「身に覚えのない請求がカードの明細に載っていた。でも、不正利用ならカード会社が補償してくれるはず」。そう考えている方は多いかもしれません。

カード会社には不正利用の補償制度があり、被害に遭った方を守る仕組みが用意されています。ただ、補償を受けるうえで見落としやすい点が3つあります。補償される期間には区切りがあること。その期間はカード会社の規約で決まっていること。そして、被害に早く気付けるかどうかは、日ごろの明細の確認にかかっていること。

ここでは、鹿児島県の消費生活センターに寄せられた相談事例と、日本クレジット協会の統計をもとに、この3つを確かめます。

※編集部:本記事の事例は、鹿児島県の消費生活センターが公表している相談事例です。

1. 不正利用は増えている?2025年は510億円

まずは、被害の大きさからみていきましょう。

日本クレジット協会の集計によると、クレジットカードの不正利用被害額は2024年に555.0億円と過去最多になりました。2025年は510.5億円で前年より減りましたが、2021年の330.1億円と比べると、依然として高い水準が続いています。

クレジットカードの不正利用被害額の推移です。1/6

クレジットカード不正利用被害額の推移

出所:日本クレジット協会「クレジット関連統計」クレジットカード不正利用被害の発生状況をもとにLIMO編集部作成

2025年の被害額のうち、93.1%にあたる475.4億円は「番号盗用」によるものでした。カードそのものを盗まれなくても、カード番号などの情報が盗まれ、インターネットでの買い物などに使われる被害です。手元にカードがあっても安心できない、ということになります。

2. 補償は何日前まで?規約で決まる

では、不正利用に遭ったら、いつの分まで補償されるのでしょうか。

鹿児島県の消費生活センターは、次のような相談事例を公表しています(鹿児島県「クレジットカードの不正利用~利用明細は必ず毎月確認!」)。

  • 【相談者】50歳代の女性
  • 【気付いたきっかけ】カード会社から、利用代金の口座引き落としができないと連絡があった
  • 【被害】2か月間で合計70万円の不正利用
  • 【カード会社の回答】既に補償期間の60日を経過しており、補償できない

この方は、利用明細の確認がアプリに変わってから、操作が分からず確認していなかったそうです。同センターは、不正利用の補償制度はあるものの、補償期間はカード会社の規約で定められているため注意が必要だとしています。

補償期間が、届け出た日からさかのぼって60日間と定められている場合を例に、届け出の時期と補償の目安を整理しました。

補償期間を「届け出た日から60日前まで」とした場合の、届け出の時期と補償の目安です。2/6

届け出の時期と補償の目安

出所:鹿児島県「クレジットカードの不正利用~利用明細は必ず毎月確認!」をもとにLIMO編集部作成

※補償期間や補償の対象になる条件は、カード会社ごとに会員規約で定められています。お手持ちのカードの規約で確認してください。

同じ不正利用でも、気付いて届け出るのが遅れるほど、補償の対象から外れる部分が大きくなる計算です。

3. 早く気付くには?明細を毎月確認

補償の期間内に届け出るために欠かせないのが、利用明細の確認です。日本クレジット協会は、不正利用の被害を最小限にするために必要なのは、できるだけ早く被害に気付くことだとして、次のポイントを挙げています。

日本クレジット協会が挙げる、利用明細の確認のポイントです。3/6

利用明細の確認のポイント

出所:日本クレジット協会「利用明細確認のポイント」をもとにLIMO編集部作成

電子明細(Web・アプリ)は、紙の明細のように届くたびに目に入るわけではありません。カードを使っていない月でも、こまめに確認することが大切です。身に覚えのない請求があったときは、速やかにカード会社に連絡しましょう。

ここからは、2026年の被害の状況と、カード番号を盗まれないための対策を確かめます。