年金の振込額を見て、「平均と比べて自分は多いのか少ないのか」が気になったことはないでしょうか。次の年金の支給日は2026年12月15日(火)で、10月分と11月分の2か月分が振り込まれます。
厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると、国民年金(老齢基礎年金)を含む厚生年金の平均年金月額は、2024年度末時点で15万289円でした。ところが、月15万円以上を受け取っている人は受給権者の49.8%で、半分に届いていません。
この記事では、公的年金の2階建てのしくみを振り返り、厚生年金を「ひと月15万円」以上受け取る人の割合を男女全体と男女別で確かめます。
1. 【国民年金と厚生年金】公的年金は2階建て
日本の公的年金は、国民年金と厚生年金という2つの制度が重なった形をしています。土台になる国民年金の上に厚生年金が乗るため、「2階建て」と呼ばれるのです。
公的年金は2階建て。国民年金(1階)の上に厚生年金(2階)が乗る(2026年度)1/5
出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成
1.1 1階部分は国民年金
- 加入する人:日本に住む20歳以上60歳未満の人(原則として全員)
- 保険料:加入者全員が同じ額で、年度ごとに見直される(※1)
- 年金額:480か月(40年)すべて納めると、65歳から満額の老齢基礎年金(※2)を受け取れる。納めていない期間があれば、その分だけ少なくなる
※1 国民年金保険料:月1万7920円(2026年度)
※2 老齢基礎年金の満額:月7万608円(2026年度。1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人は月7万408円)
1.2 2階部分は厚生年金
- 加入する人:会社員や公務員など
- 保険料:給与や賞与の額に応じて決まる(上限あり)
- 年金額:加入していた期間とその間の報酬で決まり、国民年金に上乗せして支給される
国民年金の保険料が一律なのに対し、厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与に保険料率をかけて計算します。報酬が多いほど納める額も大きくなるため、受け取る厚生年金にも人によって差が出るのです。
つまり、現役時代に厚生年金に加入していた期間の長さと、その間の報酬によって、老後の年金額は大きく変わります。自営業などで国民年金だけに加入していた期間が長い人は、1階部分の年金が中心になります。
2. 【厚生年金】支給日に「30万円(月額15万円)以上」受け取る人は何パーセント?
厚生年金の額には個人差がありますが、ほかの人がどのくらい受け取っているのかは気になるところです。ここからは、厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で、2024年度末時点の受給額を見ていきます。
同資料によると、厚生年金保険(第1号)の老齢年金の受給権者の平均年金月額は、男女全体で15万289円でした。年金は2か月分ずつまとめて振り込まれるので、平均的な人なら1回の支給日に約30万円を受け取る計算です。
では、平均にあたる月15万円以上を受け取っている人は、受給権者のうちどのくらいいるのでしょうか。
※下記の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)の額を含みます。2024年度末時点の額のため、前章の2026年度の満額(月7万608円)とは時点が異なります。
2.1 【男女全体】厚生年金「ひと月15万円」以上の人は何パーセント?
【男女全体】厚生年金の平均年金月額:15万289円
- 1万円未満:4万3399人
- 1万円以上2万円未満:1万4137人
- 2万円以上3万円未満:3万5397人
- 3万円以上4万円未満:6万8210人
- 4万円以上5万円未満:7万6692人
- 5万円以上6万円未満:10万8447人
- 6万円以上7万円未満:31万5106人
- 7万円以上8万円未満:57万8950人
- 8万円以上9万円未満:80万2179人
- 9万円以上10万円未満:101万1457人
- 10万円以上11万円未満:111万2828人
- 11万円以上12万円未満:107万1485人
- 12万円以上13万円未満:97万9155人
- 13万円以上14万円未満:92万3506人
- 14万円以上15万円未満:92万9264人
- 15万円以上16万円未満:96万5035人
- 16万円以上17万円未満:100万1322人
- 17万円以上18万円未満:103万1951人
- 18万円以上19万円未満:102万6888人
- 19万円以上20万円未満:96万2615人
- 20万円以上21万円未満:85万3591人
- 21万円以上22万円未満:70万4633人
- 22万円以上23万円未満:52万3958人
- 23万円以上24万円未満:35万4人
- 24万円以上25万円未満:23万211人
- 25万円以上26万円未満:15万796人
- 26万円以上27万円未満:9万4667人
- 27万円以上28万円未満:5万5083人
- 28万円以上29万円未満:3万289人
- 29万円以上30万円未満:1万5158人
- 30万円以上:1万9283人
月15万円以上を受け取る人は801万5484人で、受給権者全体(1608万5696人)の49.8%でした。平均額は15万円を少し上回っていても、15万円に届いている人は半分に足りないのです。
人数がもっとも多いのは、月10万円以上11万円未満の111万2828人でした。月10万円以上15万円未満の人は全体の31.2%、月10万円未満の人は19.0%を占めています。
2.2 【男女別】厚生年金「ひと月15万円」以上の人は何パーセント?
男性と女性に分けると、受給額の分かれ方はかなり違います。
【男性】厚生年金の平均年金月額:16万9967円
- 1万円未満:3万446人
- 1万円以上2万円未満:1万257人
- 2万円以上3万円未満:5404人
- 3万円以上4万円未満:5185人
- 4万円以上5万円未満:1万4747人
- 5万円以上6万円未満:3万9134人
- 6万円以上7万円未満:13万4214人
- 7万円以上8万円未満:23万186人
- 8万円以上9万円未満:26万278人
- 9万円以上10万円未満:26万99人
- 10万円以上11万円未満:29万8838人
- 11万円以上12万円未満:37万6357人
- 12万円以上13万円未満:45万6689人
- 13万円以上14万円未満:54万9337人
- 14万円以上15万円未満:65万7775人
- 15万円以上16万円未満:76万4713人
- 16万円以上17万円未満:85万3718人
- 17万円以上18万円未満:92万6462人
- 18万円以上19万円未満:95万5327人
- 19万円以上20万円未満:91万3998人
- 20万円以上21万円未満:82万204人
- 21万円以上22万円未満:68万2702人
- 22万円以上23万円未満:50万9842人
- 23万円以上24万円未満:34万1191人
- 24万円以上25万円未満:22万4720人
- 25万円以上26万円未満:14万7563人
- 26万円以上27万円未満:9万2856人
- 27万円以上28万円未満:5万4156人
- 28万円以上29万円未満:2万9810人
- 29万円以上30万円未満:1万4935人
- 30万円以上:1万8801人
【女性】厚生年金の平均年金月額:11万1413円
- 1万円未満:1万2953人
- 1万円以上2万円未満:3880人
- 2万円以上3万円未満:2万9993人
- 3万円以上4万円未満:6万3025人
- 4万円以上5万円未満:6万1945人
- 5万円以上6万円未満:6万9313人
- 6万円以上7万円未満:18万892人
- 7万円以上8万円未満:34万8764人
- 8万円以上9万円未満:54万1901人
- 9万円以上10万円未満:75万1358人
- 10万円以上11万円未満:81万3990人
- 11万円以上12万円未満:69万5128人
- 12万円以上13万円未満:52万2466人
- 13万円以上14万円未満:37万4169人
- 14万円以上15万円未満:27万1489人
- 15万円以上16万円未満:20万322人
- 16万円以上17万円未満:14万7604人
- 17万円以上18万円未満:10万5489人
- 18万円以上19万円未満:7万1561人
- 19万円以上20万円未満:4万8617人
- 20万円以上21万円未満:3万3387人
- 21万円以上22万円未満:2万1931人
- 22万円以上23万円未満:1万4116人
- 23万円以上24万円未満:8813人
- 24万円以上25万円未満:5491人
- 25万円以上26万円未満:3233人
- 26万円以上27万円未満:1811人
- 27万円以上28万円未満:927人
- 28万円以上29万円未満:479人
- 29万円以上30万円未満:223人
- 30万円以上:482人
月15万円以上を受け取る人の割合は、男性が68.8%(735万998人)に上る一方、女性は12.3%(66万4486人)にとどまります。女性では月10万円以上15万円未満の人が49.5%と、ほぼ半分を占めていました。
男女の平均年金月額の差は5万8554円です。厚生年金の額は加入期間と報酬で決まるため、現役時代の働き方の違いが受給額の差につながっています。
厚生年金を月15万円以上受け取る人は、2024年度末時点で男女全体の49.8%、男性で68.8%、女性で12.3%でした。自分の加入記録や年金の見込額は「ねんきんネット」で確かめられ、50歳以上の人はねんきん定期便にも年金見込額が載っています。
ここからは、月15万円に届いていない人も含め、65歳以降も厚生年金に加入して働く人の年金が12月15日の振込から増える「在職定時改定」を確認します。