯が90万3116世帯で55.2%

保護を一時的に停止している世帯を除いた163万5284世帯を、世帯類型別に分けると次のとおりです。

  • 高齢者世帯:90万3116世帯(55.2%)
  • 障害者・傷病者世帯:41万8114世帯(25.6%)
  • その他の世帯:25万9162世帯(15.8%)
  • 母子世帯:5万4892世帯(3.4%)

半数を超える高齢者世帯のほか、障害や病気のある人の世帯が4分の1ほどを占めています。

2. 政令指定都市の生活保護の保護率、大阪市は4.48%で20市の中で最も高い

被保護者調査では、都道府県とは別に、政令指定都市と中核市の保護率も公表されています。20の政令指定都市の保護率を高い順に並べました。

政令指定都市の生活保護の保護率(令和8年7月分概数・人口百人あたり)1/2

20の政令指定都市の生活保護の保護率を高い順に並べた横棒グラフ。大阪市が4.48%で最も高く、浜松市が0.94%で最も低い

出所:厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」を参考にLIMO編集部作成

  • 大阪市:4.48%
  • 札幌市:3.55%
  • 堺市:2.97%
  • 神戸市:2.67%
  • 京都市:2.66%
  • 福岡市:2.50%
  • 北九州市:2.36%
  • 千葉市:2.10%
  • 熊本市:1.98%
  • 名古屋市:1.95%
  • 相模原市:1.94%
  • 広島市:1.85%
  • 横浜市:1.80%
  • 仙台市:1.76%
  • 岡山市:1.75%
  • 川崎市:1.71%
  • 新潟市:1.51%
  • 静岡市:1.44%
  • さいたま市:1.36%
  • 浜松市:0.94%

2.1 保護率が2%を超える政令指定都市は8市

保護率が2%を超えたのは、大阪市、札幌市、堺市、神戸市、京都市、福岡市、北九州市、千葉市の8市でした。近畿の4市がそろって上位に入っています。

大阪市で生活保護を受けている人は12万5718人で、政令指定都市の中で最も多い人数です。2番目の札幌市は6万9747人でした。

2.2 最も低い浜松市は0.94%、1%を下回るのは浜松市だけ

保護率が最も低いのは浜松市の0.94%でした。20市のうち1%を下回ったのは浜松市だけで、次に低いさいたま市は1.36%です。

3. 中核市の生活保護の保護率、函館市4.47%と那覇市4.34%が高い

人口20万人以上で指定を受ける中核市についても、保護率が高い10市を並べました。

中核市の生活保護の保護率、高い10市(令和8年7月分概数・人口百人あたり)2/2

中核市のうち生活保護の保護率が高い10市を並べた横棒グラフ。函館市が4.47%で最も高く、那覇市4.34%、旭川市3.60%と続く

出所:厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」を参考にLIMO編集部作成

  • 函館市:4.47%
  • 那覇市:4.34%
  • 旭川市:3.60%
  • 尼崎市:3.53%
  • 寝屋川市:3.29%
  • 東大阪市:3.27%
  • 高知市:3.23%
  • 八尾市:2.94%
  • 青森市:2.91%
  • 長崎市:2.90%

3.1 中核市で生活保護の保護率が最も低いのは豊田市の0.55%

中核市で保護率が最も低かったのは豊田市の0.55%で、松本市の0.68%、富山市の0.71%が続きます。

最も高い函館市とは、同じ中核市でも8倍ほどの差があります。北海道の函館市と旭川市、大阪府の寝屋川市・東大阪市・八尾市など、同じ道府県から複数の市が上位に入っています。

令和8年7月分の生活保護の保護率は、全国で1.60%でした。政令指定都市では大阪市の4.48%、中核市では函館市の4.47%が最も高く、同じ規模の市どうしでも数倍の開きがあります。

生活保護の相談と申請の窓口は、住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所を設置していない町村に住んでいる場合は、町村役場でも申請の手続きができます。

ここからは、政令指定都市ごとの世帯類型の違いと、保護率の数字を読むときに確かめておきたい点、生活扶助基準額の例を見ていきます。