家族の介護が必要になったとき、生活保護を受けている世帯では介護サービスの費用をどう払うのか、迷う人もいるかもしれません。

厚生労働省が2026年10月7日に公表した被保護者調査(令和8年7月分概数)によると、生活保護の介護扶助を受けた人は45万8150人でした。

この記事では、介護扶助を受けている人の内訳と、生活保護法が定める介護扶助の範囲を確認します。

1. 生活保護の介護扶助を受けた人は2026年7月に45万8150人

まず、被保護者調査の閲覧表から、介護扶助を受けた人の数をサービスの種類別に見ていきます。

1.1 居宅介護が32万6823人で全体の7割を占める

2026年7月に介護扶助を受けた45万8150人のうち、自宅などで介護サービスを使う居宅介護が32万6823人でした。

要支援の人が使う介護予防は9万5740人、介護施設に入所して受ける施設介護は3万5587人です。

2026年7月に介護扶助を受けた人は45万8150人、うち居宅介護が32万6823人1/2

2026年7月に生活保護の介護扶助を受けた人数を、居宅介護・介護予防・施設介護の別に示した横棒グラフ

出所:厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」を参考にLIMO編集部作成

  • 居宅介護:32万6823人
  • 介護予防:9万5740人
  • 施設介護:3万5587人

1.2 被保護実人員は196万9655人、介護扶助は約23%

同じ7月の被保護実人員は196万9655人で、前年同月から2万438人減りました。

介護扶助を受けた45万8150人は、被保護実人員の約23%にあたります。

2. 生活保護は最低生活費に足りない分を補う制度で、介護扶助は8つの扶助のひとつ

介護扶助の仕組みを見る前に、生活保護の保護費がどう決まるのかを確認しておきます。

2.1 保護費は最低生活費から収入を差し引いた差額

生活保護法第8条は、国が定める基準で測った需要のうち、その人の金銭や物品で満たせない不足分を補う程度で保護を行うと定めています。

年金や働いて得た収入などがある場合は、その分を差し引いた差額が保護費として支給されます。

2.2 介護扶助は原則として現物給付で行われる

生活保護の扶助は、生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭の8種類です。

生活保護法第34条の2は、介護扶助を原則として現物給付で行うと定めています。介護サービスの費用は、福祉事務所から介護事業者へ直接支払われる仕組みです。

3. 生活保護法が定める介護扶助の範囲は9つの事項

介護扶助で受けられるサービスの範囲は、生活保護法第15条の2に列挙されています。

3.1 居宅介護から移送までの9つ

条文に並んでいる事項は次のとおりです。

  • 居宅介護(居宅介護支援計画に基づくものに限る)
  • 福祉用具
  • 住宅改修
  • 施設介護
  • 介護予防(介護予防支援計画に基づくものに限る)
  • 介護予防福祉用具
  • 介護予防住宅改修
  • 介護予防・日常生活支援
  • 移送

3.2 要介護か要支援かで使える範囲が分かれる

要介護者は居宅介護・福祉用具・住宅改修・施設介護と移送が対象です。

要支援者は介護予防から介護予防・日常生活支援までと移送が対象で、施設介護は含まれていません。

2026年7月に介護扶助を受けた45万8150人のうち、7割にあたる32万6823人が居宅介護でした。

介護扶助の範囲は要介護か要支援かで変わるため、まずは要介護認定の結果通知で自分の区分を確かめておくと、使えるサービスの見当がつきます。

続いて、65歳以上と40〜64歳で介護扶助の使い方がどう変わるのか、申請の手順とあわせて確認します。