親の特別養護老人ホームへの入所を考え始めると、毎月の費用が気になる人は少なくありません。
厚生労働省「令和7年度 介護給付費等実態統計の概況」が2026年9月30日に公表されました。特養(介護福祉施設サービス)の年間実受給者数は76万1200人です。
食費を抑える「特定入所者介護サービス費(補足給付)」は、2026年8月1日に見直されました。第3段階①の食費は日額680円、第3段階②は日額1420円です。
一方で、住民税非課税でも預貯金額が基準を超えれば対象外となり、年金収入等の区切りの変更で負担が軽くなる人もいます。段階ごとの新旧の食費額と、対象を分ける基準を確認していきましょう。
1. 食費は段階によってこう変わった 日額と30日換算の新旧一覧
1.1 特養の食費、段階ごとに1か月でいくら違う?
補足給付は、食費や居住費の負担軽減のため、所得や資産に応じて第1段階から第3段階②までに区分されます。食費や居住費の自己負担限度額が定められる仕組みです。
2026年8月1日の制度見直しにより、食費の自己負担額が一部引き上げられました。
区分ごとの従来の日額と新たな日額、および1か月(30日換算)の目安額を一覧で見てみましょう。
第1段階(生活保護受給者など)は日額300円のままであり、30日換算でも9000円と同額です。
第2段階(住民税非課税で年金収入等82.65万円以下)も日額390円で据え置かれ、30日換算1万1700円と変わりません。
一方で第3段階①(年金収入等82.65万円超〜120万円以下)は、日額650円から680円へ30円引き上げられました。
30日換算では従来の1万9500円から2万400円となり、1か月あたり900円の負担増となります。
第3段階②(年金収入等120万円超)は、日額1360円から1420円へ60円引き上げられました。
30日換算では従来の4万800円から4万2600円となり、1か月あたり1800円の負担増です。
軽減が適用されない基準費用額(目安)も変更されています。日額1445円から1545円へ引き上げられ、30日換算では4万6350円となりました。
上記の30日換算額は1か月を30日として計算した概算であり、実際の請求額は月の日数や外泊の有無などで変動します。
また、短期入所(ショートステイ)の場合は設定金額が異なる点にも注意が必要です。第3段階①で日額1030円、第3段階②で日額1360円となりました。
あわせて居住費についても、第3段階の一部の区分で日額100円の引き上げが行われています。
食費に加え、負担段階を左右する要件の変化についても把握しておくことが大切です。
2. 住民税非課税でも対象外になる預貯金の基準
2.1 住民税非課税なのに、預貯金で対象外になることがある?
補足給付の認定を受けるためには、世帯を分離している配偶者を含む世帯全員が住民税非課税で、資産要件も満たす必要があります。
具体的には、預貯金や有価証券などの保有額が一定の基準以下でなければなりません。
単身の場合、第1段階は1000万円以下、第2段階は650万円以下が要件となります。
第3段階①は550万円以下、第3段階②は500万円以下という基準です。
夫婦の場合はそれぞれの段階の単身基準額に1000万円を加算した金額(第2段階なら1650万円以下)が上限となります。
世帯分離をしている配偶者がいる場合も、配偶者の預貯金を含めて合算判定される点に留意しましょう。
たとえ住民税が非課税であっても、預貯金額が基準を超えている場合は給付の対象外となってしまいます。