「都の西北」と「陸の王者」
「早慶戦」や「慶早戦」
そんな、私学の雄として並び称される早稲田大学や慶應義塾大学。
それにつながる附属・系属校は、高校受験でも根強い人気があります。
大学までの進路が見通しやすい一方で、私立高校の3年間にかかるお金は、決して小さくありません。
2026年度からは国の就学支援金の所得制限がなくなりましたが、支援を受けたあとにいくら残るのかは、学校ごとに計算してみないと分かりませんよね。
小学生の息子を育てる筆者も、いずれ来る高校進学に向けて、どのくらいの準備が必要なのかを知っておきたいと考えています。
今回は、高校から受験して入学できる早慶の人気校として、共学の早稲田実業学校高等部と、女子校の慶應義塾女子高校の2校を取り上げます。
両校が公式サイトで公表している金額をもとに、3年間の学費と、国の就学支援金を差し引いた後の負担を比べます。
1. 【私立高校の学費】早稲田実業学校高等部の学費
早稲田実業学校高等部(東京都国分寺市)は、早稲田大学の系属校で、共学です。2027年度入試の一般入試では、約90名(男子約45名・女子約45名)を募集します。
同校の出身者には、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を立ち上げた実業家の前澤友作さんがいます。
前澤さんはインタビューで「高校は、早稲田実業に進学しました。両親に勧められて受験したら受かっちゃったんで」と語っており、高校受験を経て入学しています。
「受験したら受かっちゃったんで」
なんて、筆者も一度は言ってみたかった...(笑)
さて、学費は、公式サイトの「学費等」に、2026年度に入学した生徒の1〜3年時の金額として次のとおり示されています。
1.1 早稲田実業学校高等部 2026年度入学生徒(新入生)の学費等
授業料は学年が上がるごとに6万円ずつ高くなり、1年の61万2000円に対して、3年では73万2000円になります。
入学手続金以外の学費等は、4月と10月の2期に分けて納めます。
このほか、制服や運動着、教科書、校外学校行事などの費用がかかります。卒業年度には、校友会入会金5000円と校友会維持費4万円(卒業後10年分)も必要です。
なお、学費等は諸般の事情により、在学中に改定されることもあるとされています。
1.2 早稲田実業学校高等部 3年間の学費合計
公式サイトに示された学年ごとの金額を足すと、次のとおりです。
- 1年次:123万2600円
- 2年次:98万7600円
- 3年次:104万7600円
- 3年間の合計:326万7800円
2. 【私立高校の学費】慶應義塾女子高校の学費
慶應義塾女子高校(東京都港区)は、慶應義塾大学の附属の女子校です。2027年度入試では、一般入試で女子約70名、推薦入試で女子約30名を募集します。
学費は、公式サイトの「学費・奨学金」に2026年度の金額が示されています。「2027年度 一般・帰国生用入試要項」によると、2027年度の金額は未定で、2026年11月下旬に決まる予定です。参考として示されている2026年度の金額は次のとおりです。
2.1 慶應義塾女子高校 2026年度の学費
授業料は前期・後期の2回に分けて納めるため、入学手続時には95万5000円が必要です。
授業料と教育充実費は、在学中も「スライド制」で毎年改定されます。生徒会費と保護者会費も、必要に応じて改定することがあるとされています。
また、任意ではありますが、慶應義塾教育振興資金(寄付金、年額1口3万円・2口以上)と、慶應義塾債(学校債、1口10万円・3口以上)への協力のお願いがあります。
2.2 慶應義塾女子高校 3年間の学費合計(試算)
2026年度の金額が3年間変わらないと仮定すると、次のとおりです。
- 1年次:133万5000円
- 2〜3年次:99万5000円×2年=199万円
- 3年間の合計:332万5000円
実際は、授業料と教育充実費がスライド制で毎年改定されるため、総額はこれより増える可能性があります。
3. 早稲田実業学校高等部と慶應義塾女子高校の費用比較
入学金・授業料と、施設・教育環境のための費用(早稲田実業学校高等部は施設設備資金と教育充実費、慶應義塾女子高校は教育充実費)、諸会費を比べると、次のとおりです。
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出所:本記事に記載の内容を基にLIMO編集部作成
初年度は、入学金と授業料が高い慶應義塾女子高校のほうが10万2400円高くなります。
一方、早稲田実業学校高等部は施設・教育環境の費用が年28万8000円と高く、授業料も学年ごとに上がります。
その結果、3年間の合計の差は5万7200円まで縮まりました。
4. 【高校無償化】就学支援金を差し引くと負担はいくらになる?
2026年度から、国の「高等学校等就学支援金」が新しくなりました。
文部科学省によると、所得制限が撤廃され、私立高校(全日制)に通う生徒には、世帯年収にかかわらず年45万7200円を上限に授業料が支援されます。返済は不要ですが、申請が必要です。
ただし、支援の対象は授業料だけです。入学金や施設関係の費用、諸会費などは対象になりません。また、日本国籍以外の生徒には国籍・在留資格などの要件があります。
なお、以下の試算は令和8年度(2026年度)の支援額を、3年間にそのまま当てはめたものです。
※支援額や学費が変われば、負担額も変わります。
4.1 国の就学支援金(年45万7200円)を差し引いた後の学費
両校とも授業料が年45万7200円を上回るため、毎年上限額いっぱいの支援を受けられる計算です。3年間で最大137万1600円になります。
就学支援金を差し引いても、3年間の負担は早稲田実業学校高等部が189万6200円、慶應義塾女子高校が195万3400円あるということになりました。
授業料のうち支援の上限を超える分にくわえ、入学金や施設関係の費用は支援の対象外だからです。
支援後に残る授業料は、慶應義塾女子高校が年30万2800円、早稲田実業学校高等部が年15万4800円〜27万4800円です。
4.2 東京都に住んでいる場合は、都の上乗せもある
東京都に住んでいる場合は、都の「私立高等学校等授業料軽減助成金」も受けられます。
東京都私学財団によると、令和8年度は国の就学支援金とあわせて、最大で年50万1000円(都の分は年4万3800円が上限)まで、実際に負担した授業料を助成します。所得要件はありません。
国と都の支援を最大まで受けた場合、3年間の負担は、早稲田実業学校高等部が176万4800円、慶應義塾女子高校が182万2000円(試算)になります。
都の助成金は、国の就学支援金とは別に、毎年度の申請が必要です。
4.3 神奈川県・埼玉県に住んでいる場合は、県の補助の対象外
神奈川県や埼玉県にも、私立高校の授業料などを補助する県の制度があります。
ただし、神奈川県の「学費補助金」は県内の私立高校に通う場合、埼玉県の「父母負担軽減事業補助金」は埼玉県が認可した私立学校に通う場合が対象です。
今回の2校はどちらも東京都にあるため、神奈川県や埼玉県から通う場合は、国の就学支援金のみが対象になります。
4.4 支援を受けても、入学時のお金は用意しておくことがおすすめ
支援金は、入学後に申請して支給が決まる仕組みです。
入学手続時には、慶應義塾女子高校で95万5000円が必要です。早稲田実業学校高等部も、入学手続金を納めたあと、4月と10月に学費等を納めます。
入学時に必要な金額は、支援を見込まずに準備しておくと安心です。
5. 【早稲田実業学校高等部・慶應義塾女子高校学費】まとめ
公式に公表されている2026年度の金額で比べると、3年間の学費は早稲田実業学校高等部が326万7800円、慶應義塾女子高校が332万5000円(試算)でした。
2026年度から国の就学支援金は所得制限なしで年45万7200円が上限となり、これを差し引くと3年間の負担は約190万〜195万円です。
「高校無償化」といっても、授業料が支援の上限を超える分や、入学金・施設関係の費用は家庭の負担として残ります。
私立高校の学費を考えるときは、授業料だけでなく、支援の対象外になる費用や入学時に必要な金額まで含めて確認しておきましょう。
住んでいる都道府県の上乗せ制度が、通う学校の所在地によって使えるかどうかも、あわせて調べておくことが大切です。
6. 著者のコメント
授業料が学年ごとに上がる早稲田実業学校高等部と、スライド制で毎年改定される慶應義塾女子高校とでは、学費の上がり方にも違いがあるんですね!
本記事は学費を両校の公式サイトから、支援制度を文部科学省などの公式情報から引いているので、資金計画の参考にしてください。
参考資料
- 早稲田実業学校 公式サイト「学費等」
- 早稲田実業学校 公式サイト「募集要項・出願方法(一般入試)」
- 慶應義塾女子高等学校 公式サイト「学費・奨学金」
- 慶應義塾女子高等学校 公式サイト「入試概要(募集要項)」
- 文部科学省「高校生等への修学支援」(高等学校等就学支援金【新制度】リーフレット)
- 東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金(都の制度)」
- 神奈川県「私立学校学費支援制度のご紹介」
- 埼玉県「私立学校の父母負担軽減について(令和8年度)」
- ドリームゲート「第51回 株式会社スタートトゥデイ 前澤友作」
長島 迪子
